「クレジットカードも作れるって平気!?」満18歳=成人時代。保護者が子どもに伝えるべきこととは?
2022年4月1日に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、18歳になるとさまざまな契約を自分の意思で行うことができるようになりました。
クレジットカードが作れたり、ローンが組めたり、賃貸契約が結べたりと、大人としてできることが広がる一方で、「我が子が何かお金のトラブルに巻き込まれたりしないかしら……」と心配になる保護者のかたもいらっしゃるでしょう。
今回は、お子さまが後悔しないように、18歳になる前に伝えておきたいことを3つご紹介します。
伝えたいこと1.クレジットカードの利用は慎重に!
18歳になるとクレジットカードが作れるようになります。
「一般社団法人 日本クレジット協会」の令和4年度の調査報告によると、18歳~25歳の男女でクレジットカードを最初に持った年齢は以下のグラフのとおりです。
出典:一般社団法人 日本クレジット協会のサイトより作成
18歳が28%、19歳が21%となっており、成年年齢の引き下げにより、20歳未満のうちにクレジットカードを持つ割合は約半数です。この割合を見ると、お子さまがクレジットカードを持つのも遠い日ではないかもしれませんね。
現金を持たずに買い物ができ、ネットショッピングでも便利なクレジットカードですが、慣れないうちはお金を支払っている感覚が薄くなり、つい使いすぎてしまうことも……。
まずは、お子さまにクレジットカードの仕組みや特徴を伝えるところから始めましょう。
クレジットカードの支払いが滞ると、遅延損害金がかかったり信用情報機関に滞納の履歴が残ったりするリスクがあります。
滞納の履歴は、クレジットカードの新規発行や住宅ローン・自動車ローン契約の審査に影響が出る可能性があるため注意が必要です。クレジットカードの利用は、慎重に行うよう伝えましょう。
成年になりたての18歳には、クレジットカードよりデビットカードのほうがおすすめです。銀行口座を紐づけることで、カードで支払いをするとすぐに銀行口座からお金が引き落とされるデビットカード。
現金がなくてもお買い物ができ、ポイント付与もある点はクレジットカードと同じですが、銀行口座の残高以上の買い物はできないため、「使いすぎて支払いができない……」という事態は阻止することができます。
伝えたいこと2.高額な契約はその場で判断せず持ち帰って相談する
エステティックサロンや脱毛サロン、高額商品購入の際のローン契約など、18歳になると大きなお金が動く契約も自分の意思で行えます。
未成年であれば、保護者のかたの同意なく締結した契約は、民法で定められた「未成年者取消権」によって契約を取り消すことができますが、成年に達した18歳からは未成年者取消権は行使できません。
クーリング・オフ(契約書面を受け取ってから8日以内なら契約が解除できる制度)もありますが、すべてにおいて有効なわけではないため、高額な契約は特に契約書を隅から隅まで読んで、じっくり考えて判断することが大切です。
「今この場で契約したらこんなメリットが……」という甘い言葉をささやかれることもあるかもしれませんが、高額な契約はその場で判断せず、持ち帰って相談してほしいと伝えておきましょう。
伝えたいこと3.うますぎる話は鵜吞(うの)みにしない
自分の判断で契約ができるようになる18歳以降の若者は、契約に関する知識や経験がまだまだ乏しいこともあり、悪徳業者に狙われやすい年代といえるでしょう。
たとえば……
「先輩から絶対にもうかる投資話があると誘われて、投資情報の入ったUSBの購入をすすめられた。高額なので断ると借金して買うように言われる。言われたとおりに投資をしてももうからず、その後『人を紹介すればマージンが入る』と言われた」
「マッチングアプリで知り合い、好意を抱いた相手と会ってみたら、ブランドの展示即売会に案内され、高額商品をローンで購入してしまった」
「月々2,000円で全身脱毛が受け放題といううたい文句の脱毛サロンに行くと、実際は契約期間が決まっており料金もいろいろ加算され高額に……。一度断ってもローンをすすめられ、断り切れず契約してしまった」
「絶対にもうかる」「今だけ無料」「あなただけに教える」など、巧みな言葉でだまそうとしてくる人も世の中にはいるため、お子さまには「うますぎる話は鵜呑みにせず、よく考え安易に契約しないこと」と伝えてあげましょう。
まとめ & 実践 TIPS
成年年齢が引き下げられると、18歳でも事例のようなトラブルにあう恐れがあります。相手にそそのかされて借金をしたとしても、借金そのものがなくなるわけではありません。安易にクレジット契約やローン契約をしないこと、金融機関からお金を借りてでも契約をすすめてくる相手には関わらないことを家庭内で確認しましょう。
それでもトラブルにあってしまった時は、第三者に相談するのも有効です。日頃から家庭内で何でも相談できる信頼関係を築き、お住まいの消費生活センターなど相談できる公的機関を確認しておきましょう。
▼全国共通電話番号 消費者ホットライン「188」
トラブルにあった際に電話すると、お住まいの地方公共団体が設置している消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます。
▼独立行政法人 国民生活センター
さまざまな相談内容や解決策が載っており、最寄りの消費生活センター等を検索することも可能です。
https://www.kokusen.go.jp/index.html