便利さの陰に潜む危険 情報端末による子どもの犯罪被害の現状とは
警察庁がまとめた2014（平成26）年上半期の調査によると、いわゆる「出会い系サイト」に起因する犯罪が減少する一方で、一般のコミュニティーサイトによる犯罪被害に遭った子どもの数が増えていることがわかった。スマートフォン（スマホ）の普及と同時に、無料通話アプリの拡大も背景にあるようだ。教育ジャーナリストの斎藤剛史に聞いた。
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警察庁によると、2014年上半期の「出会い系サイト」に起因する事件での検挙件数は298件（前年同期比19.0％減）で、ここ数年減少を続けています。これに対し、出会い系サイト以外の一般のコミュニティーサイトによる事件の検挙件数は948件（同10.4％増）に上り、被害に遭った子どもの数も698人（同16.7％増）と増えています。
特に警察庁が注目しているのが、LINEなどスマホの無料通話アプリを利用した犯罪の増加。コミュニティーサイトに起因する事件数は、2010（平成22）年の1,541件をピークに2年連続で減少していましたが、2013（平成25）年に1,804件と急増し、被害に遭った子どもも1,293人に上りました。
子どもの被害について警察庁は、2012（平成24）年から無料通話アプリなどの「ID交換掲示板」と「その他のコミュニティサイト」に分けて統計を取っています。それによると、「ID交換掲示板」での被害は2012年が1,076人中36人でしたが、2013年は1,293人中352人に急増。そして2014年上半期は698人中262人となっており、2013年上半期に比べて2倍以上となりました。無料通話アプリは便利なソフトですが、落とし穴もあることを子どもたちに十分に教えておくべきでしょう。
また、学習用タブレットや携帯ゲーム機などでコミュニティーサイトに接続し、犯罪被害に遭った例も報告されています。タブレットはもちろん、現在のゲーム機や音楽プレーヤーは、ほとんどがインターネットに接続できる情報端末機器です。保護者は、スマホや携帯電話だけでなく、こうしたゲーム機などの特性も理解しておくことが求められます。
出典：情報端末の多様化で増える子どもの犯罪被害 -ベネッセ教育情報サイト
