【回答:若泉 敏】家庭学習

「中学受検は親子の受検」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受検準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。

受検の自覚がなく、親が促さないと勉強しません

受検の自覚がなく、親が促さないと勉強しません

公立中高一貫校への進学を希望していますが、子どもは自分から進んで「チャレンジ」にも取り組めません。「赤ペン」は、毎月なんとか締め切りまでに提出させていますが、子どもに一任したらどうなることやら…。公立中高一貫校に対しては理解をして、「チャレンジ」だけでがんばるとは言うものの、遊び・テレビ・ゲームが優先の毎日。本人の自覚がないと受検は厳しいでしょうか。
小学4年生で受検の自覚をもって勉強する子どもはほとんどいない。まず、実際に学校を訪ねて、受検に対するイメージを高めよう

小学4年生では、「チャレンジ」に自ら進んで取り組んでほしいと思うのは親ばかりで、子どもが進んで取り組むということはあまり期待できないのが実情です。これまでどおり、お母さまが促して「チャレンジ」に取り組ませてください。
公立中高一貫校に対しては理解をしているそうですが、本人がどこまで現実感をもっているかについてはいかがでしょうか。

親が「あなたは公立中高一貫校を受験するのよ。だから『チャレンジ』でがんばりなさいね」と伝えただけでは子どもが理解したことにはなりません。
志望する公立中高一貫校の説明会や体験授業、授業公開日などに子どもを連れて行かないと、子どもは現実感のあるイメージをもたないものです。
もちろん自覚をもって学習が進められるお子さんなら、公立受検はより可能性が高くなるでしょう。ここが踏ん張りどころです。「なぜ勉強しなければならない のか。具体的にどのような生活を送ればいいのか、どのような取り組みをすべきなのか」を両親が十分話し合って、父親の協力も得ながら、お子さんと一緒に具 体的な課題に取り組むよう心がけてください。
遊びとテレビとゲームが優先で、一貫校に合格するための実力育成に入れない状況ならば、お子さんが12歳で試練を受ける段階にはないということです。もっとあとの15歳の高校受験で取り組まれるのがよろしいかもしれません。

プロフィール



学習塾「スクールETC」代表。思考力を問う公立中高一貫校の適性検査対策に、若泉式の読解力・記述表現力の指導法が注目を浴びる。適性検査問題分析研究の第一人者としても活躍。著書に『公立中高一貫校 合格への最短ルール 』(WAVE出版)などがある。

子育て・教育Q&A