大学付属人気の高まり[中学受験]

今年の首都圏の大学入試ではいわゆる6大学人気が高かった。実は中学入試でも同様な現象が起こっていて、早慶やGMARCH* 難関私大の付属校が軒並み大幅な受験生増なのだ。(ただし、Gの学習院は女子のほう、Rの立教は男子のほう、Cの中央大付属は現在はない)。

大学付属人気の高まり[中学受験]


早慶と一口にいっても慶応は今年は特に人気ということではない。これに対する早稲田大学系列校の人気は、あの甲子園のハンカチ王子のフィーバーがそのまま志望増に繋がった。これが早稲田実業学校中等部のみならず、早稲田中学校にも及ぶ。早稲田実業高校入試は更に人気だったというから、いかにハンカチ王子効果がオール早稲田に貢献したかが知れようというものだ。

このところ皇室がらみで採り上げられることの多い学習院女子中等科と学習院中等科。男子が急難化して受験生増は一休みだったが、女子のほうは増加基調。明治大学附属明治中学校は調布に来年移転し共学化するため、西部地域の受験生が注入したことが大きい。明治大学付属中野中学校は明治大学付属中野八王子中学校と共に明大系列校ということで人気上昇、明治学院中学校は系列校唯一の男子校という点も含めて、移転する明々の代替として従来の明大明治受験生の一部を引き受けている。
青山学院中等部と立教池袋中学校は特に新しい話題はないが受験者増。法政第一中学校は共学化、新設移転で男女とも大幅な受験者増となった。
一方で法政の新設と競合して立教女学院の受験者数は減少した。また、日本女子大学付属中学校なども減少していて、いわゆる銘柄女子付属校が法政共学化の影響をまともに受けたといえるのではなかろうか。

一方で、大学付属の中ではいつも存在感を示している日本大学系列校の日本大学第二中学校や日本大学豊山中学校、日大などは今年は受験者数を減らしている。もっとも、新校舎のできる日大豊山女子中学校だけは受験者増となっている。
また、よく日大と並び称される東海大学系列は中学校を今春開設した東海大学付属高輪台高等学校中等部を始め東海大学付属浦安中学校、東海大学付属相模中学校、さらに系列の東海大学菅生中学校のいずれも受験者増となっている。東海大高輪台の新規開校の効果があったのだろう。

さて来年には明大明治の共学化(移転し西調布)、その翌年には早稲田大学中等学院の開校(男子)、翌々年には中央大学付属中学校の開校など6大学付属系列校は話題が続くうえ、慶応大学が150周年記念行事として中高一貫校を来年度に立ち上げる(詳細未公表)という派手なイベントがある。こうしていわゆる有名大学付属中学校は高値安定の人気が続きそうだ。

※GMARCH 学習院・明治・青山・立教・中央・法政の総称

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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