今どきの学生、コロナ禍でどんな生活?

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文部科学省などが実施した2021年度「全国学生調査」で、今どきの大学生の学習や生活の様子が明らかになりました。新型コロナウイルス感染症への対応でオンライン授業が盛んになる一方、対面の機会が減ったり、サークル活動が低調になったりするなど、従来とは違った状況も出てきています。

この記事のポイント

2年生は授業「週16時間以上」が多数派

調査は2019年に続き、2回目となります。22年1月から2月にかけて、全国の国公私立582大学に在籍する学部2年生と4年生など、157短大に在籍する2年生以上を対象に、インターネットで実施。質問は60項目で、約11万人が回答しました。
授業への出席時間は、2年生では66%の学生が「週16時間以上」と回答しており、比較的長い時間、授業に出席しています。予習・復習・課題などに充てる時間数は短く、「1~5時間」が最多の39%でした。
4年生では、授業への出席時間はぐんと減り、47%が「1~5時間」で、「0時間」も15%ありました。その代わり、卒業論文・卒業研究・卒業制作にかける時間は「週21時間」以上が33%でした。
2年生は授業で忙しく、4年生になると卒論などが中心になっていく……というのは、保護者世代にとってもイメージしやすい学生の姿でしょう。

オンライン授業は「やりとり」のしづらさも

授業の忙しさは変わらなくても、その形は、コロナ禍で変化しました。その一つであるオンライン授業に対する学生の評価は、さまざまです。
オンライン授業には、教員と学生が同時に接続する「同時双方向型」や、学生が必要なときに授業動画を視聴する「オンデマンド型」などがあります。いずれもよかった点として「自由な場所で授業が受けやすい」「自分のペースで学習しやすい」「レポート等の課題に取り組みやすい」などが挙がりました。
よくなかった点としては、同時双方向型では「他の学生とのやりとりがしにくい」(42%)「映像・音声や通信環境の影響で授業が受けにくい」(41%)、「疲労を感じやすい」(40%)、「教員とのやり取りがしにくい」(36%)などが挙がりました。オンデマンド型でも同様の課題が挙がっています。
文科省は、今後、大学はオンライン授業の質保証に向けた取り組みの進展が求められるとしています。

サークル、バイト「0時間」が増加

コロナ禍は、サークル活動やアルバイトにも影響を及ぼしています。
部活動やサークル活動への参加時間が「0時間」と回答した学生は、69%に上りました。前回の調査でも56%と半数を占めていましたが、さらに13ポイント増えています。アルバイトの状況では「0時間」と答えた学生が27%で、こちらも前回の調査より8ポイント増えています。
学部や専攻以外にも交友関係が広がる大学生らしい生活は、新型コロナで制限を受けているようです。

まとめ & 実践 TIPS

対面授業が復活しても、学生がよさを感じているオンライン授業は、今後も継続・定着していくことでしょう。一方で、サークルなどの活動時間が減ると、つながりや「居場所」を持てず孤立してしまう心配も出てきます。
同調査は、大学教育を学生目線の教育へ変えるために役立てることが目的です。結果を授業だけでなく、学生生活全体の質の向上のために活用することが期待されています。

(筆者:長尾 康子)

※全国学生調査
2021年度「全国学生調査(第2回試行実施)」の結果について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/chousa/1421136.htm

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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