成績アップに役立つ「問題復習ノート」の作り方2「くろ色以外は、あと2色」

間違えた問題をしっかり見直すことで成績アップを図る「問題復習ノート」の作り方を紹介する2回目は、ポイント2「くろ以外は、あと2色」について。ノートの色づかいについてお話ししていきたいと思います。

ノートで使う色は3色以内にする

色ペンはなんのために使うのか。それは、重要な部分を目立たせるため。そのため、シャープペンやえんぴつの黒色以外は、あとは、赤色や青色など2色で十分だと考えています。

ノートを書く際、色ペンを使っている人は多いと思います。色ペンは、書く行為を楽しくし、また、ノートの見た目を華やかにしてくれます。そのため、「きれいなノートを書きたい」という気持ちが強い人ほど、色をたくさん使ってしまう傾向にあります。
でも、ここで少し考えてほしいのです。
「きれいなノート」は、本当に成績が上がるノートなのか。
色数を多くし、見た目のきれいさだけを求めたノートは、見直してみると、どこがどれくらい大切なのかわかりづらくなっていることがあります。また、書く際に、ペンを持ち変えることで時間のロスが生まれ、次はどの色にしようかと考えることで勉強への集中を欠いてしまうこともあります。

前回、ノートは、自分のために目的を持って書いてほしいと言いましたが、「きれいなノートを書きたい」を最優先してしまうと、本来目的としている「成績をあげたい」を叶えるノートにはならないということが往々にしてあります。
「問題復習ノート」は、もう一度同じ(似ている)問題に出合ったときにしっかり解けるようになるために書くノートです。きれいさにこだわるあまり、目的のために書くことがおろそかになってはいけません。

色ペンを使うときはルールを決める

色数を3色にし、中身が充実したノートにするためには、使い方にルールを決めることが大切です。
たとえば、黒色以外に、赤色、青色を使う場合。黒色で問題やその答え、解き方などベースとなる部分を書く。赤色では、一番重要なポイントや忘れたくない知識などを書く。そして、青色では、まあまあ重要なことを書く。

このようにルールを決めることで、書く際に色で迷ったりすることがなく、また、見直したときにどこが大事なのかが一目でわかるノートになります。

色ペンが2色では足りないという人もいると思います。ただ、大切な部分を目立たせるには、黒だけでも十分にできます。
筆圧を変えて色の濃さを変えたり、二重線や波線を引いたり、また、囲みを加えることでも、大事な部分を目立たせることができます。
また、マークを使うこともおすすめです。
重要な部分には「!」、テストに出そうな部分は「☆」、そして理解が不十分な部分には「?」をつけることで、重要度だけでなく、見直しの際に何をすべきかがわかるノートにすることもできます。
見直しは、「?」マークを中心に繰り返し、テスト前は、赤ペンや「!」、「☆」マークを中心に押さえていくことで効率的に学びを進めることができます。

東大生は小ぶりなペンケース派が多い

以前、東大医学部の学生さんを取材したとき。彼女には、小学校時代のノートを見せてもらっていたのですが、低学年では、とてもカラフルなノートだったのが、高学年になると、えんぴつと赤ペンだけのシンプルなノートになっていました。「どうして色を使わなくなったの?」と理由を尋ねると「4年生のころ、<色をたくさん使って書く>という労力に見合うだけの知識が得られているのか疑問に思ったんです。そのときに知識を得るには色はいらないと感じ、赤だけにしました」
この答えを聞いたとき、小4で既に、ノートを書く意味を考えることができるとは、なんて早熟なんだろうと驚いたのを覚えています。

余談ですが、たくさんの東大生を取材したなかで共通していたことは、ペンケースが小ぶりだということ。シャープペン1本、色ペン1、2本、消しゴム、定規のみがギリギリ入るくらいのペンケースを利用している人がほとんどでした。

彼らのノートは、黒1色や、差し色程度に色が使われているだけといった一見地味なものが多かったです。筆記具はシンプルに、書くことに集中し、重要な部分だけを目立たせたメリハリのある内容にする。それが、東大式ノートでもあります。
みなさんもぜひ、色を使う場合には、本当にその色は必要なのか、自分の目的に合った色使いなのかを考えてみてくださいね。

著者:太田あや

プロフィール


太田あや

フリーライター。株式会社ベネッセコーポレーションで進研ゼミの編集に携わったあと、フリーランスに。教育分野を中心に執筆・講演活動を行なっている。『東大合格生のノートはかならず美しい』(文藝春秋)シリーズは、累計50万部突破のベストセラーに。ほかに『非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと』(小学館)などがある。

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