小学生の子ども同士のケンカ。知っておきたい4つの対処法
- 育児・子育て
お子さまから「友達とケンカした」と打ち明けられたら、保護者のかたとしては心配ですよね。
お子さまが悲しんでいる姿を見るのはつらい、その状況を一刻も早くなんとかしてあげたい……と前のめりになってしまうかもしれません。でも、ちょっと待って。ケンカに向き合うことは、お子さまの成長のチャンスかもしれません。
こんな時保護者のかたはどのような関わり方をするといいのか、トラストコーチングスクール認定コーチであり、3人の子どもの母親でもある中原絵里子が一緒に考えてみたいと思います。
対処法1 「子ども同士で折り合いをつけるもの」と見守る
ケンカをしたのはお子さまであって、お子さまの「問題」です。
状況や原因を一番よくわかっているのは当事者同士。ケンカした直後は気持ちが高ぶっていても、時間がたてば落ち着いて冷静に考えられるようになるはず。
まずは、お子さま自身が「どうしてケンカになってしまったんだろう」「あの時どうすればよかったのかな」など、しっかり向き合い、どう折り合いをつけるのがいいのか考えることが大切です。心配でやきもきしてしまうかもしれませんが、ここはぐっと我慢して、お子さまを信じて任せましょう。
保護者のかたが介入すべきなのは、客観的に見てもまったく話が通じない相手の場合です。ケンカした相手やその保護者のかたが感情的になっている場合などは、「まずは当事者同士の話を聞きましょう」など、子ども同士で解決に向かえる場づくりをサポートしてあげるといいですね。
対処法2 お子さまの話をとにかく「聞く」
つい、どちらが悪いのかなど「事情」を聞きたくなりますが、それよりもまずお子さまの「気持ち」を聞いてあげてください。
「今、どんな気持ち?」「なんでそう思ったのかな」「明日会ったらどうしたい?」など、感情に寄り添いながら、お子さまが冷静にケンカに向き合う手助けとなるような問いかけをしてあげるといいですね。
気を付けたいのは、「それはあなたが悪い」「とにかく謝りなさい」など、評価や指示をしてしまわないこと。たとえば「友達の筆箱をこわしてしまったけれど、どうすればいいのかわからない」などの場合は、「あなただったら、どうしてほしいと思う?」と相手の気持ちを想像するように促したり、「お母さんだったら、まず直せないか試してみて、どうしても難しそうだったら同じもので新しいのを探してもいい? って聞いてみるかな」など、ご自身の場合はどうするか一意見として伝えてあげたりするのもいいですね。
対処法3 お子さまの「心の安全基地」になる
原因は何であれ、友達とケンカしてしまって落ち込んでいたり、くやしかったりと、いろいろな葛藤(かっとう)を抱えているはず。そんな時だからこそ、「ここは安心できる場所だ」と感じられるよう、お子さまの気持ちや言葉を受け止めてあげてください。
特に、「自分の話をちゃんと聞いてもらえた」と感じられることで、人は大きな安心感を持つことができます。また、心の安全基地を確保することができれば、相手の気持ちを想像する余裕も出てきます。話すうちに、「もしかしてこんなふうに感じさせちゃったのかな」「あんなことはしないほうがよかった」など、自分自身で気付けることもあるはず。
ちょっとした言葉の行き違いや、調子に乗りすぎてしまって悪気なく相手を怒らせてしまったり、自分が傷つけられたり。そんな時にどう折り合いをつければいいのか考えること、対処することが、生きていくうえで大切な社会性を伸ばすことにつながっていきます。
対応法4 「これだけはやらない」ことを意識する
気持ちが落ち着き冷静さを取り戻すことができたら、当事者同士で解決に向けて行動できるように、背中を押してあげましょう。
その時に、保護者のかたの姿勢として「これだけはやらない」ことを決めておくといいですね。たとえば、「先回りして解決しようとする」「謝って丸く収めさせようとする」「悪者探しをする」「関係のない人を巻き込む」などはしないよう、気を付けたいものです。
わたし自身、息子が小学校高学年のころに仲良しの友達とケンカをして、「もうアイツと遊びたくない」と言い出したことがありました。
当時わたしの仕事が忙しく、放課後そのお子さんのお宅で遊ばせていただくことが多かったので、「あの子と遊んでくれないと(わたしが)困る」と、親の都合で仲直りさせようと考えてしまいました。ギリギリで思いとどまりましたが(笑)、もし強引に謝らせようとしていたら、子どもの信頼を失っていたはず。その後、すぐにまた仲良く遊ぶようになっていました。
子ども同士のケンカは大人が考えるほど長く引きずらず、次の日にはケロッとしていることも。まず数日は様子を見てあげてください。
まとめ & 実践 TIPS
ケンカをしてしまうとその時はつらいかもしれませんが、社会で生きていくうえで非常に重要な対人スキルを身に付け、視野を広げる機会でもあります。我が子が傷つけられると、保護者としてはつい自分のこと以上に感情的になりやすいですが、いたずらに大人が介入してしまうと、せっかくの成長のチャンスを奪うことになるかもしれません。
自分に反省すべきことがあれば反省し、相手の気持ちや状況を想像しながら、うまい落としどころを探っていく。それは間違いなくお子さまの成長につながるはずですので、できる限り見守ってあげましょう。
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