子どもがこれからの時代を生き抜いていくための金銭教育 カギになるのは親子の関係

時代の変化のスピードが速く、金銭教育においても子どもとどのように向き合ったらよいのかわからない保護者のかたもいるのではないでしょうか。そんなかたのために、これからの時代を生き抜いていくための金銭教育を考えてみたいと思います。

この記事のポイント

保護者世代の常識が子どもに通用しない時代に

昨今、変化のスピードが速い時代だといわれています。同時に、子どもを取り巻く環境も変化しています。
たとえば、保護者世代が子どもだったころは、子どもたちの話題の中心はテレビ番組だったのではないでしょうか。ところが最近の子どもたちはテレビを見る子が少なくなり、YouTubeしか見ないという子どもも増えてきているようです。

また、スマホにおいては1人1台を所有する時代ともいえ、子どもたちは、ネットでのつながりが当たり前。保護者が介入できないような友達関係ができあがっている状況も垣間見られます。

そんな時代でも、子どもは順応性が高いため、すぐに新しいことを吸収します。一方で大人の中には、急速な時代の変化についていくのがやっとという人もいるのではないでしょうか。親子における世代間のギャップは拡大し、「子どもが考えていることが理解できない」、中には「子どもが何にお金を使っているのかがよくわからない」という保護者のかたの声も聞かれます。

金銭教育で親子間のコミュニケーションを深めよう

金銭教育について考えてみたいと思います。
保護者世代は現金が中心で育ってきた世代ともいえ、未だ現金が決済の中心というご家庭も多いと思います。ところが、今は国を挙げたキャッシュレス化が進められており、キャッシュレス比率を2025年までに4割程度にして、将来は8割程度を目指すとまでされています(注1)。紙幣や硬貨がほとんど使われなくなり、デジタル通貨が現金に代わる主な決済手段になる日が来るということです。

そんな変化の速い時代のなかで、子どもが将来ちゃんとお金の管理ができるようになるための教育はどのようにしたらよいのか、迷うかたもいると思います。

もちろん、毎月決まった日に保護者からおこづかいを受け取って、おこづかい帳をつけながら残高の管理をするという既存の金銭教育は、収入と支出を管理できる大人になるうえで、とても大切な教育ではあります。

しかしこれからは、そのような既存の金銭教育に加えて、「自分で考えて行動できる力」を育てることにも注力してみてはどうでしょうか。
なぜなら、時代の変化は、保護者が想像できないくらい子どもたちの世界にも変化をもたらしているからです。保護者の目が行き届く範囲には限界があり、子ども自身が自分で考えて、さまざまな困難に対処して、乗り越えていかなければならなくなる時代が来ることが想定できるからです。

子どもが「自分で考えて、自分の意思で行動できる」ようになるために、保護者はどうしたらよいのでしょうか。
大切なことは、まず保護者が「子どもの話を聞くこと」。そして保護者が「子どもの意見を尊重すること」、さらに「親子で気軽に対話できる関係を築くこと」だと考えます。このようなやり取りは、金銭教育の中で行うことで、話のきっかけが作りやすく、進めやすいでしょう。

注1:経済産業省 資料「中間整理を踏まえ、令和3年度検討会で議論いただきたい点」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/cashless_payment/2021_001.html

保護者がつい言ってしまいがちなこととは?

「おこづかいをもらったらちゃんと貯金しようね」「おこづかい帳は必ずつけるものよ」「○○ちゃん、それはどうせすぐに使わなくなるから、これは買わないほうがいいわよ」。みなさんは、普段お子さまにおこづかい教育の一環で、このようなことを言っていませんか?

親は子どもよりも長く生きているため、子どもがしようとすることの先が見えて、ついアドバイスをしてしまいます。そのような言葉には「子どもが失敗しないように」という親心が込められているのではないでしょうか。
一方、子どもの側からしても、親の言うことは正しいと思うことがほとんどでしょう。

しかし、このようなやり取りが当たり前になってしまうと、子どもの「やる気の芽」を摘んでしまうことにもつながりかねません。また、子どもは自分で考えることを諦めてしまい、親に判断を委ねるのが習慣化される可能性も否定できません。

そんな時親は、たとえ子どもが失敗することがわかっていたとしても、一旦は子どもの意見を聞いて、子どもに任せてみましょう。失敗から学ぶことも大切なことです。

誘導尋問は禁物

実際に失敗した際は、「ママが言った通りにしなかったから失敗したのよ」ではなく、「なぜそうなってしまったと思う?」「次はどうしたら失敗しないと思う?」という言葉を投げかけることが必要でしょう。質問により、子どもは自分の失敗を振り返ることができ、親子の対話も生まれます。

そこで親が気を付けなければならないことは、決して誘導尋問をしないことです。
「子どもにこうあってほしい」という願望を会話の落としどころにするのではなく、たとえ子どもの考えが親の考えに反していたとしても、一旦は子ども自身の意見を受け止め、子どもを信じてあげることが必要なのではないでしょうか。

また、これだけ時代の変化のスピードが速くなっている現代において、保護者の経験値がこれからの時代に必ずしも通用するとは限らなくなっています。
一旦子どもに判断を委ねてみて、どんな状況でも自分で考えて行動できるという教育をしたほうが、変化の速い時代に対応できる力は備わるでしょう。

先行き不透明な時代を生き抜く術とは?

将来AIがより社会に普及することで、今ある職業の多くが失われるともいわれています。
その一方で、新しく生まれる職業もあると思います。職業形態も、会社から雇われる形態ではなく、新しい形態も生まれるかもしれません。会社から受け取ったお金を管理する能力も必要ですが、それ以外に、お金を自分のスキルを使って生み出す力や、運用して増やす力を育てることの重要性がより増す時代になることも考えられます。

そんな時代を生き抜くためには、子どもが時代の変化に合わせて、自分で考えて、自分で行動できる力をつけること。また、保護者も自身の経験を介した考えに凝り固まるのではなく、柔軟な発想を持つことも必要だと思います。

まとめ & 実践 TIPS

最後に、「親子で気軽に対話できる関係を築くこと」については、普段から親子で気軽に話せる関係を作っておくことが効果的です。
ただしここも気を付けなければならないのが、一方的に保護者の価値観を子どもに押し付けてしまうケースです。対話とは、あくまでもお互いの話題に興味を持ち、質問しながら会話を深めていくことでしょう。

保護者の価値観を押し付けて、子どもの成長を妨げないように気を付けましょう。金銭教育を通じて、先行き不透明な世の中でも自分らしく生きていくためのスキルを身に付けていってください。

小沢美奈子

小沢美奈子

ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、損害保険会社にて社員教育、研修講師などを経験。約12年間勤務後、外資系損害保険会社で営業に従事。ファイナンシャルプランナーとして活動開始後はWebや書籍などで記事執筆、セミナー講師、家計相談などを行う。2児の母。著書「本物の節約 残念な節約」(河出書房新社)

プロフィール

子どもの教育資金を考える女性FPグループ

メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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