小中高生の保護者の約8割は「わが子に実際の場面で使える英語力を身につけさせたい」…ではどうしたらいい?

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コロナ禍で、ここ数年日本人の海外渡航、外国人の来日は制限されてきましたが、多くの保護者は、わが子に実際の場面で使える英語力を身につけさせたい気持ちには変わりがないようです。

この記事のポイント

小中高生の保護者の約8割は「実際の場面で使える英語力を身につけさせたい」

東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が行う共同研究の調査では、小中高生のお子さまを持つ保護者の約8割が、「実際の場面で使える英語力を身につけさせたい」と回答しています(「とてもあてはまる」「まああてはまる」の合計)。下図の「小1~3」「小4~6」「中学生」「高校生」は回答された保護者のお子さまの学年です。この割合は、2018年~2021年のすべての学年の調査で高い状態を維持しています。

実際の場面で使える英語力を身につけさせたい

出典:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2021」(2021年7~9月実施)

では、保護者の方は、実際の場面で使える英語力でどんなことができるようになってほしいとイメージしているのでしょうか。ベネッセ教育総合研究所の別の英語調査で、「もし、もっと英語ができたらどんなことをしたいですか。」と保護者の方々にたずねているので、その回答から考えてみたいと思います。(基本的に原文のまま掲載します。)

保護者が思う「英語ができたらやってみたいこと」

①もっと楽しむ

  • ・字幕なしの映画を見て、作り手の気持ちなどを理解したい。
  • ・海外旅行をしたい。英語が出来れば、行動範囲が広がり、心から楽しめそう。
  • ・外国のゲームがやってみたいが、英語が理解できないため手が出せないでいるので、もしできたならやってみたい。

②友達を作る

  • ・SNS等で友達ができると良いなあ。
  • ・外国人の友達を作って、いろんな話をしてみたい。

③仕事の幅を広げる

  • ・仕事で必要なときに名乗りを上げる。
  • ・もっと別の仕事の選択があったと思います。
  • ・アルバイトで接客業をしている為、もっと英語ができれば、楽しくコミュニケーションも取る事が出来ると思うので、仕事のはばが広がりそうな気がします。

④伝えたい情報を発信する

  • ・茶道や着物に関する仕事をしているので、日本文化を海外に紹介したい。
  • ・働いているドラックストアに韓国からのお客様がよく来られる。そういう人に商品の使い方や良い点などを 日本人のお客様と同じように説明したい。また、日本やこの地域のことを教えたい。

⑤ボランティアをする

  • ・病院などで、外国人の方に日本語ボランティア。
  • ・日本に住むようになって日の浅い方や、学校での外国人の保護者の方に、 書類や制度等を伝えるボランティアをしてみたい。

出典:ベネッセ教育総合研究所「中3生の英語学習に関する調査」<2015-2018継続調査>

保護者の方は、もっと英語ができたら、日常生活、仕事、社会との関わりの中でもう一歩踏みこんで挑戦したり、人生をより楽しく豊かなものにしたりできると考えているように思われます。ではどうしたら、保護者の方の思いをお子さまは実現できるでしょうか。

保護者の方にやってみていただきたいこと
「英語ができたらやってみたいこと」から日常の英語学習の目標を立てる

① 「英語ができたらやってみたいこと」をまず親子で話してみる
お子さまと一緒に、「英語ができたらやってみたいこと」について話してみてください。もちろん英語に限らず、他の外国語でも構いません。まず、保護者の方が「やってみたいこと」を考えてみてお子さまに伝えてみるのもいいですね。それに刺激を受けたお子さまから、思わぬ希望や夢が聞けるかもしれません。

② 「英語ができたらやってみたいこと」を実現するために英語学習の目標を立てる
やってみたいことを実現したり、なりたい職業に就いたりするために必要な英語力はどんなものか、学校の英語学習とどうつながっているのか考え、目標を立ててみるのはいかがでしょうか。学校段階でつける力は将来必要な力の基礎的なものですが、具体的な例で紹介します。

  • ・スポーツで外国人のチームメイトと英語でうまくコミュニケーションできるようになるために、英語のやりとりの練習は恥ずかしがらずにしっかりやる。
  • ・趣味や興味のあることに関連するインターネット情報を理解できるように、英語の教科書音声を何度も聞く。
  • ・仕事で必要な英語の資料を作成する力をつけるために、自由提出の英作文ノートの宿題に必ず取り組んで提出する。
  • ・ブロードウェイミュージカルの舞台に立ちたいので、英語の発音や大きな声で発表する練習をする。

英語を使ってやってみたいことを実現するためには、英語力以外のたくさんの知識やスキルが必要となることも、親子の対話の中で気付かれるかもしれません。たくさんのことが学校での勉強とつながっていることを知り、学ぶ意欲を高めていってあげてください。

プロフィール

加藤由美子

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