ニートやフリーターの増加問題、キャリア教育って?「働くこと」を切り口に、適性検査に役立つ力を身につける!

※2006年6月現在の情報に基づいた記事です。

今回は、お子さまが将来直面する「働くこと」を切り口に、適性検査に役立てる方法を考えてみましょう。「小学6年生の子どもに職業の話はまだ早い」「うちの子はまだなりたい職業が決まっていないのに…」と思われるかたも多いかもしれません。しかし、「働くこと」について考えることは、自分の将来について考えることであり、将来の目標に向かって今何をすべきか考えることでもあります。公立中高一貫校の適性検査や面接でも、「将来の夢や希望」や「そのために学校で何を学びたいか」が問われますので、今のうちに親子でお子さまの将来について考えておくことをおすすめします。


適性検査での出題例
  • 与えられた文章を読んで感じたことをもとに、これからどんな6年間を送りたいかについて書く問題
  • 与えられた文章を読んで感じたこと・考えたことと、「人」について考えたことを書く問題
  • 「夢に向かって頑張ること」に関するメッセージを読んで、考えたことを300字以内で書く問題

「働くこと」「将来のこと」について考えよう! 「日本人は働きバチ」ってホント!?

まず初めに、日本人の労働状況についてご説明します。皆さんの多くは、「日本人は働きすぎ」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか? 「勤勉さ」は、世界の人々から見た日本人のイメージでもあるとも言われています。それでは、実際に日本人は一体どのくらい働いているのでしょう。
下の2つの表をご覧ください。2003年度の日本の労働者(製造業生産労働者)1人あたりの年間総労働時間は1975時間で、国際的にみるとアメリカとほぼ同水準です。しかし、フランスやドイツよりも約400時間長く働いていることがわかります。また、年間休日数の国際比較では、土・日曜日などの週休日と法定休日、年次有給休暇を合わせた日本の年間休日数は、127.5日。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの5か国の中でも少ないほうです。このことから、日本人は国際的に見て“働き者”であると言えるのではないでしょうか。厚生労働省などでは、働く人の健康やゆとりある生活を確保するため、労働者の労働時間の短縮に取り組んでいます。


グラフ1 年間総労働時間の国際比較(製造業生産労働者、2003年)グラフ2 年間休日数の国際比較


その一方で、定職に就かない若者が増えているという問題があります。いわゆる「フリーター」と「ニート」の増加です。フリーターについては、2004年平均で約213万人に上っており、この20年間でなんと約4倍に増えました。
ニートとは、イギリスの「Not in Education, Employment, or Training」の頭文字で、「学校に通っておらず、働いてもおらず、職業訓練も行っていない者」のことを指します。総務省調査によると、現代のニートは約64万人(2004年平均)。このうち、約2割が一度も求職活動を行っていないと言います。その理由として最も多かったのが、「人づきあいなど会社生活をうまくやっていく自信がないから」だそう。つまり、「働くこと」の土台として「コミュニケーション能力」が必要であることがわかります。


フリーターの人数の推移


プロフィール



「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

子育て・教育Q&A