「卒業生数」、「大学進学ルート」にも着目[大学合格実績の見方 第3回]
前回お伝えした「大学合格者数」のほか、学校によって差が大きいものに「卒業生数」と「大学に進むルート」があります。
「卒業生数」の差は10倍以上もある場合も
「卒業生数」の差はすぐわかりますね。進学校として知られている学校でも、卒業生数が1200名以上もいるところから100名に満たないところまであります。ですから、単純に絶対数で合格実績を比べてもあまり意味がありません。比較する場合には絶対数だけを見るのではなく、「率」(合格者数を卒業生数で割った数字)という視点が必要です。
例を挙げれば、
●A高校 東京大学 15名合格 卒業者数600名 合格率2.50%
●B高校 東京大学 10名合格 卒業者数300名 合格率3.33%
●C高校 東京大学 7名合格 卒業者数200名 合格率3.50%
といったように、絶対数ではA高校→B高校→C高校の順ですが、「率」に直すとまったく逆の順になるのです。
ですから、「率」という視点も必要なことがおわかりいただけるでしょう。
「大学に進むルート」も高校によって大きく違う
一般にはほとんど語られていませんが、多くの私立学校の話を聞き、進学資料を見せてもらっていると、大学への進み方は高校ごとに違いがあることに気づきます。
大学受験には、学力試験を伴う一般入試のほかに、AO入試、推薦入試(公募推薦・指定校推薦など)などがあることはご存じのことと思いますが、これらのどのルートを使って大学に進学しているかは高校によって大きく異なります。
- 学校全体に生徒の学力レベルが高く、9割以上が一般入試(センター試験利用入試等も含む)を経て大学に進学している。
- 学校としてはできるだけ一般入試に向かわせたいと考えているが、成績のよい生徒の多くが指定校推薦制度を利用して進学する。
- 学校自体の姿勢が、卒論を書かせる、各種コンテストに応募させる、検定試験を積極的に受けさせるなど、AO入試、推薦入試で大学進学させるようにしている。
といった違いが見られるのです。
どのルートが適しているのかは、お子さまによって異なります。ですから、志望校はどのような形で大学へ進む生徒が多いのかについても調べてみるといいでしょう。