いま高校は…… 第2回[進学重点校と学校環境の変化]
第1回に続いて、高校を巡る最近の話題について説明します。
「進学重点校」の指定は東京都で始まっただけに、目下のところは首都圏が多い状況です。
<神奈川県>
2003年度 7校を「総合的な学力の深化・充実に関する実践校」として指定。
横浜翠嵐、希望ヶ丘、横浜緑ヶ丘、湘南、平塚江南、小田原、厚木
2007年度 「総合的な学力の深化・充実に関する実践校」の指定の見直しを行い、名称を「学力向上進学重点校」に変更し、10校を指定。
2010年度 8校を追加指定。
横浜翠嵐、横浜緑ヶ丘、横浜国際、光陵、希望ヶ丘、川和、柏陽、多摩、横須賀、追浜、平塚江南、鎌倉、湘南、小田原、相模原、秦野、厚木、大和
<千葉県>
2004年度 千葉東、県船橋、佐原、長生、木更津の5校を「進学指導重点校」に指定。その後、2007年度、2010年度に2校ずつ追加指定。
木更津、佐原、千葉東、長生、県船橋、東葛飾、安房、佐倉、成東
<埼玉県>
2007年度 それまでの「県立高校進学指導アドバンスプラン推進校」(春日部、川越女子、不動岡、松山女子、浦和第一女子、熊谷、大宮、秩父、浦和西、進修館、桶川)から、「進学指導総合推進事業研究指定校」として、以下の学校を指定。
春日部、久喜、不動岡、杉戸、久喜北陽、川越女子、坂戸、県浦和、浦和第一女子、浦和西、大宮、川口北、熊谷
2010年度 「進学指導総合推進事業研究指定校」をさらに入れ替えて、伝統校中心の「進学指導重点推進校」を新たに指定した。
県浦和、浦和第一女子、浦和西、大宮、春日部、川越、川越女子、熊谷、熊谷女子、不動岡、越谷北
<広島県>
2000年度 「重点校」20校を指定。
2003年度 「進学指導拠点校」5校、「進学指導重点校」15校を指定。
・進学指導拠点校
呉三津田、尾道北、福山誠之館、府中、安古市
・進学指導重点校
広島皆実、広、呉宮原、三原、海田、廿日市、賀茂、忠海、三次、庄原、大門、福山明王台、広島井口、神辺旭、祇園北
※「進学指導拠点校」は変わっていないが、「進学指導重点校」はその後入れ替わりがあり、現在は下記の学校が指定されている。
広島皆実、広、呉宮原、三原、尾道東、海田、廿日市、賀茂、世羅、三次、庄原格致、大門、広島井口、神辺旭、祇園北
このように、学力の高い生徒を集めて予算・教師の面で学習環境を整えるシステムが各都県に急速に広がってきています。しかし、指定外の学校とのレベルの差が開く傾向にあり、そのため、指定外校は以前より入りやすくなっていること、また学力の高い生徒が特定の学校に吸い上げられてしまって、それ以外の学校にいわゆるお手本となるような生徒がいなくなるなど、学校の環境も変化しています。こうした学校自体の変化により、学校の中の様子が以前とは変わってきていることにも注目したいものです。