文法なんて怖くない!「音声中心の学習」で小学校英語から中学校英語のつなぎをスムーズに!
- 新課程の英語特集
2020年度から実施された小学校の学習指導要領では、小学5・6年生が英語を「教科」として学ぶことになりました。そのときに小学5・6年生だった子どもたちが中学生になった今、彼らはどのようなことを感じているのでしょうか。
約82%が小学校と中学校の英語の授業の違いを感じている
中学1年生を対象に行った「英語学習についてのアンケート(Challenge English 編集部実施)」で、小学校時代の英語学習を振り返っての感想や中学生になった今の英語学習について聞いてみました。小学校と中学校の英語の授業の違いについての質問には、約82%が違いを感じていると回答しています。
小学校と中学校の違いは「文法を学ぶ難しさ」
小学校と中学校の授業に違いを感じていると回答されたかたは、どこに違いを感じているのでしょうか。アンケートには、英語の文法の難しさについての声が多く寄せられましたので、その一部を紹介します。
「英語の授業の違い」について具体的に教えてください。
・小学校では文法を習っていないので、中学生になっていきなり難しく感じた。
・中学生になり急に難しくなった。文法事項が多くて覚えるのが大変。
・小学校では文法をきちんと理解していなくてもテストで100点が取れていたが、中学校では文法を理解しておかないといけないので難しい。勉強方法にもギャップを感じている。
中学生になって英語の文法を学び始めたことから、難しさを感じている様子が伺えます。小学校では文法用語を使いながら学ぶというより、「聞くこと」「話すこと」を重視し、その活動のなかで、さまざまな英語表現を学びます。そのため、小学校と中学校の英語学習をスムーズにつなげるには、「文法」というハードルをうまく乗り越えることがポイントのようです。
小学生のうちから「音声中心の学習」で、英語の文のルールを感覚的に身につけよう!
小学校の英語は、「聞くこと」「話すこと」が中心だからこそ、「音声」を活用するのがおすすめです。小学校の英語の教科書には二次元コードがついているものもあり、おうちのかたのスマートフォンで読み取って、音声を手軽に聞くことができますので、ぜひ活用してみてください。
・まずは、英語の音声にたっぷり触れて、英語の「耳」をきたえよう!
たっぷり英語を聞くことで、まずは「耳」から英語の文のルールに慣れていくのがおすすめです。ただ音声を聞くだけでなく、読み上げられている箇所を指でなぞりながら聞くとより効果的です。
・「耳」の次は「口」をきたえよう!
英文の音声にたっぷり触れた後は、「口」を使って練習する、つまり、音読練習がおすすめです。ただ英文を声に出して読むだけでなく、読み上げる箇所を指でなぞりながら音読するとより効果的です。
最初はたどたどしい音読になるかもしれませんが、徐々にすらすら音読できるようになります。英文を最後まで読み切れたことをほめ、お子さまのやる気を引き出してください。また、お子さまだけが取り組むのではなく、おうちのかたも一緒に音読にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
中学生になったら、「音」で慣れ親しんだ英文の仕組みを謎解きする気持ちで取り組もう!
多くの中学1年生が、小学校と中学校の英語の授業に「違い」を感じているようですが、この「違い」自体は、ネガティブに捉えなくてもよいのかもしれません。中学生になった今、小学校の英語の授業が役に立っているという声も多く寄せられていますので、その一部の声を紹介します。
小学5・6年生のときの英語の授業で学んだことで、役に立ったと思ったことをお聞かせください。
・中学生になり、抵抗なく英語の授業に参加できている。
・外国人の先生を前にしても緊張しない。
・リスニングが得意になった。
・先生に英語の発音がよいとほめられた。
・小学校のときに会話の練習をたくさんしていたので、中学生になっても知っている単語を組み合わせて、言いたいことを話すことができていると思う。
小学校のときに英語の授業を経験したことに、多くの中学1年生が中学校の授業への役立ちを感じているようです。どうしても難しさを感じてしまう「英語の文法」については、中学生のこの時期は英語の文のルールを体系的に学ぶのにちょうどよいタイミングであると捉え、小学生のときに音で慣れ親しんだ英文の仕組みを謎解きする気持ちで取り組んでみましょう。
まとめ & 実践 TIPS
小学校と中学校の英語学習をスムーズにつなぐためには、小学生のうちからたっぷり英語の音声に触れ、「耳」と「口」を使ってきたえることがポイントです。ぜひ教科書の英文音声を活用してみてください。音声に合わせて英文を目で追いながら、声に出して音読し、音読している自分の声を聞く。こうすることで、体を使いながら英文のルールを感覚的に身につけていくことができます。ぜひお試しください。
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