保護者が最重視する志望校選択事項は? その2[中学受験]

学校アンケートの設問では「保護者が、志望校選定の際、学校のイメージ・教育サービスの中で重視する事項は何か?」を先生方に予想してもらった。学校アンケートで学校の先生に保護者の回答を予想してもらう質問は、学校の考え方や先生方の考え方が反映されて興味深い。

学校アンケートの回答者は、入試広報部の経験豊かな先生が多い。一般的には経験が豊富になると、ともすれば過去の経験からすべてを判断し、現状を見過ごしがちになる。そこで、学校と保護者をつなぐアンケートが必要になるのだが、保護者アンケートの集計・分析結果は「どのような考え方があるのか」「メジャーとなる考え方は何か」がわかり、学校だけでなく保護者にとっても参考になっているようである。    
最近は、教育だけでなく、どの分野でも顧客ニーズの変動は激しい。教育を取り巻く環境自体が変動している教育界では、志望校選択においても保護者のニーズが変動しないはずはないのである。 

【表 志望校選定の際、「学校のイメージ・教育サービス」の中で重視する事項(学校アンケート・保護者アンケート)】
志望校選定の際、「学校のイメージ・教育サービス」の中で重視する事項(学校アンケート・保護者アンケート)
※百分比(%)は小数第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和と合計を示す数値とが一致しない場合がある。

【表】を見ると、全体(計)では、学校アンケートの志望校選択で重視している事項は保護者アンケートとほぼ同じ%になっており、全般として保護者・学校間で、ほとんどズレはないことがわかる。

優先順位では、学校アンケートの1位は「1.全般的な評判」と「5.教育方針」で分け合っており、2位は「5.教育方針」または「6.校風」に、3位は「6.校風」または「8.大学合格実績」と予想している学校が多い。保護者アンケートでもほぼ同じ事項が同じ順位となっており、順位においても保護者と学校で大きなズレはないことがわかる。
1位では、「1.全般的な評判」と「5.教育方針」を足すと学校の約70%(各事項で小計の約35%ずつ)を占めていることがわかる。そのほかの事項では「6.校風」は15.1%、「8.大学合格実績」は11.8%となっている。

保護者アンケートと比較すると、学校アンケートでは「5.教育方針」は、ほぼ同じ%だが、1位の「6.校風」の%は半減し、「1.全般的な評判」と「8.大学合格実績」の%は倍増している。保護者と学校では、「1.全般的な評判」と「6.校風」の重要さに大きなズレがあることがわかる。また、学校アンケートでは少なくとも保護者アンケートよりも「8.大学合格実績」の順位を高くしている学校は多い。
また、学校アンケートでは、「6.校風」よりも「1.全般的な評判」を重視する保護者が多いと予想した学校の割合が多く、1位の「5.教育方針」とほぼ同じ34.5%となっている。アンケートの結果を見た先生方からは「校風が重要な事項であることはわかってはいるが、それほど保護者が重視しているとは思わなかった。もっと受験生・保護者に学校を理解してもらうように校風の説明に力を入れたい」といった感想をいただいた。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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