巣鴨中学校1年生 K・Mさんとお母さま

今回は、巣鴨中学校に進学されたご本人とお母さまにお話を伺いました。コツコツがんばるタイプのお子さんですが、そのがんばりが成績に反映されないジレンマも経験。途中で第一志望校の変更もありましたが、結果的にいちばん合っている学校に出合えました。(2009年10月22日)


profile
巣鴨中学校1年生
K・Mさん

埼玉県在住。
Kさんは、2009年4月に巣鴨中学校に入学。現在中学1年生です。ご両親と現在小学5年生の弟さんの4人家族。物静かで、自分で立てた計画はきちんと実行するタイプです。学校では生物部に所属。解剖などの実験をするのが楽しいそうです。

コツコツとがんばるタイプのKさん。わからないことをそのままにできず、宿題をこなすのにも時間がかかり、伸び悩んだことも。疑問点は塾で質問をして、必ず解決するようにした。

中学受験を考えられた経緯から教えてください。

お母さま

3年生の夏に補習塾の夏期講習に参加しましたら、本人が「学校より勉強が楽しい」と言うので、それなら公立中学では物足りないのではと思い、中学受験をすすめてみたのです。本人もやる気を見せたので、本格的に中学受験の進学塾を探し始めました。最寄りの駅には、塾がたくさんあったので、大手塾2つと、近所のかたに教えていただいた地元密着型の小規模塾の体験授業を受講することにしました。大手塾は塾のペースにこちらが合わせなくてはならないのですが、小規模塾なら本人のペースで勉強を進められると思ったことと、塾長先生の人柄にひかれて、地元密着型の「エデュコ」という塾に決めました。



塾に入ってみて、どうでしたか?

Kさん

塾の勉強は、最初のうちは余裕がありましたが、5年生の秋以降は特に算数が難しくなってきて、なかなか成績が上がらず苦労しました。


お母さま

自分で納得しないと先に進めないタイプなので、宿題をこなすのにも時間がかかるのです。最初は私も横に座って勉強を見ていたのですが、煮詰まってしまい、これは大変だと塾に相談したら「自立させたほうがいい」と言われたので、本人に任せるようにしました。その代わり、わからないところは必ず塾の先生に質問するようにさせました。「そのほうが、中学生になってから自立する」と言われましたが、今、本当にそのとおりだと思います。また、「完ぺきを求めず、できるところを伸ばしていき、引き出しを増やしていけば、いつかわかるようになる」とアドバイスを受け、気持ちも楽になりました。塾の先生には折にふれていろいろな相談をしましたが、精神的にずいぶん支えていただきました。


Kさん

質問をすれば、納得できるまで教えてもらえますからね。授業が終わったあとは先生もあまり時間がないので、授業前に早めに行って質問するようにしていました。


お母さま

そのためには、一度家に帰ってからでは間に合わないので、私が学校まで塾のかばんを持って行って、ランドセルと交換してバスに乗せたりしていましたね。



では、成績は、その後順調に伸びたのでしょうか?

お母さま

いいえ。特に算数が内容もどんどん難しくなるので、なかなか点数に結びつかないのです。そこで5年生の夏以降、ためしに基礎クラスの授業を受けてみたりもしましたが、物足りなさと本人のこだわりから、元の発展クラスに戻れないか再度先生に相談しました。
すると先生は「最終的にどちらのクラスの友達とがんばりたいかだ」とおっしゃったので、息子が自分で発展クラスを選びました。


Kさん

勉強は大変でも、みんなと一緒にがんばりたいと思いました。



算数以外の科目はどうでしたか?

お母さま

国語も苦手で…。そこで塾の国語の先生に相談しましたら、読解問題の文章要約をするといいとアドバイスをもらいました。
5年生の2月から半年間、塾の授業で扱ったテキストの問題文の要約と、夏休みの間は、そのとき第一志望校だった海城中学校の問題に類似した入試問題を抜き出してもらって、問題文を要約する、ということをしていました。その要約したノートを提出して、毎回添削を受けるということを続けた結果、6年生の秋に急に成績が上がりました。
国語の対策に要約がいいという話は、先生は皆にしていたと思いますが、このようにきめ細かく対応していただけたのは、困ったことがあるたびに塾に相談して、先生といい関係をつくれていたからこそだと思います。塾は自分からどんどん利用する姿勢が大切だと思います。



プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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