2024年、小学生の夏休みに出た宿題は?自由研究は保護者が「手伝う」派が5割強

  • 学習

今年も多くの学校で夏休みが始まりました。お子さまは、宿題に取りかかることができていますか?
進み具合にヤキモキしたり、保護者のかたは「どこまでサポートすればいいのか」と迷ったりすることもあるかもしれません。

そこで、全国の小学生の保護者に、2024年の夏休みの宿題事情についてお聞きしました。保護者の適切な関わり方のポイントと併せてご紹介します。

この記事のポイント

今年の夏休みの宿題は?

算数や国語のワークが最多。絵日記や植物の観察、自由研究も健在

小学生の保護者552名にアンケートを行ったところ(※1)、今年の夏休みの宿題として、最も多く出されているのは「算数」および「国語」のワークやドリルで、それぞれ9割前後でした。次いで、「日記・絵日記」がランクイン。「植物の観察」「自由研究」もそれぞれ6割強と、夏休みの定番の宿題として、多くの小学校で出されているようです。

また、宿題によっては「任意」「選択式」での提出になっているという声も多くありました。

  • 読書感想文、科学研究、自由研究、工作、ポスターなどリストの中から複数選んでする。(広島県・小学2年生の保護者)
  • 自由研究、読書感想文は必須ではなく、やりたい子だけとなっています。(兵庫県・小学1年生の保護者)

もっとも大変だと感じる宿題は?

別のアンケート(※2)で「もっとも大変だと思う宿題」について聞いたところ、1位は「自由研究・工作(43%)」、2位は「読書感想文(31%)」という結果になりました。

なぜ、自由研究を大変と感じるかたが多いのでしょうか。理由として、「テーマ選び」や「準備」に加えて、保護者のサポートが必要な点を挙げる声が多くありました。

  • とにかく親がサポートしなくてはいけないことが多いから。(大阪府・小学5年生の保護者)
  • 自由研究になるとやはり調べ物や実験のフォローやお手伝いを親がしないと難しいため、大変だなと思います。(香川県・小学1年生の保護者)

自由研究を手伝う保護者は5割以上

また、このアンケート(※2)では、半数以上の保護者が子どもの自由研究を手伝うことも明らかに。「テーマ選びからまとめまですべてを手伝う(12%)」、「すべてではないが一部を手伝う(40%)」と、一部分のサポートをする保護者が多いようです。

自由研究に保護者はどう関わるべき?

保護者は、お子さまの自由研究にどのように関わるとよいのでしょうか。ベネッセ教育総合研究所・主任研究員の木村治生氏に聞きました。

自由研究で身に付く力とは?

今、学校でも、自由研究のように自分でテーマを設定し、仮説を立てて調査をし、その結果をまとめて発表するような学習(探究活動)が重視されています。

教科書の知識を覚えたり、技能を身に付けたりすることももちろん大切です。しかし、そればかりが学習ではありません。自分で決めたテーマを追究することで育つ「好奇心」は、子どものこれからの学びの原動力になります。

また、レポートや作品を制作することで身に付く「課題を解決する力」は、この先に起こるさまざまな問題を乗り越え、新しい価値を創造していくうえでも役に立ちます。課題に取り組む過程で保護者と話をしたり、まとめた成果について先生や友達に説明してアドバイスをもらったりすることも、思考を深めるのに有効です。自由研究は、特定の知識や技能を身に付けるだけでなく、活動全体を通じて総合的に力を高める機会といえます。

保護者が意識したい「適度な関わり方」

とはいえ、多くの家庭では、何をテーマにするかということや、保護者がどこまで関わるかといったことに悩むのではないでしょうか。子どもの力を伸ばすためには、保護者の関わりは最低限にするのが原則です。

でも、子どもがつまずいているようであれば、励ましたり、考えるヒントを与えたりといったサポートは必要です。適度な関わりは、子どものやる気を高め、思考を深める効果があります。

テーマは、好きなこと・関心があることの中から、子ども自身が決めるとよいでしょう。なかなかテーマが決まらない場合は、Webサイトをうまく利用するのもいいですね。ただし、丸写しはダメなこと、他者の研究を参考にする場合は出典を明記するといったルールがあることも伝えてください。

重要なのは、何かを参考にしながら、子どもが自分で考えて工夫しているかです。立派なレポートや作品に仕上げようとすると過度に口を出したくなりますが、子ども自身が課題に向き合い試行錯誤するプロセスを大切にして、お子さまの成長を見守りましょう。

まとめ & 実践 TIPS

夏休みの宿題は、普段なかなか取り組めないものに取り組める機会でもあります。自由研究も、お子さまが好奇心を高め、課題にじっくりと向き合ういい機会にしていけるといいですね。

(出典)
※1 夏休みの宿題に関するアンケート
期間  2024/7/19~2024/7/25
回答者 小学生の保護者552名

※2 夏の学習・自由研究に関するアンケート
期間  2024/6/14~2024/6/20
回答者 小学生の保護者1728名

プロフィール



「ベネッセ教育情報」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。
役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

  • 学習

子育て・教育Q&A