成績アップ!勉強ノートの作り方と書き方の注意点は?東大式ノート術も紹介

以前、東大生の実際のノートの書き方を紹介した書籍が、受験生の間でも大きな話題になりました。授業の板書をノートに写すことを考えてみても、ただ書き写しているだけの人と、工夫してまとめている人では、授業の理解度に差が出るようです。
自分のノートの作り方を見直すことは、効率よく勉強し、成績アップを実現することにつながります。

まずは成績が優秀な人のノート術をチェックすることから始めて、自分の勉強法を見直してみましょう。

この記事のポイント

自分なりの勉強ノート術を探すことは、知識を活用することにつながる

東大生に代表されるような成績が優秀な人は、自分が見直した時にわかるように工夫されたノートを作っているという共通点があります(※1)。偏差値の高い難関大学に合格するための知識や解法を定着させるためには、ただ教科書や板書をそのまま書き写すだけの勉強では太刀打ちできません。

情報を整理し、学習内容が身につきやすいようにノートの作り方を工夫することは、効率よく知識を定着させるだけでなく、知識を活用して考える力も育みます。自分なりに試行錯誤して編み出したノート術は、大学に進学し社会人になってからも、職場や生活の中など、さまざまなシーンで役立つ力になるでしょう。

成績が優秀な人のノート術には効率的な学習法のヒントが詰まっています。「復習しやすいように」「苦手を克服したい」など、ノートに目的を持たせることを意識するだけでも、勉強の効率を上げることができるはずです。

まずは、勉強に役立つ次の3つのノート術をチェックして、自分なりの必勝法を身につけていきましょう。

・授業内容を記憶に残りやすくするノートのとり方
・見返しやすい、情報が整理されたノートにするコツ6選
・実力アップにつながる「苦手ノート」の作り方

※1
ベネッセ教育情報サイト『東大合格生のノートはかならず美しい』太田あや著(文藝春秋)
https://benesse.jp/kyouiku/200812/20081218-6.html

授業内容を記憶に残りやすくするノートのとり方

勉強するためのノートには、「授業でとるノート」と「自宅で作るノート」の2種類があります。まず、授業中のノートのとり方から考えてみましょう。

先生の板書をノートに書き写す時に重要なのは、そのノートは復習に使う前提であると意識することです。読み返した時に自分が理解しやすい形で、要点がよくわかるようにまとめられているかを考えてみましょう。

授業でノートをとる時、板書をただ写しているだけではあまり記憶に残りません。多くの東大生が「読み返した時に授業の記憶がよみがえってくるように」とも言っているように、ひと工夫することで、ぐっと記憶に残りやすくなります。

そのためには、先生の話を聞き板書を写しながら、面白いと思ったこと、気づいたこと、疑問に思ったことなども、ノートに書いておくのがおすすめです。
楽しかった思い出がいつまでも記憶に残るように、脳科学的にも感情と結びついた情報は記憶に残りやすいと言われています。授業を聞きながら感じたこともノートに書いておくと、見返した時に思い出しやすくなるのです。

見返しやすい、情報が整理されたノートにするコツ6選

授業を受けながら復習に使いやすいノートを作るには、情報が整理されたノートにすることも大切です。次のような点を心がけていきましょう。

①文字の大きさや行間を揃える

文字の大きさや行間がバラバラではあとから読み返しづらくなってしまいます。基本的な文字の大きさや、大事なポイントを書く際の文字の大きさ、行間は揃えるようにしましょう。

②見出しの書き方のルールを作る

章立てが一目でわかりやすいノートは、どこに何が書かれているかを振り返りやすいものです。そのため、見出しの書き方にルールを作ることをおすすめします。試しやすいのは、大見出し、小見出し、本文を一文字ずつずらして揃える方法です。文字の頭を揃えるだけで、ぐっと見やすいノートになりますよ。

③余白を作る

東大生のノート術でよく取り上げられるのが、ノートに余白を作っておくことです。ノートのページいっぱいにびっしりと書いてしまうと見にくいのはもちろん、ぱっと見た時にポイントがわかりにくくなってしまいます。

余白を残しておくと、復習する時に追加の知識や自分の気づきなどを書くこともできるので、理解を深めることにも役立ちます。あえて、罫線のないコピー用紙などの真っ白な紙でノートを作っている人もいるほどです。つまりノートの種類は、自分の好みや視覚効果に合わせて選んで構いません。ただしひと目でわかりやすいノートにするために、余白を意識してノートを作ってみましょう。

④色を多くしすぎない

情報をわかりやすくするには、カラーペンで色分けしたり、何色かの付箋(ふせん)を使い分けたりすると効果的です。ただし、使う色が多すぎて大事な部分がわかりづらくなってしまったり、ノートに時間をかけすぎて勉強時間が足りなくなったりするのは、本末転倒になってしまうため要注意。色を多くしすぎず、シンプルにまとめることを心がけましょう。

⑤間違いは消さない

問題演習で間違えた場合は、消さずにそのまま残しておきましょう。なぜなら、間違えた部分というのは、自分の苦手部分やつまずきの芽であるためです。
そのため、それらを振り返ることで、苦手を克服していくことができます。どこで間違えたのかをそのまま残し、なぜ間違えたか、どう考えるべきだったかのコメントを残しておけば、自分だけの苦手克服ノートにしていくことができるはずです。

⑥「気づき」をメモする

「勉強する中で感じたこと、大事だと思ったことを自分の言葉で書き足していくことで、学びが能動的なものに変わっていく」と『東大合格生のノートはかならず美しい』の著者太田あやさんは言っています。「ケアレスミスしやすいから問題文をよく読むこと」など、気づいたことをどんどん書き足していけば、自分の苦手に特化したメモが詰まったノートになるでしょう。

成績アップに役立つ「問題復習ノート」の作り方 5「きづきをメモする」

実力アップにつながる「苦手ノート」の作り方

「自宅で作るノート」は「苦手ノート」を作るのがおすすめです。自分で勉強している時に、覚えきれていない英単語や、間違えてしまった問題など、苦手意識のあるものをピックアップして残しておくノートを作っていたという東大生も多いようです。

成績が伸びた生徒は「テストで間違えた問題をやり直す」「何がわかっていないか確かめながら勉強する」など、「自分はどこができて、どこができないのか」を客観的に見ながら勉強している人が多いということがベネッセ教育総合研究所の調査・分析でわかっています(※2)。

できないところ、間違えたところを振り分けて、できるようになるまで取り組むことが成績の伸びる効率的な学習法と言われています。効率よく成績を上げたいという人は、このような「苦手ノート」を用意して復習するのも一つの方法になるでしょう。

※2 同じ高校生を3年間追跡 「メタ認知」が成績上昇に効果|株式会社ベネッセホールディングスプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000723.000000120.html

勉強用のノート選びの4つのポイント

学校の授業で使うノートは指定されていることが多いですが、勉強用のノートは、自分で選ぶこととなります。学習の効果が高まるノート選びのポイントは次の4点。書きやすさや見やすさ、使用シーンを踏まえ、選んでいきましょう。

書くときに手が当たりにくい背表紙が糊づけされたノート

ノートは書きやすさが何よりも重要です。リングノートなどだと、書くときにリング部分に手が当たって書きにくいこともあるため注意しましょう。
オススメは、針金や糸で製本されていて、背表紙が糊づけされているタイプのもの。ノートの綴じの部分に手が当たらず、ストレスなく書き進めることができるでしょう。また、左右のページをまたいで見開きで使うこともできます。

「書きやすさでいえばルーズリーフでもいいのでは?」と考えるお子さまもいらっしゃると思いますが、綴じていないとバラバラになりやすかったり、紛失の可能性も高まったりするため避けるようにしましょう。

罫線や方眼が入ったノート

きれいに書くには、罫線や方眼が入ったノートがオススメ。白紙のノートだとどうしても文字がズレたり、大きさがバラバラになったりしてしまうものです。

罫線が入ったノートは2種類。A罫は7mmでゆとりがあり、B罫は6mmと細い分、A罫よりも行数が多いのが特徴です。小学生で小さな字を書くのが難しい場合はA罫が良いでしょう。算数・数学など演習問題をしっかり行いたい場合は、行数の多いB罫もおすすめです。

また、算数・数学や理科などで、図表を書くことが多い場合は方眼ノートを選ぶのも良いでしょう。なお、罫線、方眼いずれの場合も、線自体の色は濃すぎないものを選ぶようにしましょう。線が濃いと、色ペンや蛍光ペンなどで目立たせたい部分も埋もれてわかりづくなってしまう可能性があります。

B5を基本に用途に合わせてサイズを選ぶ

ノートのサイズは、学校の授業ノートで使われることの多いB5が基本です。ただし、使用シーンによっては、別のサイズを選ぶのもいいでしょう。
たとえば、社会で歴史の流れなどを整理していきたい場合は、スペースが広く使ってまとめやすいA4サイズを使用するのも手です。

また、通学時間やスキマ時間に単語の確認などに使う暗記ノートを作るなら、コンパクトで持ち運びやすいA5サイズにするのもよいでしょう。

キャラクターなどの入っていないシンプルなもの

ノートを選ぶ際に、好きなキャラクターのついたものを使いたがるお子さまも多いでしょう。好きなキャラクターがついていると、気分があがり、勉強へのモチベーションも高まるかもしれません。しかし、キャラクターが気になって集中しづらいというデメリットもあるため、キャラクターの入っていないシンプルなものを選ぶようにしましょう。

おすすめ勉強ノートの作り方

ノートは、目的別に作ることが効果を高めるポイント。6つの目的別のノートと作り方のポイントを紹介します。

①授業ノート

授業中に使う授業ノートは、科目別に準備し、科目名と通し番号、使い始めと使い終わりの日付を書いておくようにしましょう。そうすると、あとから必要なページを探しやすくなります。
ノート作成のポイントは、板書だけでなく、自分の気づきや疑問点、注意点も余白に書き込んでいくこと。そうすることで、記憶に定着させやすくしたり、振り返りしすくしたりすることができます。
また、より授業理解を深めたい中学生なら授業の前に「予習ノート」を作るのもよいでしょう。わからない単語や用語を調べておいたり、教科書の例題に取り組んでおくことで、授業の聞きどころがわかり、集中して授業を受けることができるようになるはずです。

※ 授業ノートの作り方の参考記事
定期テスト前に役立つ「授業ノート」の取り方
https://benesse.jp/kyouiku/201605/20160519-2.html

②復習ノート

学んだことを定着させ、成績UPさせるためには、復習が欠かせません。そのため、復習専用のノートを作ることもおすすめです。科目別に問題集やテストで間違えた問題を解き直したり、まとめ直したりすると良いでしょう。間違えたものは、自分の苦手やつまずきポイントであるため、それらを洗い出していくことで、効率よく苦手克服に役立てていけるはずです。

復習ノート作成のポイントは、次の3点です。

・ノートをラインで区切り、解き方と解き方のポイントをわけて整理する
・間違いを消さずに残しておく
・「ここがひっかけ」「この公式に注意」など自分の気づきもメモしておく

※ 復習ノートの作り方の参考記事
成績UPに効く復習のやり方とは?おすすめ復習法と学年別や教科別ポイントを解説!
https://benesse.jp/kyouiku/202105/20210521-1.html#art-ttl05

③東大ノート

東大クイズ王・伊沢拓司さんらによるノートメソッドもおすすめです。授業で学んだことをしっかり思い出し忘れないことを目的として、次の5原則を定めています。

1.「授業用ノート」を中心に、目的に合わせてノートを増やす
2.美しい文字を書く必要はなし!
3.ノートの色数は「見やすさ」を最優先に!
4.手書きの必要がないものはコピーを活用!
5.ぎっしり埋めず、ノートの余白を活用!

※ 東大ノートの参考記事
東大王のクイズ軍団が、自身のノートを公開! 超効率的な東大ノート法とは?
https://benesse.jp/kyouiku/202105/20210531-1.html

④暗記ノート

英単語や古文単語、歴史の用語など、知識事項の暗記には、暗記ノートを作るのがおすすめです。ノートをラインで区切って、単語、意味、例文をまとめていきましょう。

また、暗記事項をまとめるだけでは不十分。まとめたものを眺めるだけでなく、ノートの余白に書くなどアウトプットすることを意識しましょう。さらに、繰り返し確認し、暗記できていなかったものは都度チェックを入れていくことで、覚えにくいものがあぶり出されてくるはずです。

※ 暗記ノートの参考記事
先輩を勝利に導いた「合格する」効果的な暗記方法ランキング
https://benesse.jp/kyouiku/201902/20190217-1.html

⑤テスト対策ノート

テスト対策のためのノートは2種類あります。テスト範囲の単元・分野に関して、基礎を理解できていない場合や、苦手科目の場合は、該当分野のまとめノートを作るのがおすすめです。ノートを整理していく中で、あいまいだった知識や理解が補強されていくでしょう。

基礎が理解できている場合は、問題演習ノートを作成していきましょう。問題演習を1つのノートに取り組むことで、間違えた問題の振り返りがしやすくなります。

※ テスト対策ノートの参考記事
【定期テスト対策】あなたはどちらのタイプ?「まとめノート」をつくる派、つくらない派
https://benesse.jp/kyouiku/201511/20151118-2.html

⑥ふせん勉強術

ノートではなく、ふせんを使った勉強術もおすすめです。簡単に貼ってはがせるメリットを用いて、やる気を引き出し、ゲーム性取り入れながら楽しく暗記していきましょう。

たとえば、ふせんの表に暗記したい内容の問題、裏に答えを書いてドアに貼り、ドアを通るたびに確認、覚えるまでドアを通れないといったルールにしても楽しいでしょう。よく間違える問題は、ふせんの内容をノートにまとめ直せば定着をはかっていけるでしょう。

※ ふせん勉強術の参考記事
「東大式ふせん勉強法」で、子どもが勉強好きになる?! 子どものやる気を引き出す、ふせんを使った6つの勉強法とは?
https://benesse.jp/kyouiku/202105/20210529-2.html

まとめ & 実践 TIPS

成績UPには、ノートの作り方がカギを握ります。ドリルや問題演習にどれだけ取り組んでも成績があがらない……というケースは、ノートの作り方に根本原因があったということも少なくありません。ノートは目的を定め、目的に応じた工夫をしていくのがポイント。今回ご紹介した内容を参考に、お子さまと一緒にノートの作り方を振り返り、これからのノート作成の計画に生かしていってみてください。

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