入試直前と入試6か月前の志望校合格可能性[中学受験]

2009(平成21)年の6~7月に受験生(小6)の保護者に対し、第1~第3志望校について「現在の学力での合格可能性は?」というアンケートを行った。
同様に、有名私立A中学校とB中学校の在籍生(中1)の保護者にも「受験直前の学力での志望校の合格可能性は?」のアンケートを行い、結果を比較できるようにグラフにまとめた。なお、学年は1年違うが、小6の受験生の学力は有名A中学校やB中学校の在籍者の小6当時とほぼ同じである。

【図1 入試直前と入試6か月前で、第1志望校の合格可能性は?】
図1 入試直前と入試6か月前で、第1志望校の合格可能性は?

グラフの「中学受験生」を見ると、小6の夏休み前は第1志望校がチャレンジ受験となる生徒が合計58%にもなっていることがわかる。まだこの時期には、モチベーションを低下させないように受験生の学力よりも高い目標を持たせていると思われる。また、志望校の順位が低くなればなるほど合格可能性が高くなる傾向が見られる。
ところが、グラフの「A中学校在籍生」「B中学校在籍生」など在籍者のデータでは、第1志望校はチャレンジ受験でもすべり止め受験でもなく、合格可能性が五分五分の場合が多いことがわかる。


【図2 入試直前と入試6か月前で、第2志望校の合格可能性は?】
図2 入試直前と入試6か月前で、第2志望校の合格可能性は?

【図3 入試直前と入試6か月前で、第3志望校の合格可能性は?】
図3 入試直前と入試6か月前で、第3志望校の合格可能性は?

併願校の第2志望校では「1. ほぼ合格できた」と「2. 合格の可能性のほうが高かった」の合計が52%と48%、第3志望校では「1. ほぼ合格できた」と「2. 合格の可能性のほうが高かった」の合計が75%と77%と、受験生同様、志望校の順位が低くなればなるほど合格可能性が高くなる傾向が見られる。

つまり、受験直前で、志望校をより合格可能性が高い学校に変更したことが考えられるのである。特に入試直前では併願校となる第2志望校や第3志望校では「1. ほぼ合格できた」「2. 合格の可能性のほうが高かった」の割合が高い。第1志望校だけではなく併願校も入試直前で子どもの学力に合わせて変更していることが考えられるのである。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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