「いつになったら勉強するの?!」とおさらば! 中学生の悩みからわかる「勉強をやる気」を引き出す方法

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ゴロゴロ漫画を読みながら一向に勉強を始めないわが子。(保護者のかた)「いつになったら勉強始めるの!?」(子)「今やろうとしてた!」とバトルに発展…。良かれと思って声をかけたのに、子どものやる気も時間も(自分の気力も体力も…)奪ってしまって落ち込むこと、ありますよね。けれど、保護者のかたの「放っておけたら楽だけど、心配で声をかけずにいられない…」という優しさは必ず子どものやる気につなげられると思います。進研ゼミ中学講座の勉強法アドバイザーが知っている、「やる気を引き出すカギ」をご紹介したいと思います。

(勉強法アドバイザー 滝)

この記事のポイント

まずは、やる気が“出ない”に寄り添う

中学生からの相談例(1)→「勉強しなきゃと思っているのに、やる気が出ません。」

進研ゼミの勉強法相談に寄せられる「やる気」に関する相談のほとんどが、「やる気が“ありません”」ではなく「やる気が“出ません”」なのです。つまり、やる気は心のなかにあるけれど、それが出せずに悩んでいる。出せない理由がある子がほとんどなのだと思います。子どもの立場に立って考えてみると、朝から夕方まで授業、それから部活、人間関係でも気を使い、家に帰ってまた(親に怒られながら)勉強…疲れてしまう事情もわかります。私たち勉強法アドバイザーはまずそこに寄り添うようにしています。

おうちでも、いきなり「いつ勉強始めるの!?」ではなく、「最近遅くまで部活やって大変そうだね」とひとつ共感を挟む。子どもは「わかってくれてる」と感じて、アドバイスを受け入れやすくなる。そして、「お茶いれるから勉強始めようか」「お母さんも皿洗い始めるからがんばろう」と声をかけてみるというのはいかがでしょうか。一緒に行動を切り替えてあげられるのが保護者のかたの強みです。この「一緒」が、案外子どもの背中を押してくれます。

子どもからの“ほめてアピール”を見逃さない

中学生からの相談例(2)→「自分なりにがんばっているのに、親から努力していないと言われてやる気をなくします」

「お友達と仲良くできたね!」と小さい頃はささいなことでもほめてあげられたのに、つい「周りと比べてどれだけできたか」が気になって「がんばり」より「成果」に目がいきがちになりますよね。でも、中学生の相談には「がんばったでしょ?」という【ほめてアピール】が潜んでいます。アドバイザーはそれを見逃さず、「がんばっているね!」「意欲的だね!」と褒めるよう心がけています。すると「ほめてもらえてうれしかった」、「がんばりを認めてもらえてやる気になった」という反応が返ってきます。

実はアドバイスよりも【ほめ】を求めている子が多いと感じます。大人から見ると時間の使い方が下手だったり、効率が悪かったりするけれど、小さながんばりや進歩でもほめてあげるとやる気は上がるようです。やる気が上がると「もっと上の順位を目指したい!」と子どもたちは自らハードルを上げていけます。

子どもを誘惑するものから遠ざけ、環境を整えてあげる

中学生からの相談例(3)→テストまであと3日です!今からでもいい点数が取れる勉強法を教えてください!

テストが近くなってから急に焦り出すわが子…。「いい点が取りたいならコツコツやっておけばいいのに…」と思いますよね。じゃあなぜできないのか…?きっと多くのお子さまが上記の相談事例のように「勉強しなきゃ」と思うけど、スマホが気になるし、ゲームの方がおもしろく、引きずられてしまうのだと思います。

その気持ち、私はよくわかります。だから「スマホは勉強が終わるまで預かる」「ゲームは勉強が終わってから」などルールを一緒に決めて、誘惑に負けてしまいそうなものは、遠ざけてあげましょう。そして、テスト前と普段で高低差があるやる気を、「習慣づけ」で、安定して続くやる気に変換できるように導いてあげることをおすすめします。

帰宅後すぐ→宿題、夕食後に翌日の予習かその日の復習を15分と、無理なくできることとタイミングを決めてしまいましょう。習慣になるまでは苦しいけれど、それを見守ってあげられるのは保護者のかただからできること。瞬間的なやる気を持続するやる気につなげていけるように、環境を整えてあげたいところです。

まとめ & 実践 TIPS

「共感」「ほめ」「環境を整える」の3つがやる気アップのカギです。すぐ怒るし、すねるし、反応も薄いし…思春期まっ只中で「難しいな」と感じることも多い中学生。でも、本音は「わかってほしい」「見てほしい」「ほめてほしい」「一緒にやってほしい」なのです。私自身を振り返っても、子どもが小さい時には転ぶと「痛かったね」と共感し、「ママ見て!」とニコニコしているときには「すごいね!」とほめてあげていました。その時の気持ちを忘れないようにしたいと成長したわが子を見て思います。保護者の方の反応は今でもお子さまにとっての大きなモチベーションです。疲れているときはうまくできないこともあるけれど、小さい頃のわが子の顔を重ねて、寄り添ってあげられるとよいですね!

滝りえ

アドバイザー歴11年。
学生時代の家庭教師や塾講師のアルバイトを通じて、同じ中学生でもそれぞれに適した勉強の仕方や声のかけ方が違うことに気づき、その経験をいかしたいという思いからアドバイザーに。それぞれの会員に適した受け止めやすい言葉や表現でアドバイスを届けることをモットーとしている。
座右の銘:「因果応報」自分がしたことは善い行いも悪い行いもすべて自分に返ってくる
趣味:洋楽のミュージックビデオの鑑賞、書道。3人姉妹の母。

プロフィール



勉強法アドバイザーは進研ゼミ中学講座会員向け質問相談サービス「ギモン解消ひろば」で中学講座会員からの勉強に関する悩み・相談に日々回答をお届けしている勉強法の専門アドバイザーです。
お一人おひとりの学習状況に寄り添い、勉強のやる気・学力向上、志望校合格に近づくためのアドバイスをお届けしています。

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