オープンスクールで見極めるポイントと方法[中学受験]

オープンスクールでは、学校の施設や普段の学校がわかるように授業の様子を見せてくれる。しかし、受験生・保護者が見学するとなれば、教員も在校生も構えてしまい、普段とは違う様子になってしまいがちだ。学校としてもお客さま(受験生・保護者)に失礼がないように準備するので、オープンスクールで見聞きしたことは、用意されたものと考えるべきだろう。したがって、外面的な事項ばかり確認していては、学校の本質を見抜くことは難しくなる。やはり、内面的な事項からも学校の本質を見抜くことで「我が子に合った学校」を選定する確率を高くすべきであろう。

とは言っても、オープンスクールで学校の内面的な要素を確認するには、具体的に、どのようなポイントを見極め、また、そのポイントをどのような方法で分析すれば本質を見抜くことができるのだろうか? 「在校者」の保護者アンケートを見ると、内面的な要素を見極めるポイントとその本質を見抜く方法についてアドバイスとなる記述があったので紹介しよう。

「在校生の内面的な印象」を見極めるポイントは
「授業の様子」と「登下校の様子」が多い。「授業の様子」を見抜く方法は、「授業中、生徒たちが心から楽しんでいるか否か」「登下校の様子」を見抜く方法は、「制服を覚えて、最寄りの駅や電車の中の態度を見ると良いでしょう」「普段の登下校の様子は楽しそうか、いきいきしているか、なども見に行くことをすすめます」。

「教職員の内面的な印象」を見極めるポイントは「授業の様子」と「保護者への話」が多い。「授業の様子」を見抜く方法は、「授業中の先生と生徒との会話や子どもの表情で、先生の人間性がわかります」「保護者への話」を聞く時は、「先生の活力ややる気が見られるか」という点を見極めよう。

「学校全体の内面的な印象」を見極めるポイントとして「学校のトイレ」を挙げる保護者も多い。「トイレがきれいかどうかで、その学校の様子を判断する材料の一つにしていました」「校内でトイレを覗いてみれば、学校の運営がきちんとしているかがわかります」。

たとえば、トイレが汚いかどうかは、設備が古いせいかどうか、清掃をしているのが生徒か業者か、男子校・女子校・共学校かによっても異なる。しかし、トイレを使用している生徒や先生、またトイレを清掃している人の人間性はわかる。一事が万事で、学校の教育方針や校風がトイレから理解できる。たとえば、先生方の話をトイレの状況と照合することで、その話が本音か建前かもわかる。

人の直感は意外に当たるものだ。自分の直感を信じて内面的な要素を確認して「我が子に合った学校」か、どうかを見極めてほしい。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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