成績アップに役立つ「問題復習ノート」の作り方 5「きづきをメモする」
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「問題復習ノート」の作り方の紹介も最終回となりました。今回は、ポイント5「きづきをメモする」です。
学生時代を振り返ってみて、また、ノートの取材を通して感じてきたことは、ノートを受け身で書くことが多いということです。黒板に書かれた内容だけを写したり、先生などが書きなさいと指示したことだけを書いたり。
「問題復習ノート」を作ろうと思うということは、きっと、成績を上げたいという強い思いがあるのだと思います。だからこそ、受け身ではなく、自分自身で必要だと思ったことはどんどんメモをしてほしいと思っています。
「気づき」とは「心が動いたこと」を書く
小学生や中学生に向けて「気づきをメモしてください」という話をすると、「気づきってどんなことを書けばいいですか?」とよく聞かれます。確かに、「気づき」と言われても具体的なイメージは湧かないかもしれないですね。
そんな質問を受けたときにはいつも、「気づきは、<心が動いたこと>を書いてください」と答えています。
勉強をしているとき、いろいろな気持ちになっていると思います。
すらすら解ける問題が続くと「簡単だな」と嬉しくなったり、丸つけ中に難問に正解すると「完璧だ!」と自信満々になったり。
一方、ネガティブな思いもあると思います。手も足も出ない問題では「全くわからない……」と頭を掻きむしるくらい落ち込んだり、ケアレスミスばかりだと「なんでだよ」とイライラしたり。
このようなあなたの「心の動き」をメモとして、ノートに書いてほしいのです。
東大生が、受験時代に作った生物の「問題復習ノート」。論述を組み立てるための気づきが多く書かれている。『東大合格生の秘密の「勝負ノート」』(文藝春秋)より
注意点、いら立ち、不安…ノートに残された思い
これまで取材した「問題復習ノート」には、さまざまな「心の動き」が書かれていました。
ある東大生の数学のノートには、間違える原因となった部分に「このミスは痛い」と大きな赤字で書かれていました。彼は、採点するときは自分が赤ペン先生になったつもりで「気づき」を書いていると話していました。
生物の記述問題が苦手だった東大生のノートには、「書き始める前に構造を考える」、「問題文をよく読むこと」など答案を書くうえでの注意点を書いたあとに、解答に必要なポイントをまとめていました。
小学生だって負けていません。
難関私立中学校に合格した男の子は、「功績(こうせき)」を「功積」と間違えたときは、大きくをつけ、その横に赤字で「いとへんだー
」と大きくメモされていました。
算数の問題の数式を書いているときに「ややこしいな」と感じた女の子は、大きな字で「間違えそう」と大きくメモした下に知識を整理して書き出していました。
メモは「心の動き」を素直に簡潔に書く
これまで何百冊ものノートに書かれた多くの「気づき」を見てきました。当然のことですが、同じメモ書きというものはありませんでした。「気づき」は、誰かに書けと言われたものではなく、ノートの書き手が、そのときの気持ちを素直にメモするものだからです。
「問題復習ノート」に書くメモに制限はありません。問題の見直しをしているときの心の動きを素直に簡潔に書くこと。そうすることで、学んだ内容をより深く理解することができ、印象に残りやすくなります。また、復習の際も、ノートを書いたときの思いが残っているため、ポイントを押さえた見直しができるようになります。
間違えたことへの悔しさは、リベンジするぞというやる気になります。間違えそうだなという不安は、丁寧に解こうという姿勢につながります。「わからない」というメモは、やり直そうという次の勉強へとつながります。
理解するために、問題を解くために必要だと感じたことを言葉にして書いていくことで、ノートへの愛着が生まれ、書くことが楽しくなっていくはずです。そして、学びも能動的なものに変わっていくはずです。
だからこそ、あなた自身の言葉で、どんどんメモを書いていってください。
「問題復習ノート」は自分専用の参考書・問題集となる
「問題復習ノート」は、自分の苦手だけが書いてあり、それに対してどう解けばよいのか解説も書いてあります。ここにある問題をマスターすれば、成績は上がる、というノートになります。このノートは、市販の教材にはない価値を持った、あなた専用の参考書であり、問題集でもあるのです。
まずは、定期テスト前、問題演習の見直しからスタートしてもいいと思います。受験生は、週末や長期休みなど少しまとまった時間がとれる時に、模擬試験や過去問などの間違えた問題を見直すノートを作るのもおすすめです。
あなたにしか作れない「問題復習ノート」を完成させてくださいね。
著者:太田あや
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