【親の準備】家から通える私立と下宿が必要な国公立、安いのはどっち?
大学進学はお子さまのがんばり次第ですが、保護者が準備するものとして「費用」の問題があります。一般的には、家から通える私立と下宿(※)や学寮(※)が必要な国公立では、費用は同じくらいといわれているようですが、実際はどうなのでしょうか?
「どこの私立に通うのか」「どこの地域で下宿するのか」など、進学先や、家賃の相場などで大きく変わってきます。具体的な例をみながら、直前になって困らないように準備しておきましょう。
※下宿:大学の寮をのぞく、自宅外で生活することを指しています。
※学寮:大学の寮を利用する、自宅外で生活することを指しています。
国公立の学費が安いとはいえ、四年間2百万円以上
まず、国公立の学費について考えてみましょう。国公立の学費は、一年間535,800円(一部例外あり)となっています。これは、学部問わず同一の金額です。つまり、四年間で2,143,200円となります。
ちなみに入学金は、国立は一律282,000円となっていますが、公立の場合、地域内の学生と地域外の学生で料金が変わります。ここでは、国立大学を例にとり、算出します。
◆国立:入学金282,000円 四年間の学費2,143,200円 合計2,425,200円
参考資料:文部科学省ホームページ
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/005/
gijiroku/06052921/005/002.htm
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/
__icsFiles/afieldfile/2014/08/12/1284481_05_1.pdf
私立の学費は国立の1.5倍!
次に私立の学費について考えてみましょう。こちらは、学校や学部によっても差があります。ここでは、文部科学省が算出した、「平成25年度 初年度学生納付金の調査結果概要」を参考にしています。
◆私立:入学金264,390円、四年間の学費3,440,288円 合計3,704,678円
参考資料:文部科学省ホームページ
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1346053.htm
生活費は?四年間で計算するとかなりの額に!
最後に、学費以外にかかる費用について考えてみましょう。日本学生支援機構の調べによると、一年間の生活費(※)は、自宅生(私立)434,600円、学寮生(国立)774,800円、下宿生(国立)1,147,400円となっています。こちらを参考に四年間の生活費を算出すると、以下のとおりになります。
※生活費:食費・住居光熱費・保健衛生費・娯楽し好費・その他の日常費の合計。(自宅生は住居光熱費を含みません)
◆自宅生(私立):四年間の生活費 1,738,400円
◆学寮生(国立):四年間の生活費 3,099,200円
◆下宿生(国立):四年間の生活費 4,589,600円
条件によって大きく変わる!個別に確認しておくことが大事
私立で自宅から通学、国公立で自宅外から通学する場合の費用をまとめた結果が以下のとおりです。
◆私立(自宅生):学費3,704,678円 生活費1,738,400円 合計5,443,078円
◆国立(学寮生):学費2,425,200円 生活費3,099,200円 合計5,524,400円
◆国立(下宿生):学費2,425,200円 生活費4,589,600円 合計7,014,800円
参考資料:日本学生支援機構 平成24年度学生生活調査結果
http://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/documents/data12_all.pdf
この計算によると、地方の国立へ行く学寮生の費用は自宅通学の私立の費用と、さほど変わらないことがわかります。しかし、下宿生の場合は、1,500,000円ほどの開きがでます。
ただし、いずれも一般的な金額や平均値で計算した結果です。私立の費用は理系・文系、さらに学部や大学によっても大きな差がでます。学寮生、下宿生も家賃や生活費は住む地域によって変わります。
お子さまの志望大学が決まったら、それぞれ想定される出費を考え、保護者は備えるようにしましょう。