私立中学受験の志望校選定で重視する要素 その4[中学受験]
前回までの保護者アンケート・学校アンケートの分析によると、志望校選定で重視する%の高い要素は世間の様子を知るには重要であることに違いはないが、一般的な志望校選定要素の重要度を示しているに過ぎない。子どもには個性と事情があるので、志望校選定基準はこれを加味したものにすべきである。
とはいえ大学生でさえいざ就職活動を始める時、自分の個性である「長所・短所」「強み・弱み」を的確に言える人は少ない。保護者にヒアリングして、子どもの「長所・短所」「強み・弱み」を確認していく自己分析の手法を用いるのが一般的だが、保護者は子どもの「長所・短所」は掌握していても「強み・弱み」までは、なかなか答えられないようである。「長所・短所」「強み・弱み」は人生経験の中で明確になっていくので、小学生の個性を完全に掌握することは確かに難しいが、筆者としては「長所」と「強み」をぜひ明確にしてあげてほしいと常日頃お伝えしている。
志望校の選定で「『我が子に合った学校』を選ぶためにはどうしたよいか」という相談をよく保護者から受けるが、我が子のそうした個性を掌握していなければ、「我が子に合った学校」を選定することはできない。さらに、学校の中身がわかりづらい状況では、保護者が途方にくれて相談しに来るのも当然の結果である。
我が子の個性を掌握しにくい状況の中で、志望校の選定はどうすればよいか? 子どもの個性と事情をできる範囲で掌握し、偏差値及び子どもの強みあるいは弱みとなる能力上の問題を限定要素として志望校を絞り込む。5~6校に志望校を絞り込み、わかる範囲での子どもの個性と事情をもとに、どのような人間に育てたいかという家庭での教育方針を決める。教育方針が決まれば、志望校選定方針も決まるので、学校の中身も理解しやすくなり、学校をしっかり観察しながら学校や塾などのOBを訪問し質問を繰り返すことで「我が子に合った学校」を探し出すことができるはずである。
と言っても、のんびり志望校を選定することはできない。早期に目標となる志望校を決定することで、受験生のモチベーションが高まることは明確である。ただし、受験生本人が自分で決めなければ、押し付けとなり、かえって逆効果になるので注意すべきだ。この時問題になることのひとつは、塾というところは受験生が志望校を決定する時に「偏差値の高い学校」のほうにひかれがちになるという点だ。
塾の先生も仕事上、偏差値の高い学校の評価をする機会が多いであろうし、子どもの友人も含め周りの環境は偏差値の高い学校が賛美される。
保護者は、できる限り早い機会に、子どもにも学校の内容がわかりやすい「文化祭」「体育祭」「オープンキャンパス」に親子で参加し、子どもが受験の目的となる志望校を決定しやすいように志望校選定の仕方をアドバイスできるようにすべきである。ただ保護者が能動的に動くのは限度があるので、筆者としては多くのケーススタディを知る機会を持てるよう本欄などでお伝えしたいと思っている。
とはいえ大学生でさえいざ就職活動を始める時、自分の個性である「長所・短所」「強み・弱み」を的確に言える人は少ない。保護者にヒアリングして、子どもの「長所・短所」「強み・弱み」を確認していく自己分析の手法を用いるのが一般的だが、保護者は子どもの「長所・短所」は掌握していても「強み・弱み」までは、なかなか答えられないようである。「長所・短所」「強み・弱み」は人生経験の中で明確になっていくので、小学生の個性を完全に掌握することは確かに難しいが、筆者としては「長所」と「強み」をぜひ明確にしてあげてほしいと常日頃お伝えしている。
志望校の選定で「『我が子に合った学校』を選ぶためにはどうしたよいか」という相談をよく保護者から受けるが、我が子のそうした個性を掌握していなければ、「我が子に合った学校」を選定することはできない。さらに、学校の中身がわかりづらい状況では、保護者が途方にくれて相談しに来るのも当然の結果である。
我が子の個性を掌握しにくい状況の中で、志望校の選定はどうすればよいか? 子どもの個性と事情をできる範囲で掌握し、偏差値及び子どもの強みあるいは弱みとなる能力上の問題を限定要素として志望校を絞り込む。5~6校に志望校を絞り込み、わかる範囲での子どもの個性と事情をもとに、どのような人間に育てたいかという家庭での教育方針を決める。教育方針が決まれば、志望校選定方針も決まるので、学校の中身も理解しやすくなり、学校をしっかり観察しながら学校や塾などのOBを訪問し質問を繰り返すことで「我が子に合った学校」を探し出すことができるはずである。
と言っても、のんびり志望校を選定することはできない。早期に目標となる志望校を決定することで、受験生のモチベーションが高まることは明確である。ただし、受験生本人が自分で決めなければ、押し付けとなり、かえって逆効果になるので注意すべきだ。この時問題になることのひとつは、塾というところは受験生が志望校を決定する時に「偏差値の高い学校」のほうにひかれがちになるという点だ。
塾の先生も仕事上、偏差値の高い学校の評価をする機会が多いであろうし、子どもの友人も含め周りの環境は偏差値の高い学校が賛美される。
保護者は、できる限り早い機会に、子どもにも学校の内容がわかりやすい「文化祭」「体育祭」「オープンキャンパス」に親子で参加し、子どもが受験の目的となる志望校を決定しやすいように志望校選定の仕方をアドバイスできるようにすべきである。ただ保護者が能動的に動くのは限度があるので、筆者としては多くのケーススタディを知る機会を持てるよう本欄などでお伝えしたいと思っている。