【国語~高学年編~】学習内容が難しくなり始めたとき、家庭での効果的な教え方は?

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家庭学習での声かけやサポートのコツをご紹介する連載の第2回目。今回のテーマは小学校高学年の国語です。低学年に比べて学習内容は幅広く、複雑になります。お子さまに対して、どんなふうにアドバイスしたら、国語の力を伸ばすサポートができるでしょうか。

(赤ペン先生 河原)

・第1回 【国語~低学年編~】子どもの勉強、上手に教えるにはどうすればいい?

この記事のポイント

小学校4~6年生の国語内容と学習目的

小学校高学年では、語彙を豊かにし、言葉の使い方、表現の工夫、情報の扱い方などを学習します。

小学校4~6年生の目標は、自分の思いや考えをまとめ、目的や場面に応じて伝える表現を工夫し、さらに、意見や感想を共有し合って自分の考えを広げることです。

伝える側・伝えられる側、双方の視点に立つ学びで「伝え合う」力をより高めていく。それが、高学年国語の学習目的といえるでしょう。

漢字・熟語など、初めて習う言葉を教えるには?

言葉は、自分の気持ちや伝えたいことと一致して、初めて自分のものになります。
高学年で国語がニガテになってしまうお子さまは、日常生活で出合わない語句の出現にとまどっているのかもしれません。
難しい漢字や熟語に苦戦しているお子さまには、初めて習う言葉を「自分の中にある言葉」とつなげて覚えられるように導いてあげてはいかがでしょうか。

例えば、お子さまがテストで答えられなかった熟語。辞書で意味を確認してから、「自分の言葉で説明するとどうなる?」と問いかけてみましょう。「知らなかった」言葉を、すでに「知っている」言葉と結んでもらうのです。

お子さま一人でうまくいかないときには手伝ってあげましょう。お子さまの中にある知識や経験を、新しい知識と結びつくように誘導できるのは、おうちのかたならではのことだと思います。

長い文章を読むときの効果的なアドバイス

長い文章を読むのが苦痛で全体の内容をつかめない、というお子さまも少なくないと思います。そんなお子さまには、文章を読むときに「自分が」大事だと思ったところや、筆者の思いが「伝わった」ところに線をひきながら読むといいよ、とアドバイスしてあげましょう。

もちろん、この方法では「本来の」要旨や「筆者の伝えたいこと」にたどり着けない可能性は十分にあります。線だらけになってしまったり、「え、ここ!?」という箇所に線をひいていたり、といろいろあるでしょう。でも大丈夫です。大切なのはお子さま自身が「考えながら読む」こと。「自分に何が伝わったか」が見えてくれば、「筆者の伝えたいこと」をつかむ力もきっと育っていくはずです。

情報を読み取る力は日常会話で伸ばそう

今年5月に行われた全国学力テストの結果が先日公表されました。
小学校国語では「文章と図表を結び付けながら必要な情報を見つけることに課題が見られる」という分析結果が出たようです。(※1)
情報と情報を関係づけ、理解する。この練習はご家庭でも気軽にできると思います。

例えば、新聞、雑誌、本、図鑑、広報誌、学校からのお手紙、チラシ……これらの中の、図や表のある文章をお子さまと眺め、「気づいたこと」をお互いに話してみましょう。
テストの問題文のような難しい文章を使わなくても身近にある題材でじゅうぶんです。

このような時間を親子の会話に時々織り交ぜてみるだけで、情報を読み取る力が培われていくように思います。

子どもの考えを受け止めてあげることで「伝え合う力」が育まれる

人と関わり「伝え合う」には「自分の考え」がとても大切です。

ところが、高学年になるほど「自分の考え」を率直に書いたり話したりすることが簡単ではなくなります。「自分の考え」をもっていないわけではありません。
「こんなこと言ったらどう思われるか」「こんなこと書いてまちがってないか」と躊躇してしまう自分がいて、自分なりの考えを素直に外に出すことができなくなってしまうのです。

ご家庭では、お子さまが「自分の考え」を発する機会を、日常的に、できるだけたくさんつくってあげるのがよいと思います。家庭内のこと、お友達のこと、世の中のこと。いろいろなことについてお子さまに意見や感想を求めてみましょう。

「どうしてそう思うの?」と理由も聞いてあげてください。それを「なるほどね」と受け止める。これだけでOKです。

考えを受け止めてもらえたという経験は、どれだけお子さまを勇気づけることでしょうか。「自分の考え」を伝えたいという思いを、ぜひおうちの中で育てていきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

学校で学ぶ知識の量が増え、内容も高度になって、考えるのが嫌になってしまう。そんな高学年のお子さまには、学習した国語の知識を日常生活の中で考えられるような声かけをしてあげるのが、何よりのサポートになるかと思います。

お子さまを取り囲む日常のすべてが材料です。今度はこれが使えそう、と秘かに探してみるのもおすすめです。難しく考えず、おうちのかたも楽しみつつ家庭内「アクティブラーニング」を実践し、お子さまの国語の力を育んでいかれてはいかがでしょうか。


※1 2021年度 全国学力・学習状況調査 報告書 【小学校】国語(国立教育政策研究所ホームページ)
https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/report/primary_lang.html

赤ペン先生 河原はるこ

赤ペン先生 河原はるこ

赤ペン先生歴8年。4年生担当。
高校生の時、「赤ペン先生」の心のこもった美しい字のおたよりに励まされた思い出があり赤ペン先生に。子どもたちへは、「まちがえるのは恥ずかしいことではない!」「どんどんまちがえましょう!」という想いを持ちながら、一生懸命に書かれた解答を尊重し、大切なポイントが一目でわかる指導を心がけている。
趣味:読書とフルーツ酢作り
自己紹介:のんびり屋、でも好きなことには熱い一面も。
中高生三児の母。

プロフィール



赤ペン先生は「進研ゼミ」の選考に合格し、ゼミ独自の研修・教育を通じて、教科の学習内容やお子さまの力を伸ばす指導法などを学んだ人です。 お子さま一人ひとりの解答状況や学習の到達度に合わせて、丁寧に添削・指導いたします。 ※「赤ペン先生」は(株)ベネッセコーポレーションの登録商標です。

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