ポイントはたった3つ!子どもの集中力が続かないときに試したいテクニック【小学校低学年】
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勉強をするときはなかなか集中できないのに、ゲームなど好きなことになると話しかけても親の言うことなど全く耳に入らない、その集中力といったらみごとなもの!これくらい集中して勉強してくれたら、どんなにいいかしら…と思っていらっしゃるおうちのかたは多いのではないでしょうか。
どのお子さまにも集中力はあるはずです。その集中力を勉強するときにも発揮できる方法をお伝えしたいと思います。
(赤ペン先生 吉田)
ヒントは「ある授業」にあった
「子どもの集中力」について考えるとき、ある学校の校長先生の国語の授業を思い出します。
それは、見事な授業でした。小学校3年生でしたが、クラス全員が集中できていました。というより、せざるを得なかったと思います。中には、国語の嫌いな子、音読が苦手な子もいたでしょう。でも、そんなことを感じさせない全員参加の授業でした。
まず、授業の内容に興味をもたせるために、教科書の内容に関連があり、なおかつ、子どもたちがすぐに思いつくようなことを考えさせて発表させます。そして、子ども達が盛り上がり、興味をもったところで、教科書を、一人一文ずつ音読させていくのです。
「はい、次!はい、次!」と校長先生のかけ声で、テンポよく、一人ずつ順番に音読するので、自分の番がすぐに来てしまいます。ボーっとなんかしていられません。でも、一文ずつなので読むのが苦手な子どもでも、派手につかえることなく、いつもより上手に読めます。内容の肝になるような部分は、列ごとに読ませたり、全員で読ませたりしてめりはりをつけます。
担任の先生とは違い、校長先生の授業なので、ちょっとした緊張感が漂い、子ども達の表情も心なしか引き締まったように見えます。校長先生は、一人につき1回は読み方をほめ、授業の最後に、「みんな集中してとても上手に読めたね!すばらしいクラスです!」と子ども達のことをとってもほめてくださいました。授業が終わった後、どの子も晴れやかな顔をしていて、いつものクラスとは見違えるようでした。
私は、この授業に子どもを集中させるテクニックが詰まっていると思っています。「興味・短時間・少量・テンポ・めりはり・緊張感・ほめ」などです。これらを駆使して、やり方を工夫すると、あまりやりたくないことでも集中してでき、達成感をもつことができるように思います。
次に、そのテクニックをご家庭でも生かせるように具体的なポイントを3つご紹介いたします。
① 興味・少量・簡単
前述の授業のように、まず、最初に興味をもてると勉強に取り組みやすくなります。導入は、お子さまの好きな教科や得意な教科から、これならできそうだという少ない分量で、計算などのように単純で簡単にできることから始めるとよいと思います。ウォーミングアップといったところでしょうか。スタートが調子いいと、波に乗ることができ、その後もはかどるものです。
だからといって、やり過ぎはよくありません。気持ちよく勉強を終えることが大切です。調子よくやっているからといって、決めた分量以上のことを求めると、途中で嫌になってしまい、せっかくがんばってやったのに後味の悪いものになってしまいます。「集中してできた!」と達成感をもつことが次への意欲になります。
② 時間は短く、回数を増やす
低学年の子どもが集中できる時間は、15分くらいと言われています。短い時間で、何回かに分けて、勉強したほうが集中できます。それには、校長先生の「はい、次!」というかけ声のように、「よういどん!」で始め、ストップウォッチでタイムをはかると効果的です。「よういどん」は、運動会の競争のようで、ちょっとした緊張感もあり、お子さまのやる気をくすぐります。
勉強と勉強の間に、お子さまが好きなことをしてもよい時間を挟み、また「よういどん!」で勉強を始めると、めりはりがつき、集中力が持続しやすいのではないでしょうか。
③ 自分には集中力があると思わせる
校長先生が、ほめられたように、お子さまが、短い時間でも集中してできたときや、勉強に限らず、何かに集中することができたときは、「すごい!とても集中してできたね!」「すごい集中力じゃない!」などと大いにほめてください。ほめ言葉のシャワーを浴びることで、お子さまはだんだんその気になって、自分には集中力があると思ってきます。そう自覚することで、「自分にもできる」という自信がつきます。自信は行動にもつながります。
まとめ & 実践 TIPS
大人でも、何か心にひっかかるようなことがあると、上の空になってしまい、集中できないことがあります。なかなか集中できないときは、そのときのお子さまの様子をよく見ることも大切です。
勉強を始める前に心を整えるリラックスタイムがあるといいかもしれませんね。おうちのかたと、おやつでも食べながら心のうちを話せると、すっきりして机に向かうことができるでしょう。
そして、いちばん大切なことは、子どもが瞳を輝かせて好きなことをしているときの集中力を妨げないことです。子どもは、思う存分楽しむことができてこそ、エネルギーをチャージすることができます。それが、きっと、勉強の集中力にもつながることでしょう。
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