算数の復習方法とやってはいけない指導例[中学受験]
模試の活用法として間違えた箇所を直すという話をしたが、もう少し具体的に考えていこう。
たとえば算数。
模擬試験はどうしても問題数が多くなるので、終わりのほうの問題に手が付けられない生徒も多い。試験中できなかった問題や間違えた問題をもう一度解いてみるのだが、ここで注意すべきことはあまり時間をかけないこと。
学年が5年生以下であれば「ねばり強さ」を出すという意味でも、一つの問題に時間をかけるというのはほめられるべき勉強方法だが、とにかく忙しい6年生は5分考えてわからないときはすぐに模範解答を見よう。
ここで「わからない」というのは「解法の方針が立たない」ということである。たとえば、「何の単元かわからない」とか「やり方がわからない」である。あるいは「方針は立つ」のだが、実際やってみても答に近づいているとは思えないということもあるかもしれない。
とにかく解けそうもないと思ったら、すぐに模範解答を見ることだ。
模範解答を見る方法としては、「一行一行」「理解して」読んでいくことが重要。
たとえば、平面図形で「点B1、C1はそれぞれ辺AB、ACの中点なので」という解説があったとき、「中点である」ということが理解できなければ先に進んではいけない。理解できない理由が問題のなかに隠されているのだろうし、それをまだ見つけられずにいるのである。もし便宜的に「中点ということにして」と先に進んでしまっては、他の箇所が理解できたとしても、その問題を本当に理解できた(できるようになった)とは言えない。解法の手順がそこでストップしているわけであるから、同じような問題が出てきてもまたできないであろう。
こんなときはさらに考えても時間の無駄であるから、迷わず塾の先生に質問しよう。もちろん家庭教師の先生でもよいし、お兄さんやお姉さんまたはご両親でもよい。ただしご家庭で教える場合は、中学受験を経験したかたが望ましい。また子どもの通っている塾の教え方を確認しながら指導するくらいの謙虚な気持ちで指導すべきであろう。たまに「数学なら得意だ!」というお父さんが(なぜかお父さんが多い?)、子どもの算数を教えてやるといって指導した結果、わからなかった算数をさらにわからなくしてしまうという悲劇がまだ繰り返されている。
中学受験の算数は非常に特殊であり、塾で教えたとおりでないと子どもはますます混乱する可能性が高いので、十分注意したい。たとえば塾で「比」を使って解いている問題を、方程式で教えても子どもには理解できないことが多いということである。
話が少しわき道にそれたが、とにかく解答解説をすべて理解したら、一応はそれでわかったということになる。
しかしこれで終わりではない。1、2週間したら、もう1回同じ問題を解いてみるのである。
「1回やった問題だし、まだ2週間しかたっていないのだから覚えているでしょう」と思われるかもしれないが、できない問題も多い。理由としては、本当に問題の解き方を理解できていなかったということであろう。
その場合は再度解説を読んで、さらに理解を深める。この時点で「なるほど!」と合点する生徒も多い。そしてまた1、2週間したらやってみるのである。
ここではほぼできると思うが、万一できない場合は、よほど特殊な難しい問題であろう。そんな問題は理解するというより、やり方を覚えてしまうほうが早いかもしれない。あるいは塾の先生が「その問題はやらなくてよい」と言うのであれば、放置しておいてもよいかもしれない。よほどひねくれた問題か、子どもの志望校には出そうもない問題である可能性もある。
ところで解答解説を読んでみて、一行一行にわからない箇所があり、なかなか最後の答えまで行かない場合はどうするか?
そんなときは、その問題を一応保留にしておき、その単元の基礎問題から復習することをおすすめする。教材としてはなにも新しい問題集をやるのではなく、今まで使用してきた塾の問題集や参考書を復習すればよい。
基礎問題を何問か解き、基本問題をやってみると、意外に理解していない箇所が多いことに驚かされるであろう。そして問題集の練習問題までを復習できたら、再度模擬試験の問題にトライしてみる。スラスラ解けるとは限らないが、少なくとも一行一行つかえることは改善されているであろう。
このようにしてわからない問題・間違えた問題をわかる問題にできたら、これでやっと模擬試験が終了したことになる。受ける準備から試験当日、そして受けたあとのことまで考えれば、かなりの時間がかかるかもしれない。
しかしこれだけ丁寧にしたほうが、多数の模試を受けて放置しておくよりも効率的な学習と言えるのである。
模試の活用といってもなかなか大変だが、逆に活用できれば「実力養成」と「やる気の増進」に役立つのである。
たとえば算数。
模擬試験はどうしても問題数が多くなるので、終わりのほうの問題に手が付けられない生徒も多い。試験中できなかった問題や間違えた問題をもう一度解いてみるのだが、ここで注意すべきことはあまり時間をかけないこと。
学年が5年生以下であれば「ねばり強さ」を出すという意味でも、一つの問題に時間をかけるというのはほめられるべき勉強方法だが、とにかく忙しい6年生は5分考えてわからないときはすぐに模範解答を見よう。
ここで「わからない」というのは「解法の方針が立たない」ということである。たとえば、「何の単元かわからない」とか「やり方がわからない」である。あるいは「方針は立つ」のだが、実際やってみても答に近づいているとは思えないということもあるかもしれない。
とにかく解けそうもないと思ったら、すぐに模範解答を見ることだ。
模範解答を見る方法としては、「一行一行」「理解して」読んでいくことが重要。
たとえば、平面図形で「点B1、C1はそれぞれ辺AB、ACの中点なので」という解説があったとき、「中点である」ということが理解できなければ先に進んではいけない。理解できない理由が問題のなかに隠されているのだろうし、それをまだ見つけられずにいるのである。もし便宜的に「中点ということにして」と先に進んでしまっては、他の箇所が理解できたとしても、その問題を本当に理解できた(できるようになった)とは言えない。解法の手順がそこでストップしているわけであるから、同じような問題が出てきてもまたできないであろう。
こんなときはさらに考えても時間の無駄であるから、迷わず塾の先生に質問しよう。もちろん家庭教師の先生でもよいし、お兄さんやお姉さんまたはご両親でもよい。ただしご家庭で教える場合は、中学受験を経験したかたが望ましい。また子どもの通っている塾の教え方を確認しながら指導するくらいの謙虚な気持ちで指導すべきであろう。たまに「数学なら得意だ!」というお父さんが(なぜかお父さんが多い?)、子どもの算数を教えてやるといって指導した結果、わからなかった算数をさらにわからなくしてしまうという悲劇がまだ繰り返されている。
中学受験の算数は非常に特殊であり、塾で教えたとおりでないと子どもはますます混乱する可能性が高いので、十分注意したい。たとえば塾で「比」を使って解いている問題を、方程式で教えても子どもには理解できないことが多いということである。
話が少しわき道にそれたが、とにかく解答解説をすべて理解したら、一応はそれでわかったということになる。
しかしこれで終わりではない。1、2週間したら、もう1回同じ問題を解いてみるのである。
「1回やった問題だし、まだ2週間しかたっていないのだから覚えているでしょう」と思われるかもしれないが、できない問題も多い。理由としては、本当に問題の解き方を理解できていなかったということであろう。
その場合は再度解説を読んで、さらに理解を深める。この時点で「なるほど!」と合点する生徒も多い。そしてまた1、2週間したらやってみるのである。
ここではほぼできると思うが、万一できない場合は、よほど特殊な難しい問題であろう。そんな問題は理解するというより、やり方を覚えてしまうほうが早いかもしれない。あるいは塾の先生が「その問題はやらなくてよい」と言うのであれば、放置しておいてもよいかもしれない。よほどひねくれた問題か、子どもの志望校には出そうもない問題である可能性もある。
ところで解答解説を読んでみて、一行一行にわからない箇所があり、なかなか最後の答えまで行かない場合はどうするか?
そんなときは、その問題を一応保留にしておき、その単元の基礎問題から復習することをおすすめする。教材としてはなにも新しい問題集をやるのではなく、今まで使用してきた塾の問題集や参考書を復習すればよい。
基礎問題を何問か解き、基本問題をやってみると、意外に理解していない箇所が多いことに驚かされるであろう。そして問題集の練習問題までを復習できたら、再度模擬試験の問題にトライしてみる。スラスラ解けるとは限らないが、少なくとも一行一行つかえることは改善されているであろう。
このようにしてわからない問題・間違えた問題をわかる問題にできたら、これでやっと模擬試験が終了したことになる。受ける準備から試験当日、そして受けたあとのことまで考えれば、かなりの時間がかかるかもしれない。
しかしこれだけ丁寧にしたほうが、多数の模試を受けて放置しておくよりも効率的な学習と言えるのである。
模試の活用といってもなかなか大変だが、逆に活用できれば「実力養成」と「やる気の増進」に役立つのである。