情報を見極める力を養い、しっかりと対策しよう。 インターネットを通じて学ぶ「特性を見抜き、使いこなす力」

■どうやって身を守る?
増え続けるサイバー犯罪

毎日のようにニュースではネットを利用した犯罪が取り上げられています。警察庁「平成18年のサイバー犯罪の検挙及び相談状況について」によると、平成18年度中に発生したフィッシング(サイトの会員登録や、懸賞当選メールなどを装い、個人情報を盗む詐欺の方法)による個人情報漏洩(ろうえい)やオークション詐欺など、ネットを利用した犯罪は3,593件、サイバー犯罪の総検挙数が4,425件ですから、実に80%以上もの数値です。これらの数値は検挙数であり、あくまで氷山の一角といえます。

お子さまがネットを利用するうえでおうちのかたが最も心配なのは、出会い系サイトの被害に巻き込まれることではないでしょうか。
同じ警察庁の「平成19年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について」という調査の中では、いわゆる出会い系サイトで被害に遭っているのは18歳未満が80%を超え、しかもその被害者は女子の割合が99.7%というデータが出ています。
ファイル共有ソフトを介して個人情報や企業、官公庁からも重要な情報が漏洩してしまう事件があったり、未成年が興味本位でアクセスした出会い系サイトを通じて犯罪に巻き込まれたりする事件などが後を絶ちません。
かといって、やみくもに「パソコンを使わせない・携帯電話を持たせない」という選択肢を選んでしまうと、ネットの便利な面をも捨ててしまうことになってしまいます。まずはネットのいい面と悪い面、そして最新の情報をしっかりと親子で理解し、吟味する必要があるのではないでしょうか。
現在、ネットワークサービスを提供する各企業もこうした社会的な背景を受け、安心してネット利用ができるようなサービスを提供しています。


  • ●フィルタリング機能(有害サイトへの接続を制限する)
  • ●上限額設定(利用上限を超えると緊急使用以外の利用が制限される)


ネットの向こうには不特定多数の、いろいろな考え方をもった人がいます。ネットを利用していくには、現実の社会の中で事故や事件に巻き込まれない努力と同じことが要求されます。「企業のサービスがあるから安心」と考えるのではなく、自衛もネットを利用するうえで最も重要な課題のひとつです。用心すべき重要なポイントをしっかりと見抜き、対処していく力は適性検査でも重要といえます。

さて、実際の利用にあたり、個人情報の漏洩や詐欺などに巻き込まれないよう、小学生のお子さまがネットを利用する場合は親子で特に下記に挙げたポイントに注目してほしいと思います。以前「昔の道具」の回でも注意点を挙げていますが、重要であることと、最新の情報も取り入れてあるという点から、再度ご紹介したいと思います。


最新の情報と自衛の心がまえでネットを上手に使いこなしましょう。


ネットを利用する際に注意すべきこと

  • ●ネット利用についての利点とリスクを保護者がまず、きちんと理解しておく
  • ●パソコンはリビングなど、家族の目にふれやすいところに置く
    (ネット利用の際はできるだけ親子で)
  • ●ネットが利用可能な情報機器には必ずフィルタリング機能をつける
  • ●圧縮・解凍ソフトなど、個人が開発したソフトはできるだけ利用を控える
  • ●安易な懸賞応募やオークション入札、メールマガジン登録、会員登録、書き込みは避ける
    (保護者の指導のもと利用する)

親子でやってみよう

  • ●親子でネットを利用するときの約束を考えてみよう
  • ●自分がネットを利用する(した)目的やサイトを挙げてみよう
  • ●ニュースなどでサイバー犯罪に関する情報があったら、自分ならどう対策するか考えてみよう

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「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

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