桐光学園中学校女子部1年生 A・Uさんとお母さま

兄の受験で塾選びの大切さを実感したというお母さま。6年生になるときに転塾を決意し、そこで初めて勉強する楽しさがわかったというAさん。スタートが遅かったぶん本番では苦労しましたが、持ち前の明るさと精神力で最後まであきらめずに受験し、見事合格を勝ち取りました。(2010年3月5日)


profile
桐光学園中学校女子部1年生
A・Uさん

神奈川県在住。
Aさんは、2009年4月に桐光学園中学校女子部に入学。現在中学1年生です。ご両親、高校2年生と中学2年生のお兄さん、小学4年生の弟さんの6人家族。小学校で始めたバスケットボールを続けたくて、バスケットボール部のある学校を選びました。今、念願かなってバスケットボール部に入部してがんばっています。

兄の受験のときの塾選びの反省から、Aさんは中学受験専門の塾に。

中学受験を考えられた経緯から教えてください。

お母さま

長男は公立中学に進学したのですが、実際に通わせてみて思うところがあったのがいちばんの理由です。それで、次男のときに中学受験を決断し、5年生の秋から個別指導の塾に通わせました。中学受験専門の塾を選ばなかったのは、5年生の秋からでは、他のお子さんたちがすでに消化しているカリキュラムを補うのが難しかったこと、すでにでき上がっている塾の人間関係の中に溶け込むことが性格的に難しかったこと、なにより週4日やっていたバスケットボールを最優先させたかったからでした。 Aも中学受験をさせようと考えていたので、そのとき同じ塾に入りました。
しかし、次男は思うような結果を出せませんでした。



どんな問題があったのでしょう?

お母さま

教材は中学受験にも対応しているという説明を受けていましたが、最終的に教えてもらえなかった単元がいくつもあったことをあとになって知りました。しかも、個別といっても先生一人に対して生徒4、5人で、ほとんど自習のような授業だったのです。次男のときは、私自身が中学受験について何もわかっていなくて、塾の指導内容も何も把握できないまま、ただ通わせてしまっていて…。塾を信用していたので、通わせていれば大丈夫だと思ってしまっていたのです。でもそれではダメだったんですね。受験が終わってから気がつきました。
学校選びについても、普通は塾に相談すると思うのですが、相談に全く乗ってもらえませんでした。だから、自分で学校を見に行って、子どもの希望を聞きながら受験校を決めました。次男はバスケットボールをやっていて、運動部が盛んなところを希望していたので、日大、東京農大第一、桐光などを受けましたが、それらの学校は合格できませんでした。最終的に横浜中学に進学し、今は楽しく充実した学校生活を送っています。
このような経緯もあったので、Aは新6年生のカリキュラムが始まるときに、地元で開校したばかりの塾に変わることにしました。



転塾はスムーズにいきましたか?

Aさん

新しい塾は楽しかったです。できたばかりで、6年生は全部で17人しかいなかったので、すぐに仲良くなりました。前の塾では一人で勉強していたので、友達と勉強するのがとても楽しみでした。先生もおもしろいし、友達も皆仲良くて、前の塾で教わった解き方を教えてくれたり、授業が終わっても一緒に遅くまで塾に残って勉強したり。塾は大好きでした。


お母さま

本当に楽しそうでしたね。しかし、成績のほうは楽しくはなかったです(笑)。それまで、客観的に子どもの学力を知る機会がなかったのですが、最初に受けた首都圏統一模試で、4教科平均偏差値36という結果を見て、「こんな偏差値があるんだ」とびっくりしました。


Aさん

算数や理科は得意だったけれど、国語や社会は苦手でした。


お母さま

確かにAは、理数系の科目のほうが好きでしたね。でも、とにかく基本がなっていませんでした。個別の塾で、きちんと基礎をやっていなかったからだと思います。
国語に関しても、問題を解くときには、本文を読まずに問題だけを読んで答えを書いていた、ということに秋になって気がつきました。テストの見直しをしていて、とても簡単な抜き出し問題をまちがえていたので、「どうしてこういう答えになるの?」と聞いてみたら、問題だけ読んで、あてずっぽうで書いていたと言うのです。個別では時間を短縮するために、「本文よりも、問いを先に読んで解答するように」と言われていたというのです。本当に、びっくりしました。塾の先生も、そのことに気づいていらっしゃらなくて、驚かれていました。それで解き方を教えていただいたら、もともと本を読むのはとても好きだったこともあって、偏差値も30台から50前後まで上がっていきました。しかし時間がなかったので、それ以上は成績を上げるのは難しかったですね。



プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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