理科「水よう液」[中学受験]

問題2
同じ量のうすい塩酸をいくつか用意し,そこにA アルミホイル,あるいはB 卵の殻(から)をそれぞれ量を変えて加え,発生した気体を集めました。この実験について,次の問いに答えなさい。

1.A,Bを加えたとき発生した気体は,どちらも無色で,においもありませんでした。それぞれ何が発生していましたか。
2.1.で発生した気体の種類を確認します。どのような実験をすればいいでしょうか。それぞれについて,方法と結果を簡単に答えなさい。
3.加えたAやBの量と発生した気体の体積は,次の表のようになりました。AやBの量と気体の体積の関係をグラフにしなさい。2つのグラフにはA,Bの記号を記しなさい。
表

グラフ
4.この塩酸と,ちょうど反応するアルミホイルの重さを求めなさい。
5.塩酸の濃(こ)さだけを2倍にしたとき,卵の殻1.50gに対して発生する気体の体積は何cm3になりますか。
(渋谷教育学園幕張中 2007年 第2次)
<問題2 1の考え方と答え>
これもタイプ3の問題ですね。しっかりと覚えてしまいましょう。

A 塩酸+アルミホイル→水素が発生する。

B 塩酸+卵の殻(から)(炭酸カルシウム)→二酸化炭素が発生する。

〈整理しておきましょう〉

塩酸 に 【アルミニウム・亜鉛(あえん)・マグネシウム・鉄】を加えると
→ 水素 が発生

塩酸 に【卵の殻・石灰石(炭酸カルシウム)】を加えると
→ 二酸化炭素 が発生

水酸化ナトリウム水よう液 に【アルミニウム・亜鉛】を加えると
→ 水素 が発生


<問題2 2の考え方と答え>
それぞれの気体の特ちょうを理解していれば解ける問題だね。

A 火を近づけると「ポン」という音を立てて燃える。

B 石灰水に通すと石灰水が白くにごる。

※実際の入試問題と正答を掲載(けいさい)しています。Aのように火をあつかう実験はたいへん危険(きけん)です。学校の授業など指導者の指示がある場合以外は、やってはいけません。

<問題2 3の考え方と答え>
表で示された数値を一つひとつ読み取り、グラフに表しましょう。
グラフから「加えた量と発生した気体の体積が、どこまで比例しているのか?」が見えてくれば、しめたもの。
答えは次のようになるよ。

グラフ

<問題2 4の考え方と答え>
3.の表とグラフから、以下のデータに注目しましょう。

表

加えたアルミホイルが 0.05g から、2倍の 0.10g に増えたら、発生する水素も2倍になっています。

60 × 2 = 120(cm3

しかし、アルミホイルが4倍の 0.20g になっても、発生する水素は4倍(240cm3)になっていません。

3.のグラフからもわかるとおり、この塩酸とちょうど反応する(とけきる)アルミホイルの量は、水素が180cm3 発生するときの量だといえますね。

「反応するアルミホイルの量」と「発生する水素の体積」は比例するので、

0.05×180/60=0.15 (答え)0.15g
<問題2 問2の考え方と答え>
まず、最初のこさの塩酸にちょうどとけきる「卵の殻」の量を4と同じように求めます。

0.10×180/20=0.90(g)

塩酸のこさを2倍にすると「卵の殻」も2倍の量をとかすことができますから、

0.90 × 2 = 1.80(g)

だから、卵の殻 1.50gはすべてとけて、

20×1.50/0.10=300(立方センチメートル) (答え)300立方センチメートル

2つのこさの塩酸と「卵の殻」の反応をグラフにまとめると次のようになります。
計算のしかたと対応させながら、理解を深めてくださいね。

グラフ

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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