日頃の家族のコミュニケーションでついた力を生かし、直前の受検決意から双子そろって合格!
適性検査問題の対策や自分の気持ちがびっしりとつづられた「桜修館対策ノート」
受検を決めてからは、どんな勉強をしていましたか。
絢さん
6年生の11月から進研ゼミの作文対策用のコースを始めました。作文の書き方は学校では習わないので、書き始める前にメモをとることや、全体の構成など、いろいろなアドバイスが参考になりました。公立中高一貫校受検用の模試も9月から受け始めました。桜修館は新しい学校で過去問がないため、他の公立中高一貫校の適性検査の問題を解いたりもしました。受検用のノートを用意して、問題を解く以外にも、受検の心構えなど、感じたことを書き留めるようにしていました。(ノートを持ってきてめくりながら)問題の分析もして、このくらいの量だから入試のときもこれくらいの時間配分でやったらいいなどと考えたりもしました。
お母さま
こんなノートを作っているなんて知らなくて。あとから見せてもらったんですが、とても詳しく書いてあるので、わが子ながら「これはすごい」と思いましたね。あとから受検を決めた崇は、これを見せてもらってちゃっかりと役立てたみたいですよ(笑)。
崇さん
ぼくは模試を受けたのは6年生の11月。その頃から受検対策用のコースや、他の学校の問題を解き始めました。
当日、受検会場では、みんなが自分より賢そうに見えた
受検当日のことを教えてください。
崇さん
心臓がバクバクいうくらい緊張しました。受検会場に行ったら、みんながすごく賢そうに見えたんです。これは無理だなと思って、半ばあきらめていました。
絢さん
私もすごく緊張しました。身動き一つしない感じで待たなければいけないし、イスは固いし、おなかも大丈夫か不安になり、ストーブがついているのに手が冷たくて、「123456…」と数を数えて待っていました。検査が始まると、鉛筆で書くカリカリという音しか聞こえなくて、模試で慣れていたはずですが、それでも緊張しました。
崇さん
同じ学校から何人か受けるから、教室はもっとざわざわしているかと思ったら、シーンとしていました。
絢さん
お守りを、初詣での合格祈願のとき買ったものや、お父さんが北野天満宮で買ってきてくれたものや、交通安全のものまで入れて6個持っていったので、これだけあれば大丈夫だろうと考えたら、少し落ち着きました。それでも、時間がきて鉛筆を置いたあと、答案を回収するときになって、受検番号を書き忘れていたことに気がついたんです。あきらめかけたんですが、思いきって手を挙げて、「受検番号を書き忘れました」と監督の先生に正直に話したら、その場で書き込ませてくれました。そんな失敗をしてしまったらもうダメだろうと思ったけど、受かっていたから、よかったです。
崇さん
ぼくは準備を始めるのが遅かったし、落ちたら落ちたで地元の公立でがんばるつもりだったから、そんなに緊張しないと思っていたんですけれど、検査が終わった日の夕方からインフルエンザでダウンしました。
合格発表の日はどんなふうに過ごしたのですか。
お母さま
平日の午前中だったので学校があったし、結果はインターネットでわかるのですが、貴重な機会ですから、もしも合格していたら子どもに自分の目で見せたいと思って、見に行くことにしました。
崇さん
家のパソコンで合格を知ったときは、みんな大喜びでした。なかなかつながらなくて、やっとつながったら2人とも番号があって。
絢さん
その日一日、信じられなかったです。ただ、点数開示をしたら、作文の点数が崇のほうが2点高かったのはショックでしたね。「未来の学校」というテーマで、私はまじめに、道徳の授業について、生命の大切さを伝えることを主張し、苗を育てる提案などを書いたんです。
崇さん
ぼくは給食の時間について、自分の好きなものを持ってきて、交換できる学校がいい、と書きました。作文は正解が1つじゃないから、自分なりの答えを見つければいいと思ったんです。桜修館の求める生徒像に「情感豊かな」とあるし…。
お父さま
給食が交換できるのが情感の豊かさか?(笑)
個性あふれる友達に恵まれた前向きな雰囲気で勉強や部活に意欲的に取り組む
受検を振り返っての感想を教えてください。
絢さん
勉強はきつかったけど、今振り返ると楽しくて、しんどいと思うことはひとつもありませんでした。公立中に行って高校受験する人はもっと大変なのかも、と思います。
崇さん
ダメでもともとという気持ちだったから、本当によく合格できたなと思います。
お母さま
受検を決めたのが遅く、急に力を伸ばせるものではないし、あまりレベルの違うところに入ってもつらいのではないかと考えましたが、自分たちの行きたいという気持ちを尊重したのが結果的にはよかったと思います。それから、外部の評価にとらわれて、ダメと決めつけてはいけないのだとも思いました。短期講習で通った塾では、崇の作文の評価は絢よりも低かったんですが、結果は違いましたから。
入学してから、学校生活はどんな感じですか。
絢さん
いちばん楽しいのは吹奏楽部の部活動中ですね。それから、授業中の雰囲気がすごくよくて、自分も勉強しなきゃという気持ちになります。やるときはやる、という前向きな感じで、行事も自分たちで自主的に作り上げていくので楽しいです。2年目になって後輩が入ってきて、先輩としてがんばろうという自覚が芽生えて、学校の雰囲気もまた新たに変わってきている感じもします。
崇さん
1年生の10月くらいまではサッカーをできる環境が整っていなくて物足りなかったけれど、今はグラウンドもできて思いきりできるから楽しいです。同級生は、勉強ばかりするタイプの人が多いのかと思ったら、そんなことないです。外国に住んでいた人もいて、話題が豊富ですね。
お父さま
自分の得意なものをもち、一芸に秀でている人が多いと思いますね。
お母さま
自主性を重んじる学校なので、行事も自分たちで考えてでき、楽しそうです。勉強はしっかりやっていますよ。入学したら遊ぶのではなく、合格から勉強がスタートという感じですね。周りの保護者もうちと同様、ぜいたくなお金はかけていないけど、心と目をかけている人が多い印象です。
最後に、将来の夢を教えてください。
崇さん
まだ決めていませんが、興味のある大学の情報はパソコンで調べて集めたりしています。
絢さん
前ははっきりと夢があって、体操をやっている頃はサーカスの曲芸師になりたいとか、ずっと続けているピアノの先生をめざしていたときもありました。でも、桜修館に入ってからいろいろな経験をして、今はどの方向に行くか迷っています。部活も続けたいし、みんな学力が高いので、もっと勉強しなきゃという気持ちもあります。
これから受けようと思っている人は、合格をめざして勉強するだけでなく、入ってからの学校生活をイメージしておくことも必要だと思います。受かるためではなく、楽しい中学校生活を送るために、がんばってください。
※内容は取材時のものです。