受験直前!子どもの気持ち「親にやってほしくないこと、やってほしいこと」
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受験生の保護者のかたにとっては落ち着かない時期だと思います。
私は中学生の勉強法相談のアドバイザーをしていますが、毎年この時期は受験生からの不安な気持ちでいっぱいの相談がたくさん寄せられます。その中には、保護者のかたとの関係に関するお悩みも案外たくさんあり、子どもの目線から見てみると、受験前には保護者のかたへの要望もいろいろあるようです。
そんな子どもたちの声なき声と我が家のドタバタの受験経験を交えて、受験直前期の子どもとの関わり方のポイントをご紹介したいと思います。
(勉強法アドバイザー 白鳥)
この記事のポイント
言いたいことは、5秒間待って
受験期の保護者の心構えとして、子どもの「ふだんどおり」のペースを守る、というアドバイスを多く耳にしませんか。でも、なかなか「ふだんどおり」って難しいものです。
私も、「AちゃんはB高校を受験する」とか、「Cちゃんは毎日塾で遅くまで勉強している」などの情報に敏感になり、つい子どもにもはっぱをかけたくなることがありました。
けれど、受験直前期の子どもは本当に繊細です。1月以降の子どもの相談文からは、これまでとは明らかに異なり、もがき苦しむ姿が伝わってきます。
本人が焦っている様子を察することができれば、親も配慮できますが、たとえ子どもが落ち着いているように見えても、内心はすごく焦っていたり悩んでいたりしています。
だから、何か言いたくなったら、とりあえず心の中で5秒間カウントしてみてください。
この一呼吸で、言ってはいけない一言を抑えることができると思います。
非常事態への備えを
直前期にはいろいろな出来事が起こります。我が子のことですが、併願の私立高校入試日の10日前にインフルエンザを発症しました。予防接種も万全に、マスクとうがい手洗い、それに帰宅後に着替えるなど感染対策を徹底していました。それでもどんなに注意をしていても感染してしまいました。
このときは「何とかなる」と私自身、自分に言い聞かせました。子どもには、「まだ10日もあるよ。大丈夫だよ。」ととにかく安心できるようにサポートしました。
投薬ですぐに熱が下がっても頭痛が抜けなくて机に向かえたのは入試の3日前でした。
その間、子どもは不安と焦りで押しつぶされそうな気持ちだったのではないでしょうか。
こういうときこそ、親の出番です。最悪のことを想定しながらも、そこから抜け出せる思考やことばの準備をしておくことも大切だなと実感しました。
最終的には親はドンと構えて
体調を崩すことがなくても、入試日が近づくにつれ、親子ともに不安な気持ちは強くなるかもしれません。
子どもたちからの相談も、入試前日にまで「何をしたらよいのか?どうすればよいのか?」というものが多数あり、「大丈夫だから安心してね」と言ってもらいたいのだなということが細かな相談内容から読み取れます。
でも、勉強法をアドバイスする立場の私からは「安心」という言葉は安易には伝えられません。伝えられることは、「新しい問題に手をつけるよりも、今までに覚えたことや解いた問題を見直して、自信をもって入試本番を迎えよう」ということだけです。しかし、子どもたちが一番かけてもらいたいのは「大丈夫だから安心してね」という気持ちと言葉。保護者のかただからこそ伝えられることだと思います。
親がどんと構えていることが、子どもにとっての精神安定剤なので、最後まで大きな気持ちをもって見守ることができるとよいですね。
まとめ & 実践 TIPS
先日、あらためて我が子に、受験直前に「やってほしくなかったこと、やってほしかったこと」を聞いてみました。
「やってほしくなかったこと」はやはり追い立てるような声かけでした。(反省しています。)
「やってもらえてありがたかったこと」は、「好きなお菓子を買っておいてくれたこと」だとか。ああ、それだけでも彼女の心にヒットしていてよかったと思いました。
保護者のいちばんの出番は受験直後かもしれません。どんな結果になっても「これがベスト」だとしっかりと受け止め、その先の進路へつなげていきたいですね。
白鳥ももこ
アドバイザー歴8年。
思春期真っただ中の中学生を勉強面からサポートしたいという思いがきっかけでアドバイザーに。子どもたちの相談文の文脈からできるだけ本心を読み取り、気持ちに寄り添った回答を届けることを大切にしている。
座右の銘:強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない。
趣味:生き物の観察。昆虫や動物、動いているものを観察していると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。大学生の1男1女の母。
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