10%を下回る短大進学率 今後求められるのは「機能別分化」
4年制大学への進学志向の高まり、またその他の状況もあいまって、短大への進学率は10%を下回っている。しかし、実はいま、短大の役割に新たな注目が集まっていると教育ジャーナリストの渡辺敦司氏は語る。詳しく解説していただいた。
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中央教育審議会のワーキンググループは、このほど、「短期大学の今後の在り方について」と題する中間報告書をまとめました。
その中で挙がっているメリットをいくつか紹介しましょう。
●最も短期間で学位(短期大学士)が得られる
●教養教育と専門教育のバランスが取れている
●数多くの資格が取得できるなど職業能力を育成している
●少人数できめ細かい教育を行っている
●地元の高校出身者が67%、地元就職率も7割と高いなど、アクセスしやすく身近
●教育の質が保証されている
4大志向やより高い職業教育への志向のはざまで「短期大学の特色が見えにくくなってきている」(報告書)のも事実ですが、短大卒業後には5,000人近くが4大に編入しており、編入学者の半数を超えています。実際に、編入学に力を入れる短大も少なくありません。
今後の短大について、報告書では、
●専門職業人材の養成
●地域コミュニティの基盤となる人材の養成
●知識基盤社会に対応した教養的素質を有する人材の養成
●多様な生涯学習の機会の提供
という4機能を掲げ、4大や専門学校とも連携しながら各短大が強みを生かして「機能別分化」を図っていくことを提言しています。
高等教育を受けた人材が社会でますます求められる中、地域密着型の高等教育機関として汎用的能力を身に付けさせるとともに、高等教育の「第一段階(ファーストステージ)」(報告書)の役割も担う短大の役割は、今後もなくなることはないでしょう。
出典:短大は今後も「地域」に必要 タイプ別に役割 -ベネッセ教育情報サイト