過去問で適性検査の傾向に慣れ、模試で本番の雰囲気に慣れる。教材と模試を徹底活用して合格!
東京都立桜修館中等教育学校は東京都立大学附属高等学校を前身として2006年に開校しました。論理的に考え、表現し、行動するリーダーを育て、国際社会で活躍する人材の輩出をめざす、都内トップレベルの公立中高一貫校です。都立大学附属高校時代から盛んに行われてきた都立大学(現在の首都大学東京)などとの連携を引き継ぎ、個性豊かな教育を展開しています。
2009年に同校に合格した山口朋子さんとお母さまに、受検のきっかけから合格までのお話、メンタル面のケアや勉強のポイントなどを伺いました。(2009年10月22日更新)
profile 山口朋子(やまぐち・ともこ)さん、お母さま・由子さん2009年4月、東京都立桜修館中等教育学校に入学。決めたことはきっちりやり遂げる几帳面(きちょうめん)な性格です。さらさらの長い髪と大きな瞳が印象的。落ち着いた口調で受検にまつわるいろいろなお話をしてくれました。 |
■公開授業が志望校選びの決め手に
桜修館中等教育学校を受検したいと思ったきっかけは?
お母さま
最初は「公立でありながらレベルの高い教育が受けられる」と思い、公立中高一貫校の受検を考え始めました。公立は学費が私立に比べて安いのも魅力でしたね。桜修館中等は論理的思考を育てることに力を入れていて、特徴ある授業も多いということで興味をもちました。詳しい情報は小学校の先生から評判を聞いたり、新聞などを見て得ましたが、決め手になったのは記念祭(学校祭)を子どもと一緒に見に行ったことです。授業公開で生徒がハキハキと発言しているのを見て好感をもちました。学校の雰囲気や生徒の様子を知るには自分の目で見るのがいちばんだと思いますので、学校説明会や公開授業はなるべく見に行ったほうがいいですよ。子どもにとってもいい刺激になって、受検勉強への意欲が高まると思います。
朋子さん
私は母と記念祭を見に行って桜修館中等に行きたいという気持ちが強くなりました。クラス発表を見たのですが、展示や劇、ディベートなど、クラスごとにそれぞれ工夫を凝らした発表をしていておもしろかったですよ。学校全体に明るくて自由な雰囲気がありました。
■受検対策は教材と模試を中心に
受検対策はどのようなことをしましたか?
お母さま
小学1年生から進研ゼミの「チャレンジ」をやっていましたが、受検を決めた5年生から公立中高一貫校受検用の教材を始めました。塾にも通っていましたが、塾のテキストは私立中学受験向けのもので、公立中高一貫校の受検対策には向かないのでは? と疑問に感じて6年生に上がるときにやめました。桜修館中等の入学者選抜は作文に力を入れているという情報があったので、作文だけの塾を続けることにしました。
模試はできるだけたくさん受けました。ベネッセの模試だけでも5年生の8月、12月、3月、6年生の8月、11月と5回受けました。
受検勉強や受検についての知識や情報を得るには、ベネッセのウェブサイトや教材と共に送られてくる保護者向けの冊子が役立ちました。模試の結果や勉強の進み具合を見ていると、「今のままで大丈夫かな?」など、不安になることがありましたが、その冊子で「いつ頃までにどの程度できたら大丈夫」ということなどがわかってよかったです。また、模試では志望校の倍率がものすごく高かったのですが、それほど気にしなくてもよいと安心したことを覚えています。
朋子さん
進研ゼミの教材と市販の問題集、学校の宿題と、いろいろやることはありましたが、「何曜日にこの教材をやる」などときちんと計画を立てて、そのとおり実行できたときはすごく気持ちが良かったです。運動会の練習があって疲れている日などはちょっとイヤになることもありましたが、「この教材が終わったらお菓子を食べよう」とか、気持ちの切り替えをしながら勉強しました。
教材を使ってどうでしたか?
朋子さん
作文対策用の教材はマンガをたっぷり使って丁寧に説明しながら問題が進んでいくので、順番にやっていくうちに自然と作文の力が身についたという感じです。それまでちょっと苦手だった「書き言葉と話し言葉の区別」ができるようになりました。いちばん良かったのは「作文メモ」を作って構成をまとめられるようになったことです。制限時間内に決められた文章量で作文が書けるようになって、作文に自信がつきました。
お母さま
始めたばかりの頃は、必要なことが書けていなかったり、資料の読み取りをして考えを書くところが読み取りだけで終わっていたりしました。12月頃に昼間の太陽の写真と横浜の夜景の写真を見せて、30分で600字の作文を書かせてみたところ、制限時間内にある程度まとまった文章が書けていて、手応えを感じましたね。作文は時々目を通し、書き言葉と話し言葉が混ざっていないか、接続詞の使い方は合っているか、字数に過不足はないかなどをチェックしました。
朋子さん
受検対策用の教材は2か月に1度届くので週に1回のペースでやりました。問題が独特で、始めたばかりの頃は難しいと感じましたが、続けているうちに問題の雰囲気に慣れていきました。まるつけは自分でしていましたが、正解にしていいのかわからない問題があったときは母に聞きました。算数は父に教えてもらうことが多かったです。
お母さま
受検対策用の教材の問題は答えが1つではありません。模範解答を読んで正解にしていいのか迷うこともありましたし、正解まで至らなくても中間点がもらえることもありますので、その判断に困ることもありましたね。そこは模試の採点結果がとても参考になりました。