「子どものひらがな・漢字、つい指摘したくなる!」大事なのは『伝える楽しさ』を学んでもらうこと
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宿題や提出物などに書かれたお子さまの字を見て、「!」となった経験はどなたにもあると思います。指摘したいところが満載。言うべきか、言わざるべきか、心が揺れてしまう…。お子さまが書いた「字」について、おうちではどんな声かけをしたらよいのでしょうか。
(赤ペン先生 河原)
一生懸命な字は、どの字も可愛い
「赤ペン」で漢字問題を採点していると、いろいろな字に出合えます。こちらの書く字が恥ずかしくなるほどの正しく美しい字もあれば、「漢字はニガテ」なことが前面に押し出された字もあります。頑張っていることが伝わるのはどちらの場合も同じです。
取り組んでいる姿を想像すると、どの字も“可愛い”と思えてしまいます。一生懸命書いてくれたところ申し訳ないけど、ちょっとだけ言わせてもらうね、という感じでいつも指導をしております。
細部を指摘するのは「先生」の役割
「とめ」「はね」や正しい形を教える意味は「見る力」を育てることにあると思っています。「ここは、はねるのか。」「ここには点が必要なのか。」字の学習を通して、物事の細部を「見る」という視点が身に付いたなら、日常のほかの場面においてもその力を役立てることができるのではないか。そんなふうに思います。
次々に新しい字を覚えなくてはならない子どもたちが、すべての字の細部に注意を払うことは難しいでしょう。違っている部分を指摘し、「気付き」を促すのが「字」を指導する者の役割であると思います。
「よく見て書くとうまく書ける」ことを体験してもらう
「先生」としては字の形が違っていたら直さないわけにはいきません。ですからおうちのかたには「どのような字でも懸命に書いたことをほめる」ほうに力を注いでいただければと思います。
指摘するのはどうしても「読めない」字があったときだけ。その際にも厳しく指導する必要はありません。お子さまと一緒にお手本を「よく見ながら」その字を書いてみるのがお勧めです。
長短、角度、位置など、ちょっとしたことに気を付けて書くと、バランスのとれた字になることを体験してもらう良い機会だと思います。よく知っている字でも、改めて眺めてみると意外な発見があり、大人にとっても面白いかもしれません。気が付いたことを教え合ったりして、親子で「字」を楽しむ時間にしてしまいましょう。
まとめ & 実践 TIPS
手書きの文字は思いを伝えるツール。字を習いたてのお子さまの場合は特に、「正しく書くこと」より「伝える楽しさ」を先に覚えてほしいと思います。
文字の学習が始まったばかりのお子さまが、きれいに書けなかったり、「とめ」「はね」を忘れたりしてしまうのは当然です。「文字の形」についての指導は「先生」に一任し、おうちでは、一生懸命に書いたことそのものを、たくさんほめてあげましょう。
「字を書く」ということは、それを読む人がいるということ。大切なのは「気持ちをこめて」書くことです。
おうちのかたにほめられて「伝える楽しさ」を知ったお子さまは、「読む人のことを考えながら書く」人に、きっとなれると思います。
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