子どものタブレット、目の疲れや視力への影響、健康上の注意点は?

1人1台のコンピューター端末の導入が、小中学校で本格的に始まって、約2カ月。安全・安心に使うためには、端末のセキュリティーだけでなく、子どもたちの健康への影響も考えたいものです。学校から家に持ち帰って使う場合、どのような点に注意したらよいのでしょうか。

この記事のポイント

Q.家で使うときは何に気を付ければいい?

A.文科省が啓発冊子で示している、子どもが家庭でタブレットを利用する際の「5つの約束」が参考になります。

「タブレットを使うときは姿勢よく」「30分に1回はタブレットから目を離す」「寝る前にはタブレットは使わない」「自分の目を大切にする」「ルールを守って使う」の五つです。
一方、保護者に対しては、▽目を画面から30cm以上離して使うため、机といすの高さを合わせる▽部屋の明るさに合わせて、画面の明るさを調整する▽画面の反射や映り込みを防止するため、画面の角度も調整する——などの留意点も加えています。
これまで、端末を使う際の子どもたちの健康への配慮は、主に教室を想定して考えられてきました。GIGAスクール構想が実現し、今後、端末を家に持ち帰って使う状況が予想されることから、児童生徒や保護者に直接呼びかける形を取ったのです。

Q.特に注意すべきことは?

A.目の疲れなど視力への影響です。

「5つの約束」が、主に「見る」ことに関する注意から成るように、タブレットを使う時には、視覚系へのさまざまな影響が考えられます。
公益社団法人日本眼科医会では、児童生徒、保護者、教育関係者向けに目の健康啓発マンガを制作し、デジタル教科書などの端末画面を見る際の注意点を解説しています。「活用マニュアル」では、端末の画面の角度を目線と合わせるため、端末を置く台を、子どもの座高に合わせて設置することなどを勧めています。
耳への影響も考えられます。タブレットにイヤホンをつなげて聞く場合は、利用時間と音量によっては、騒音性難聴の原因にもなりかねません。音を大きくしすぎないよう、気を付ける必要があります。

Q.学校ではどうしているの?

A.健康に配慮した使い方の指導や、教室環境の整備が求められています。

19年に文科省は、学校向けの「教育の情報化の手引き」を作成しました。その中で、健康面への配慮として▽教室の照明が反射しないように、画面の角度を子どもが調整できるよう指導する▽長時間同じ姿勢を続けない、長時間画面を注視しない▽電子黒板を使う場合は遮光カーテンなどを設置し画面への映り込みを防止する——など、教室環境を整えることを示しています。

まとめ & 実践 TIPS

テレワークの普及で、保護者の中には、自宅の机やいす、照明など作業環境の大切さを、身に染みて感じた方も多かったのではないでしょうか。
授業では、これからタブレット活用が進み、子どもが画面に向き合う時間が増えてきます。子どもたちの心身の健康を守りながら、ICT(情報通信技術)活用能力を高めていくためにも、学校と家庭の両方で、大人も一緒にコンピューターの利用環境を再考する必要があるのではないでしょうか。

(筆者:長尾康子)

出典:
※文科省 端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮等に関する啓発リーフレットについて
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00001.html

※文科省 「教育の情報化に関する手引」について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html

※公益社団法人 日本眼科医会 子どもの目・啓発コンテンツ「目の健康啓発マンガ ギガっこデジたん」
https://www.gankaikai.or.jp/info/post_132.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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