新学期の行き渋りが心配。スムーズに新学期を迎えるための親の心得とは

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夏休みの終わり頃、お子さまが「ずっと休みだといいのになあ」なんてつぶやくのを耳にして、「ちゃんと登校してくれるかな…」と心配になった保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか?保護者のかたの不安は“情動感染”といって、子どもに伝わってしまいます。だから、できるだけドンと構えて、安心を与えるモデルになりたいものです。そこで、ベネッセの教育情報公式アプリのコンテンツ「わが子の学習タイプ診断」の総合監修を務め、発達心理学、学校心理学の専門家である渡辺弥生先生に、新学期を迎えるにあたっての親の心得を聞きました。

この記事のポイント

親はドンと構えて、子どものモヤモヤに共感を

休み明けにブルーな気分になるのは、大人も子どもも同じです。だから、「ずっと休みだといいのになあ」などと本当に残念そうにつぶやいているのであれば、多くの場合はあまり心配のないこと。保護者のかたはつい“行く”か“行かない”かの二択で考えて、「何を言ってるの!ちゃんと行きなさい!」ととがめたり、「新学期なんだから心機一転がんばりなさいよ」とあおったりしてしまいがちですが、心配ごとやモヤモヤがある時より、リラックスして肩の力が抜けている時のほうがやる気にもなれるものです。不安は子どもにも伝染してしまうので、ドンと構えてまずは共感。「ずっと休みだといいのになあって思うよね」と共感してリラックスさせてから、「よいしょ!」と重い腰をあげるモデルになりましょう。

不安より楽しいイメージを共有する

例えば、新学期が楽しくなるような会話をするのもおすすめです。子どもは先々まで見通すことがまだあまり得意ではないので、「また勉強ばっかりの毎日になるな」「みんなの前で発表するのは嫌だな」「暑いのに学校に行くのか…」などと、目先の現実のことばかり考えがちです。
だから「2学期には遠足があるね」「国語で○○を習うようだから、教科書を少し読んでおくと、授業中に手を挙げられるんじゃない?」「秋になると涼しくなって、少しは過ごしやすくなるね」などと、少し先の明るいイメージを共有するのもいいでしょう。

生活リズムを整えて、明るく送り出そう

声かけで気持ちを少し前に向けるとともに、大切にしたいのが生活面でのサポートです。というのも、新学期がスタートすると急に気ぜわしくなりますので、どんなに新学期を楽しみにしている子でも、最終日まで遊びや勉強でくたくた…では、さすがにテンションが下がってしまう可能性があります。また、夏休みはずっと夜更かししていたのを、新学期に急にギアチェンジして朝型に戻すといったことも、とてもストレスがかかります。そこまで極端でなくても、生活リズムの変化が小さいほどストレスなく行動できますので、新学期直前はあまり予定を詰め込まずに、起きる時間や食事の時間を少しずつ“いつも通り”に戻しておくことも、保護者のかたにできるサポートの一つです。
さらには、体や心が健やかであるということも、毎日を楽しむためには大切なことですから、朝の光を浴びたり、自然を愛でたり、食事をゆっくり味わって楽しんだりする姿を、親が見せたりするのもおすすめです。そのうえで、最終日の夕飯をお子さまの好きなメニューにしたり、お弁当に好きなおかずを入れたりと、“わくわく”をプラスするといいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

あれこれ気がかりなこともあるかもしれませんが、ポジティブな声かけやできごとは、ポジティブな気持ちにつながります。また、自分に関心を寄せてもらえることは、子どもにとってもうれしいことです。だから、まずは先の楽しいイメージを伝えたり、家族でまったりしたりして、“わくわく”をプラス。さらに、お子さまが「今日、おもしろいことがあったよ」と話しかけてきた時は、「へー。そんなことあったの!」と話を盛り上げましょう。
そして、安定した生活リズムで気持ちを安定させたら、いざ新学期です。「エネルギーは限られているから、少しずつエンジンをかけてね」と、出だしからフル回転で頑張らなくても良いことも伝えつつ、新学期はいつもの二倍増しの明るさで送り出してあげてくださいね。

プロフィール


渡辺弥生

法政大学文学部心理学科教授。教育学博士。発達心理学、発達臨床心理学、学校心理学が専門で、子どもの社会性や感情の発達などについて研究し、対人関係のトラブルなどを予防する実践を学校で実施。著書に『子どもの「10歳の壁」とは何か?—乗り越えるための発達心理学』(光文社)、『感情の正体—発達心理学で気持ちをマネジメントする』(筑摩書房)、『まんがでわかる発達心理学』(講談社)、『子どもに大切なことが伝わる親の言い方』(フォレスト出版)など多数。

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