興味のちょっと先まで手を伸ばせるかどうかで世界が変わる ~高校生の「ことば」事情 後編~
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今の高校生はどんな言葉がわかって、どんな言葉がわからないのでしょうか。
3/6に発信した前編では2014年度第1回『語彙・読解力検定』3級の結果から、辞書語彙領域について見てみました(3級の出題レベルは、高校1・2年生が多く受検している、中学卒業レベルです)。今回は、新聞語彙領域の結果について見てみます。

興味のちょっと先まで手を伸ばせるかどうかで世界が変わる
『語彙・読解力検定』の新聞語彙は、社会生活で必要な基礎知識や時事知識が身についているか、最新時事に触れながら、背景や関連性を含めて理解しているかを問う出題内容で、「政治・社会・文化」「経済・国際」「科学技術・環境」「医療・生活」という、社会生活とかかわりの深い4分野にわたり出題しています。

BEST10では、「LINE」「補聴器」「訪問介護」「自衛隊」など、やはり身の回りで目にしたり耳にしたりする用語が入っています。
一方WORST10では、前編でご紹介した辞書語彙領域の結果同様、「ケック望遠鏡」「フードマイレージ」「液化天然ガス」など、新聞やニュースに毎日接するなど、意識的に情報を取りにいかないとなかなか出合わないような分野の用語が多くなっているようです。
現代は、スマホやインターネットなどによって、かつてよりも情報は取りやすくなっています。しかし、それは自分の趣味や興味範囲にとどまる傾向があるようです。やはり、語彙を増やして社会との接点を増やしていくためには、意識的な対策が必要だということがわかります。
大学入試で問う、基礎学力と視野の広さ
実際、大学入試では、「興味のちょっと先」の部分の語彙力も必要です。
センター試験の国語で出題される小説文や評論文を読み解くには、教科書以外にも普段からやや背伸びをした小説や新書などを読んで慣れておくことで、基本的な語彙でつまずいたり慌てたりすることは減るでしょう。
また、小論文や英語、地歴公民などの素材として、時事的なテーマを取り上げたにしたものが出題されることが多くあります(次の表参照)。つまり、普段から新聞やニュースなどに接しておくことは、入試にも有利になるということが言えます。

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