理科「水よう液」[中学受験]
「理科は暗記科目」とよく言われています。しかし実際の入試問題では、単に重要語句やことがらを暗記しているだけでは正答を導き出せないものも多数出題さ れています。大切なのは、語句やことがらの意味や、「なぜそうなるのか?」という原理や原則の理解がともなっているか、ということなのです。
■「水よう液」
こんにちは。ミスター・ツカムです。
今回は、理科の重要単元のひとつを解説していきます。「水よう液の性質」です。
この単元は、はじめは少しむずかしく感じるかもしれませんが、一度マスターしてしまうと、必ず得点できるようになる単元です。ぜひ、ミスター・ツカムといっしょに学習していきましょう。
「水よう液の性質」の単元は、実際の入試ではおもに、次の3つのタイプの問題が出題されます。
タイプ1: いろいろな水よう液の正体を見やぶる問題。
これは、「何がとけているか?」とか「水よう液の性質」を理解しておく必要があります。リトマス紙やBTBよう液の色の変化もしっかり覚えておこうね。
タイプ2: 酸性の水よう液とアルカリ性の水よう液が中和する問題。
酸性とアルカリ性が「何:何」で中和する(中性になる)か?比例の考え方が必要だよ。
タイプ3: 水よう液と金属が反応する問題。
発生する気体の体積を求める問題などが多く出題されます。
以上の3つのタイプです。
問題を読んで「ははーん。これはあのタイプの問題だな!」と見やぶればとても簡単(かんたん)です。
ではさっそく、問題を見ていきましょう。
問題1 | ||||||
あるこさの塩酸10mℓにさまざまな量の鉄を入れて、じゅうぶんに時間がたった後に、どれだけとけずに残ったかを調べる実験をしました。その結果を表1に示してあります。この実験に関する問1~問3に答えなさい。
(洛星中 2007年) |
<考え方と答え> |
この問題はタイプ3の問題です。 このタイプの問題は、かかれている表をしっかりと見て、金属がどれだけとけているのか? それをしっかりと見きわめましょう。 |
<問題1 問1の考え方と答え> |
塩酸10mℓに鉄を2g入れても鉄はとけ残りません。でも、3g入れると鉄は0.5gとけ残りました。 3 − 0.5 = 2.5 ということは、塩酸10mℓで鉄は2.5gしかとかすことができません。 同じように、 はじめに入れた鉄の量 − とけ残った鉄の量 = とけた鉄の量 を計算してグラフにすると、次のようになります。 |
<問題1 問2の考え方と答え> |
塩酸10mℓで2.5gの鉄がとけるから、1gの鉄をとかすのに必要な塩酸の量は、次のようになります。 10 ÷ 2.5 = 4 |
問題1 問3の考え方と答え |
塩酸の量が2倍の20mℓになったので、とける鉄の量も2倍の5gになりますね。 だからグラフは次のようになります。 |