娘が反抗して言うことをきかない[中学受験]

最近は、女子の思春期が少々早くて、小学6年生の後半になると、母親に反抗的な態度をみせるようになるケースが少なくない。志望校についても自分の意思を貫いてしまう、というか必ず親とは違うところを志望するという「意地」をみせることもある。
こういう状況はもちろん親にとっては愉快なことではないけれど、成長には欠かせない。正確にいえば、成熟のなかで必ず起こることでもあるから、よく考えて対応したい。

先日も、「入試直前になって娘が反抗的で母親である私の言うことをきかない、ロクに勉強もしないで新設校で難しくないから、受験したいと言っている、どのように接したらよいか」という相談があった。

そもそも子どもがそういう態度になった場合は、親は良い点は伸ばし、悪い点は打っちゃっておくというメリハリをつけたい。

このケースだと、私立中学校に行きたい、と言い出しその気になっていることは受容する。一方で、勉強しないことについては、親は手を出さず、できれば家庭教師など第三者を入れて側面からアプローチをする。家庭教師に言うべきは言わせて、自分はお茶やケーキを出して気配り専門にする。

これを直接親が手伝って勉強を指導したり、勉強をしなさいと強要したりするのは反発を招き、せっかくのやる気をそぎかねないし、それで勉強をしても大して身にならない。大体がうまくいくご家庭の親子関係は円滑で、子どもが親に自然な感謝の念をもっている。こうなると受験でも滅法強い。親が子どもによく気をつかい、子どもが考えそうなことは先へ先へ考えて手を打っておくことである。

子は親の鏡というように、親が「我」をとおして感情のまま言動を示したり、軽い気持ちでからかったり、強くコントロールしたりしようとすると、それはそのまま大きな影を子に落とすものだ。
なぜかというと、子どもはこのままで既に親にとって大切な存在なのだ、というメッセージを送り届けられないために他ならない。自己肯定感をもてないまま育つことになる。この思春期特有の反抗は、こうしたメッセージを確認する行動だ、と言ってもよいくらいなので、母親としてはさまざまな場面で愛情、つまり無条件の愛情を適確に子どもに伝えるのが望ましい。

父親はそうした母親のいじらしい想いをうまくフォローして子どもに効果的に伝える役回りになる。自分が良い子になったり、スタンドプレーをしたりするのではなく、母親を縁の下で支えるように子どもの気持ちをほぐしてあげたい。もっともお上手にできる父親ばかりではないだろうから、せめて母親とともによく呼吸をあわせて、子どもへの対応を誤らないことだ。しかし、ここは親としての最大の教育の見せ場だといってよい。難しく考えないで、子どものプライドを尊重し育ててあげることを心掛ければうまくいくように思う。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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