【幼児英語教育の考え方・5】 幼児と英語のお付き合いは、人と英語のお付き合いそのもの

 これまで4回にわたり、ベネッセ教育総合研究所 主任研究員(グローバル研究室)・加藤由美子氏に、幼児英語教育の考え方をお話しいただきました。最後である今回は、「考え方」のまとめと、幼児英語教育を考える保護者のかたへのメッセージです。

 


大木を育てたいなら、根っこにたっぷり栄養を蓄える

 大人は英語を「教科」として考えがちなので、つい子どもの「成果」を確認したくなり、焦りがちです。ですが、大木を育てたいなら、まだ小さな芽の時から根っこにたっぷり栄養を蓄えるべきです。大切なのは、その子の発達をそのまま全部受け止めること、そしてその時に必要な水分や養分を適切に与えることです。

 

もちろん、言葉の習得には個人差があり、早い・遅いがありますが、適切な方法で早い段階で開始すると、あとの学習をうまくスピードアップさせやすくなるでしょう。言葉は誰でも話せるものです。早い段階から向き・不向きを決める必要はありません。誰かや、何かの目標と比較して、「できた・できない」にとらわれないように考えていきましょう。土台をしっかりしなければ、その先も伸びていきません。表面上の道具としてではなく、本来の意味のコミュニケーション、人とのつながりの中で問題解決をしていくということで英語を使う力をつけるためには、じっくりとした体験の積み上げが必要です。

 

保護者のかたは、お金をかけて英語教育に「投資」をするのですから、その成果を求めたいと思うのは当然のことです。発達に無理のない形であれば、効果を少しずつ求めていってもかまいません。あくまでも「この月齢ではここまでできているべき」や「○○くんより遅れている」などと一律に考えず、お子さま自身の個性と発達のスピードの中で、それに合わせた目標を作り、それに対して親子で努力することは、すばらしいことだと思います。

 

 

英語は「言葉」、人と人がつながるところに必ず言葉がある

 「発達に合わせて英語学習を進めること」の根本は、英語に「道具」や「勉強するもの」としてではなく、「言葉」として出会うことです。人とのやりとり、人とのつながり、楽しい思い出...そこに必ず言葉が存在します。そこに英語も大切な役割を担っているものだと感じられるようなやり方で、英語の体験を蓄積していってほしいと思います。

 

そうすれば、いつか英語を本格的に学習しなければならなくなった時にも、決して英語に拒否反応を抱くことはありません。生きることを豊かにしてくれる「言葉」、そこに、日本語と英語の違いはないのです。

 

 

 取材協力
 http://berd.benesse.jp/

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