私立大に通うといくらかかる?授業料等減免と給付型奨学金も含めて解説!

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私立大に通うといくらかかる? 授業料等の減免 給付型奨学金も紹介

子どもを持つ保護者にとって、気になる教育費。その中でも大学進学の費用は金額が大きいため、計画的に準備しておく必要があります。

とくに費用が高いといわれる私立大にお子さまを通わせた場合、いくらかかるのでしょうか?今回は、私立大の学部別の学費と、大学無償化とも呼ばれている「高等教育の修学支援新制度」についてご紹介します。

この記事のポイント

私立大の学費は、国立大の約1.7~6.7倍!?

※「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度納付金平均額 」をもとに作成
※医歯系学部は6年間で算出

上表は、私立大の初年度でかかる学部ごとの1年間の授業料・施設設備費と入学料の平均額から、初年度合計と卒業までの合計を算出したものです。

合計で、以下の金額がかかる計算です。
文科系学部:410万7,759円
理科系学部:541万7,532円
医歯系学部:2,354万3,099円

私立大では、学部・学科ごとに学費が大きく異なることが見てとれるでしょう。

ちなみに、国立大の4年間の学費総額は、どの学部・学科でも変わらず標準額ベースで242万5,200円、医歯系では6年間なので349万6,800円です。

上表の私立大文科系、理科系、医歯系の卒業までの学費合計額と比較すると……
文科系学部:約1.7倍
理科系学部:約2.2倍
医歯系学部:約6.7倍

国立大に比べて学費がかかる計算になります。

私立大の学費は学部ごとで大きく違う!

※文部科学省「令和5年度私立大学入学者に係る初年度納付金平均額(定員1人当たり) 」より作成
※薬・医・歯学部は6年間で計算

私立大でかかる学費を、さらに詳しく学部ごとに見てみましょう。

上表は、初年度にかかる入学料と年間の授業料・施設設備費・実験実習料・その他の平均額より、卒業までにかかる費用を学部別に計算したものです。

4年間の納付金は、約400万円~650万円(医歯系学部を除く)で学部により差があります。
実験実習の多い理科系学部は、座学中心の文科系学部に比べて学費は高く、多くの実習をこなしながら国家試験合格を目指す薬学部、歯学部、医学部、獣医学部は修業年限も長く、さらに高額です。

私立大の学費は、入学料や授業料以外にも国立大にはない「施設設備費」「実験実習費」等の納付金があり、学費を押し上げています。

突出する医学系の学費

突出する医学系の学費

私立大の医学部や私立医科大は、高レベルで綿密な教育・研究・診療を行うために、設備費や運営費は文科系各部のほぼ10倍ともいわれ、その分学費が突出しています。

上見出しの表より、医学部生1人当たりの入学から卒業までにかかる費用を見積もってみましょう。入学金を除いた年間学費約547万円×6年分に初年度納付する入学料136万円を加えると、6年間の学費は約3,419万円になります。

ただし、私立大によっても学費の幅はあり、大学HPで掲載される一例では……
順天堂大学医学部:2,080万円
日本大学医学部:3.338万円(会費等含む)
北里大学医学部:3,890万円

となっています。

医学部では、大学納付金の他にも、臨床実習費用や国家試験対策費なども必要になることを覚えておきましょう。

私立大の授業料等減免と給付型奨学金

※年収は両親・本人・中学生の家族4人世帯の場合の目安。基準を満たす世帯年収は家族構成により異なる。
※文部科学省「高等教育の修学支援新制度 」より作成

令和2年度から始まった、大学無償化制度とも呼ばれる「高等教育の修学支援新制度」。高等教育の修学支援新制度とは、学習意欲のある子どもたちへの進学支援で、住民税非課税家庭とそれに準ずる家庭は、授業料・入学金の免除または減額(授業料等減免)と返済不要の奨学金が給付される制度です。

高等教育の修学支援新制度は、令和6年度より世帯年収600万円程度までの多子世帯(満18歳未満の子どもを3人以上扶養している世帯)と私立理工農系を学ぶ学生の世帯にも支援が拡大しました。さらに、令和7年度からは多子世帯の所得制限が撤廃され、大学等の無償化支援が拡充される予定です。

私立大は国立大よりも授業料等減免・給付型奨学金とも高めに設定されているので、費用負担の大きい私立大でも進学がより可能になりそうです。また、医学系をはじめ、大学によっては奨学金制度が充実しているところもあるので、日本学生支援機構や大学のHPなどで調べてみましょう。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金についての詳しい情報はこちら

まとめ & 実践 TIPS

教育資金を準備するときに大切なことは、必要額がいくらぐらいなのかを把握しておくことです。とくに大学進学の費用は金額が大きいため、私立大に進学する可能性も踏まえて考えておく必要があるでしょう。お子さまの希望する進路を応援するためにも、教育資金は計画的に準備していくことをおすすめします。

海田幹子

海田幹子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。教育・育児、マネー等について執筆。現在、小学生2人の子育てに奮闘中。

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