第5回 受検直前の2か月で何をしておくのか
第3回、第4回では、幼児期の親のかかわり方が、公立中高一貫校の受検を突破する力にどうつながっていくのか説明しました。さらに、小学校入学以降の親のかかわりについても言及すべき事柄はたくさんあるのですが、受検を2か月後に控えている読者の皆さまにとっては、直前に何をなすべきかが当面の最大関心事になります。そこで、いったん話の流れを中断し、受検1~2か月前に親子で取り組めて効果の上がる対策をご紹介することにいたします。
作文や教科の単元学習はやってきたでしょうから、第5回は漢字・語句と計算、第6回はその他の取り組み、第7回は過去問の取り扱いについて説明します。
毎日取り組みたいこと
(1)漢字の読み書きや語句の練習 【教科書】(1~6年)を使う場合
巻末にある漢字表を使って、同じ部首の漢字を集めて書き出したり、熟語のしりとりや頭とりをしたりして工夫して練習する。
物語文・説明文・詩など本文以外の部分を読む。
(「ことば」「漢字の知識」「話す・聞く」「調べてみよう」など)
漢字の練習をする場合も、私立中学受験と公立中高一貫校受検では違いがあります。
文章中や短文に読みが書いてある部分を漢字に直すのが、私立中学受験の一般的な問題です。
公立中高一貫校の適性検査では、小学校配当漢字の知識を前提に漢字の運用力・活用力を測ろうとします。
ある観点から系統的な知識理解を見ようとします。連想を働かせなければいけません。
したがって、漢字にふれ続けることに主眼を置きましょう。ゲームや遊びの要素を取り入れて楽しく親子で取り組んでいけばいいのです。
毎日取り組みたいこと
(2)計算の練習
4けた以上の整数または小数で、かけ算とわり算を合わせて5題ずつ毎日練習。
わり算は、四捨五入して概数(百分率で整数または小数第1位まで)にする。
適性検査で問われる計算力も私立中学受験と違います。私立中学受験では分数の計算技能が中心です。(小){中}[大]のカッコと分数・小数の入り交じった四則混合計算の練習を継続して行い熟達しなければいけません。それに対して公立中高一貫校の適性検査では、問題解決のために資料から読み取った数字を用いて計算力を測ります。分数計算はほとんどなく、整数・小数の単純な四則計算です。ただし230万÷45万や678012÷540389などのようにけた数が多く、四捨五入・切り上げ・切り捨てなど概数処理が求められます。百分率で小数第1位まで求める問題などがあり、実際の小数計算ではどの位まで数を出さなければいけないかの判断力も試されます。私立中学型受験ではほとんど出題されない計算問題です。したがって、公立中高一貫校の受検では市販の計算問題集を使うよりも、親が計算問題をノートに書き出して練習させることが必要です。