【専門家監修】受験料だけじゃない!大学受験にかかる費用総額は約40万円!?

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お子さまの大学入試にあたって、避けて通れないのがお金の準備。
併願大も含めて複数校を受験するとなると、それだけ受験料もかかります。
遠方の大学を受けるなら、交通費や宿泊費なども考えておかなければなりません。
さらに、第1志望大受験前に併願大に合格し、入学資格確保のための手続き費用が必要になる場合も。

そこで今回は、大学受験にかかる費用の目安を紹介します。
直前になってあわてないよう、どのくらいお金が必要になるのかを押さえておきましょう。

この記事のポイント

子ども一人あたりの大学受験費用は約39〜42万円!

日本政策金融公庫が2021年12月に発表した調査結果によると、入学先別の「子ども一人あたりの大学受験にかかった費用」は、約39〜42万円となっています。


※日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査」より

上記の表にある「受験にかかる費用」は、受験料と受験のための交通費や宿泊費を指す「受験費用」と、併願大へ支払う「入学しないへ支払う納付金」の2種類が含まれています。

受験にかかる費用が一番かかるのは入学先が「私立大学理系」で、国公立大学との差は3万7,000円です。「国公立大学」「私立大学文系」「私立大学理系」の入学しない大学へ支払う納付金には大きな差は見られず、受験費用に差が見られます。

大学受験にかかるは主に「受験料」「受験のための交通費・宿泊費」「入学しなかった大学への納付金」の3種類

ここからは、大学受験にかかる費用について種類ごとに詳しく見ていきましょう。
大学受験にかかる費用は、大きく分けて

  • ・受験料
  • ・受験のための交通費・宿泊費
  • ・入学しなかった大学への納付金

の3種類に分けられます。

【受験料】併願大を含めると10万円以上かかることも!


※2023年度入試 ベネッセ調べ

大学を受験する際の費用として欠かせないのが、大学・学部ごとの受験料。
大学入試には学校推薦型選抜・総合型選抜・一般選抜などさまざまな種類がありますが、どの方式でも受験1回ごとに受験料が必要です。

国公立大・私立大問わず、近年は複数の大学・学部を、複数の方式で受験するケースが多くなっているため、受験料だけで高額になることも。

たとえば、国公立大を第1志望として私立大を3校併願した場合だと、受験費用の総額は次のようになり、約16万円かかります。

また、現在はインターネット出願が多いですが、願書請求や必要な各種証明書等の発行などに費用がかかる場合も。願書提出の郵送代なども含めると複数校受験の場合は意外と費用がかさみます。

私立大が第1志望の場合、共通テスト利用入試はほかの入試方法に比べて安価なことがほとんどです。また、学内併願(1つの大学内で2つ以上の学部を受験すること)で複数出願すると、2学部目以降の受験料が割引になるケースもあります。

各大学の入試システムや受験料を事前に調べたうえで、併願大を検討していくとよいでしょう。

【受験のための交通費・宿泊費】受験する大学によっては高額になるので要注意

志望大学によっては、受験料とは別に試験会場への交通費や宿泊費がかかることも認識しておきましょう。保護者のかたが受験についていく場合は、当然その分の費用もプラスされます。

ここで、宿泊を伴う受験費用のモデルケースを見てみましょう。

【モデルケース】

  • ・大阪府在住
  • ・保護者のかたの同伴なし
  • ・東京都の国立大学一般選抜の前期日程を受験


※新幹線代:新大阪-東京間の新幹線「JRお出かけネット マイ・ダイヤ」
※宿泊費:旅行会社によるビジネスホテル価格から算出
※その他:食事代1食2,000円×3食×2日分+交通費3,000円で算出

受験料に加えて、宿泊費と往復新幹線代、食事代、大学やホテルまでの交通費などを合計すると、大阪府から東京都の国立大学を受験する場合の費用は約10万円。大学の場所や受験校数によっては、費用が高額になる可能性があります。

最近では、国公立大・私立大ともに全国各地に試験会場を設けている大学もあり、遠方の大学でもお住まいの地域で受験できれば、宿泊費や交通費を抑えることが可能です。

割安の受験生プランなどを用意しているホテルもあるため、受験校が決まったらすぐに調べてみましょう。

【入学しなかった大学への納付金】平均10万円前後かかる


※日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査」より

「入学しなかった大学への納付金」とは、第1志望大ではない併願大へ支払う入学金などの納付金のことです。上記の表のように、入学しなかった大学への納付金は、平均して10万円前後になっています。

国公立大学と私立大学のおおまかな前期受験スケジュールの表がこちらです。


※Benesse「マナビジョン」より作成

表を見てみると、国公立大学の前期合格発表までに、私立大学の入学手続き締め切りがきてしまう可能性があります。

大学に合格したら、決められた期日までに入学手続きを行い納付金を支払わないと、入学資格が無効になるケースがほとんどです。第1志望大の合格発表前に併願大の入学手続き期日が来てしまう場合、進学先を確保するため、併願大への納付金はやむを得ない費用といえるでしょう。

無事に第1志望大に合格し、併願大への入学を辞退しても、多くの場合で一度納めた入学金等は返金されません。併願大を決定する際には、第1志望の合格発表スケジュールも考えながら慎重に選びましょう。

まとめ & 実践 TIPS

「受験料」「受験のための交通費宿泊費」「入学しなかった大学への納付金」、大学受験にはまとまった費用がかかります。保護者のかたとしては、「現役合格に向けて併願大も多めに受験させてあげたいけれど、その分費用がかかるのも……」と頭を悩ませるところではないでしょうか。

受験にかかるお金の目安をしっかり把握したうえで、第1志望大はもちろん併願大に関しても、お子さまと相談しながら後悔のない選択ができたらよいですね。

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プロフィール


海田幹子

教育・育児、マネー等について執筆。現在、小学生2人の子育てに奮闘中。

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