小学校英語先進校 小山台小学校長が語る、小学校英語のあるべき姿とは?
2003(平成15)年に小中一貫教育で国の構造改革特区の認定を受けた東京都品川区では、小学校での英語の教科化や開始学年を早めることが検討されている。なかでも青山学院大学のアレン玉井光江教授の指導による独自のカリキュラムを取り入れているのが小山台小学校。齋藤早苗校長に話を伺った。
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1年生から英語学習を行う品川区にあって、楽しいだけの授業では意味がないと思い、2009(平成21)年から全学年で年間35時間の英語学習に取り組んでいます。当初から目標に掲げているのが、学級担任が主体となった英語の授業です。各地の研究会に足を運んで実践例を見学するなどして、どうあるべきか模索してきました。ターニングポイントになったのは、アレン玉井光江先生に出会ったことです。「意味ある文脈のなかでことばを育てる」という先生の指導法に共感し、2010(平成22)年4月から担任とともに5年生の指導に1年間入ってもらいました。
夏過ぎまでは、子どもたちは、大量のストーリーを英語で与えられ、憂うつそうで、うんざりした表情も見られました。それが、秋から子どもたちの表情が一変し、授業に意欲的に取り組んでいたのです。子どもたちに「英語がわかった!」という自信が生まれていたのです。2011(平成23)年から全校でアレン先生のメソッドを取り入れた授業をスタートさせました。
アレン先生はもちろん、授業を進める教員たちも大変だったと思います。ただ、子どもたちが英語を楽しく学ぶ姿を見ていて、教員たちも月1回の校内研究だけでなく、自主研修会を実施するなど英語の指導力アップに力を入れています。ボランティアとして保護者も参加してくださっています。アレン先生・教員・保護者が一体となってこそ、小山台小の英語教育が育てられたのだと思います。アレン先生の指導を受け、中学校に進学した子どもたちの話を聞くと、英語を読むことに不安を感じる子は少ないようです。
今後の課題は、小中連携を進めていくこと、そして教職員の異動があっても小山台小の英語を継続していくことです。
出典:【前編】ストーリーをとおして、英語力を育む授業(東京都品川区立小山台小学校) -ベネッセ教育情報サイト
2019年11月1日、文部科学省より2020年度(令和2年度)の大学入試における英語民間試験活用のための「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送ることが発表されました。