「犬」と「太」を間違える!? 漢字の得意・不得意の分かれ道は?

学校でも宿題に出されることの多い、漢字の学習。基本的な漢字の読み書きは、すべての学びの土台となるものです。でも、大切なのはわかっていても、ちょっと苦手なお子さまも……。そこで、進研ゼミサポーターの方々に、お子さまの漢字学習について伺ってみました。

ほぼ満点でも「漢字を覚えるのは得意ではない」

まず、お子さまは漢字が得意かどうかについて伺いました。

結果は「とても得意」「まあ得意」というお子さまが、合わせて57%と過半数でした。

<とても得意、まあ得意>
●コツコツと繰り返すことに抵抗がないから、漢字の練習が苦にならないようです(小2・女子)
●漢字ドリルが何回も宿題に出て嫌でも覚えることにより、小テストがいつも100点なので、自分はできるんだと自信につながっている(小1・男子)
●文字や言葉に興味を持っているため(小4・女子)
●宿題で毎日漢字ドリルがあり、嫌がらずに、いつも取り組むのが早いし、小テストも満点が多いから(小5・男子)
●テスト前に、きちんと勉強をしていくので、学校のテストでは漢字のテストはほぼ満点です。でも、漢字を覚えるのはあまり得意ではなく、繰り返し書く練習をしています(小6・男子)

<あまり得意ではない、まったく得意ではない>
●細かいところが覚えられない。たとえば「犬」と「太」など似た漢字をよく間違える(小3・男子)
●字が荒く、書き順も間違いが多く、しっかりと書けない(小3・男子)
●漢字練習はあまり好きではないので、学校の宿題でしかやらない。学校の小テストは満点を取れるが、チャレンジ等に、少し前に習った漢字が出てくると書けなかったりする(小5・女子)
●宿題を提出すると必ず1つ2つ直される(小3・女子)
●読めるが、書くのはうろ覚えのものが多く、苦手。書き順もめちゃくちゃ(小4・女子)

小学生のうちから漢字が得意だと、その後の学習の自信にもつながりますよね。一方で漢字が苦手なお子さまは、保護者にとって気になるところ。まずは書くことに抵抗をなくすために、文字を丁寧に書くということから、始めてみてもよいのかもしれません。

漢字は得意でも「書き順」は苦手

漢字を習う時に、つきものなのが漢字の「書き順」。このとおりに書けば字も整いますし、書きやすいはずなのですが、なかなか覚えられないお子さまもいるようです。

●漢字自体は嫌いではないと思う。適当ではあるが、書いているので。ただ、習ったものでも、書き順や字体がまったくダメ(小1・男子)

読書好きから「送りがな」が得意に

漢字を習い進むと必要になってくる、「送りがな」についても聞きました。
ここでは、「とても得意」「まあ得意」が64%に上りました。サポーターのかたの中には、「本が好きで、漢字が読めるようになった」という声が多数ありましたが、読書好きのお子さまは、たとえ漢字ひと文字ひと文字が読めなくても、前後の文脈で送りがなが理解できるのかもしれません。

パソコン頼りで保護者は漢字離れ。でも子どもには……

今はパソコンなどで打ち込めば、すぐに漢字変換される時代ですが、そもそも保護者のかたは、お子さまは漢字が得意なほうがよいと思っているのでしょうか?

8割近い保護者のかたが「とてもそう思う」と答え、「まあ思う」と合わせて100%でした。アンケートに回答した保護者のかたすべてが、漢字はできたほうがよいと思っているようです。その理由を伺いました。

●わからない漢字があっても検索したらすぐに出てくる現代だが、今のうちに覚えておかないとどれが正しい漢字なのかさえ判別がつかなくなりそうな危機感を覚えているため。漢字ができないと国語だけでなく、他の教科でも理解できなかったり、回答できなかったりと、困ることが出てくるため(小6・男子)
●漢字は大人になってからもずっと必要になりますし、たくさん覚えたからといって損することはありません(小1・男子)
●自分もそうですが、パソコンを使用するようになると書くことから離れてしまいます。子どものうちに漢字に慣れ親しんでおいてほしいと強く思っているからです(小6・女子)
●漢字だけではなく、他の教科も興味を持って学習する自信になると思うから(小1・女子)

国語だけでなく、他の教科にも影響することもあり、漢字学習は多くの保護者のかたが大切だと思っているようです。

大げさな「花マル」で漢字好きに

さて、それでは漢字が得意だというお子さまが、自宅でどのように勉強しているかについてもお聞きしました。

●漢字ノートやテストで間違えたところは何度も書き直す。宿題の漢字ノートは、書き終わったら簡単に添削してから、宿題終わりとしています(小2・男子)
●一緒に漢和辞典を引いて、興味がありそうな熟語や簡単な熟語を見つけてもらう(小3・男子)
●子どもが宿題やチャレンジなどを済ませたら、必ずチェックする(小1・女子)
●見直しをする。読むのは得意だが書くのが下手なので、とめはねや、出る出ないなどきれいに正しく書けるように声掛けしている(小1・男子)

漢字の学習をより効果的にするために、保護者のかたがどのように工夫されているか、ご紹介しましょう。

●漢字を間違わずにできたら、「よくできました」のスタンプや大げさなくらいの花マルをつけて、とても褒める(小2・女子)
●読み聞かせをしたり、家で本を手に取りやすい環境にしたりすることを心がけてきただけですが、書き取りテストはいつもほぼ満点です(小6・女子)
●学校やチャレンジの課題で間違えた漢字は、練習帳の頭に赤字で見本を書き、その下に子どもが練習で2行書くスタイルです。二字熟語で使えるように書きます。書き順がわからなくなれば辞書を引くよう声をかけます(小3・女子)
●漢字用のノートを作りました。書き順や読みの同じ漢字などを書くようにしました(小3・男子)

漢字学習を進めるうえで大切なのは、まずはお子さまが興味を持ち、楽しく学べるような仕掛けを作ること。漢字を得意にし、お子さまの豊かな知的好奇心を育むきっかけにしてはいかがでしょうか。

【アンケートについて】
■調査地域:全国
■調査対象:小学1~6年生のお子さまをお持ちの進研ゼミサポーターのかた
■調査期間:2016年10月25日~2016年11月6日
■有効回答数: 240名
進研ゼミサポーター
http://supporter.benesse.co.jp/

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