保護者が文化祭を見極めるポイントと方法の実例[中学受験]

これまでのオープンスクールと学校説明会の分析では、「学校・在校生の活力」「外面的な事項」は保護者の感覚に合うかどうかの判断はしやすいが、「我が子に合った学校」かどうかを見極めるのは難しく、逆に、「内面的な事項」は保護者の感覚に合うかどうかは判断しにくいが、「我が子に合った学校」かどうかを見極めることは比較的容易だった。
同様の傾向はあるが、文化祭では例外的に、「学校・在校生の活力」が保護者の感覚に合うかどうかの判断はしやすく、しかも「我が子に合った学校」かどうかを見極めることも比較的易しいようだ。
つまり、「学校・在校生の活力」を重点的に見れば、文化祭は保護者にとって「我が子に合った学校」かどうか、を見極めやすい学校イベントと言える。

アンケートから「保護者の声」を聞いてみると、文化祭に参加することで、「我が子に合った学校」かどうかを見極められるかは、保護者の間でも意見が分かれている。
「我が子に合った学校」かどうかが見極められる例として、「文化祭は生徒の素が出ているので足を運ぶと良い」「説明会では建前中心で良い部分しかわからないので、学校の普段の姿を見て生徒の様子を観察すると良いと思います。私達親子にとって文化祭は学校選択の決め手となりました。お化け屋敷で涙ぐむ子に対する生徒の思いやりある対応や、終了時刻になっても嫌な顔ひとつせずに受験生に応援メッセージを書いてくれた在校生の優しさに感心しました。又、娘は先生の前で堂々とジュースを飲みながら友達感覚で立ち話をしている生徒の姿を見て、先生との距離の近さ、居心地の良い空気を感じたようです」といった声がある。
文化祭では「我が子に合った学校」かどうかは見極められないという意見としては、「オープンスクールや文化祭の時などより、普段の登下校時の様子を見たほうが在校生の本当の姿が見えるように思います」「文化祭などはとてもテンションが上がっているので、学校見学をして、普段の授業や(学校生活の)様子、先生との会話などを見ると良いと思う」という声がある。

「我が子に合った学校」かどうかを見極めるためのポイントと方法について在籍者アンケートから「保護者の声」を聞いてみよう。

保護者の声:
(1)眼が輝いているか(自分で考えて行動しているかが表れる)
(2)学校全体、在校生の雰囲気が我が子の性格に近いかどうか
(3)どんなタイプの生徒にも居場所があるかということが大切です。部活の種類によってタイプが違う子どもがいるので、文化祭などではいろいろなタイプの子がいて、どんな子にも居場所があるかどうかを見ると良い
(4)我が子に合うかどうかは入学して生活してみないとわからないので、本人がイベントに参加して気に入ったかどうかを大切に考えた
(5)文化祭ではできるだけ多くの在校生に気軽に話しかけてみるのが良いと思います(質問を一つか二つ程度)。在校生の雰囲気や話し方がしっくりくるかどうかという感覚は意外に大切だと思います

以上、これらの見極めポイントと方法を参考に、「我が子に合った学校」かどうか、を見極めて欲しい。さらに、参考として文化祭で見られる点とみられない点についても紹介しておこう。具体的で参考になる。

●文化祭で見られる点
(1)文化祭に1回だけ行った。在校生と子どもが直接話せる唯一の機会が文化祭なので、子ども本人が受験する学校をより身近に感じ、在校生の雰囲気もわかった気になれるので、入試前にはやる気の素になるかも……
(2)文化祭は生徒の素が出ているので足を運ぶと良い
(3)説明会では建前中心で良い部分しかわからないので、学校の普段の姿を見て生徒の様子を観察すると良いと思います。私達親子にとって文化祭は学校選択の決め手となりました。お化け屋敷で涙ぐむ子に対する生徒の思いやりある対応や、終了時刻になっても嫌な顔ひとつせずに受験生に応援メッセージを書いてくれた在校生の優しさに感心しました。又、娘は先生の前で堂々とジュースを飲みながら友達感覚で立ち話をしている生徒の姿を見て、先生との距離の近さ、居心地の良い空気を感じたようです

○どこを見たか?
(1)眼が輝いているか(自分で考えて行動しているかが表れると思います。)
(2)学校全体、在校生の雰囲気が我が子の性格に近いかどうか。
(3)文化祭などに参加して、在校生の礼儀・服装・態度等雰囲気がわかる。
(4)学校にはいろいろな生徒がいるので、「ここの学校はこうだ……」という風に決めつけるのはよくないと思う。どんなタイプの生徒にも居場所があるかということが大切です。部活の種類によってタイプが違う子どもがいるので、文化祭などでは、いろいろなタイプの子がいて、どんな子にも居場所があるかどうかというところを見ると良いと思う。
(5)我が子に合うかどうかは入学して生活してみないとわからないので、本人がイベントに参加して気に入ったかどうかを大切に考えた。
(6)文化祭の際、在校生が率いる学校案内で、図書館が非常にきれいで充実していた。書道、手芸など芸術系の教育、華道、英会話、茶道などの課外活動も充実していた。
(7)文化祭ではできるだけ多くの在校生に気軽に話しかけてみるのが良いと思います(質問を一つか二つ程度)。在校生の雰囲気や話し方がしっくりくるかどうかという感覚は意外に大切だと思います。

●文化祭では見られない点
(1)オープンスクールや文化祭の時などより、普段の登下校時の様子を見たほうが在校生の本当の姿が見えるように思います。
(2)文化祭などはとてもテンションが上がっているので、学校見学をして、普段の授業や(学校生活の)様子、先生との会話などを見ると良いと思う。文化祭などでも生徒にいろいろと質問をすると参考になった。
(3)生徒の普段の姿は文化祭や学校説明会ではわかりません。普段の登下校の様子なども見に行くことをすすめます。
(4)在校生が普通にあいさつをしてくれるかどうかで、その学校が良いかがほぼわかります。もしも文化祭に行った時は、最後の後夜祭で本当の生徒の姿が見られます。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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