子どもの勉強、どれくらい見ていますか?

アンケート期間 2012/01/25~2012/01/26 回答者数:2,610人
アンケート対象:本サイトメンバー 小学生の子どもを持つ保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある

しっかり勉強しているか、宿題は解けているかなど、お子さまの学習の様子は保護者としては気になるところ。ご家庭で勉強を見てあげるかたも多いのではないでしょうか。今回は、小学生のお子さまをお持ちの保護者に、お子さまと一緒に勉強する頻度や、その際のトラブル、困っていることなどを伺いました。
なお、今回ご協力いただいた保護者のうち、仕事をされているかたは約57%。就業形態はフルタイム、パートタイムなどさまざまでした。



「週4日以上」子どもの勉強・宿題を見る保護者が40%を超える!

最初に、保護者が1週間にどれくらいの頻度でお子さまの勉強や宿題を見ているか、そのときどのようにかかわっているかを伺いました。

【図1 お子さまの勉強や宿題を見る日は週にどのくらいありますか?】

図1 お子さまの勉強や宿題を見る日は週にどのくらいありますか?


【図2 勉強や宿題を見るとき、どのようなかかわりかたが多いですか? あてはまるものすべてお選びください】

図2 勉強や宿題を見るとき、どのようなかかわりかたが多いですか? あてはまるものすべてお選びください


保護者が1週間に子どもの勉強や宿題を見る頻度は、「5日」と答えるかたが最も多く、全体の16.8%(図1参照)。「7日」、つまり「毎日見る」というかたも14.3%いらっしゃいました。週の過半数である4日以上見るかたが43.1%と半数近くを占めていますが、「0日」というかたも13.8%と、8人に1人以上の割合でした。
1回あたりの時間は、「0~15分未満」が約45%で最も割合が高く、「15~30分未満」が約30%で続きました。
また、お子さまの勉強や宿題に対する保護者のかかわりかたは、「わからないところを教える」が最も多く、70%に迫っています(図2参照)。次いで、「宿題などで親のチェックが必要なものにかかわる」が約50%、「丸つけや答え合わせをする」が約46%でした。



子どもの勉強や宿題に「もっとかかわりたい」という保護者は半数以上!

では保護者は、お子さまの勉強や宿題に対するご自身のかかわりかたに満足しているでしょうか。

ご自身がお子さまの勉強や宿題を見る時間や内容について、保護者の満足度を伺ったところ、「足りていると思う」というかたは48%、「足りていないと思う」というかたは52%と、不満に感じる保護者のほうがわずかに多くなりました。
次に、「足りていると思う」保護者、「足りていないと思う」保護者、それぞれの声をご紹介します。

☆「足りていると思う」保護者の声
●子どもが学校に行っている間にできるだけ家事を済ませてしまい、子どもの勉強を見る時間をたっぷりとる工夫をしています。わからない問題をただ教えるのではなく、一緒に考えるようにしています
●勉強も宿題も、あくまでも子どもが自分ですべきもの。親がかかわり過ぎると、かえって子どもの学力を伸ばせないのではないかと思い、わたしは質問されたら答えるくらいにとどめています
●子どもには自主的に取り組んでほしいので、親のチェックが必要なときや、「わからない」と言われたとき以外は、子どもに任せています

☆「足りていないと思う」保護者の声
●わたしはもっと見てあげたいのですが、家事に追われて思うように時間がとれませんし、子どももわたしに勉強を見られるのを嫌がります
●下の子どもがまだ小さく、目が離せないので、上の子どもの勉強を見てあげる時間を思うようにとれません
●仕事と家事で忙しく、ていねいに見てあげることがなかなかできません



「子どもの勉強や宿題は、できれば自分が見たい」という保護者多し!

続いて、できるなら十分に時間を使い、保護者ご自身がお子さまの勉強や宿題を見たいと思うかどうかを伺いました。

「できるなら十分に時間を使い、自分で子どもの勉強を見たいと思う」という保護者は、7割を超えました。そう思う理由として、次のような声が寄せられています。

●毎日勉強を見てあげることで、子どもの苦手なところを把握できるから
●どのような勉強をしているかを見れば学校生活の様子もわかるし、「こんな問題が解けるようになったんだ!」と、娘の成長を実感できるから
●塾に通わせていないこともあり、家庭でしっかり学習させたいから

一方、「十分に時間を使って自分で子どもの勉強を見たいとは思わない」という保護者からは、次のような声が挙がっています。

●勉強は自分のためにするもの。もちろん、親がかかわることは大切ですが、それよりも、子ども自身の努力のほうが重要だと思います
●わたしが教えたところで素直に聞かないし、「できない」「わからない」と言ってばかりいる姿を見ると腹が立つので、すべて塾にお任せしています



子どもの勉強や宿題を見てあげてよかったと思うのは、こんなこと!

次に、保護者がどのようなときに「子どもの勉強や宿題を見てあげてよかった」と感じるかを伺いました。

☆今まで「お子さまの勉強や宿題を見てよかった」と思ったことがあれば、具体的にどんなときに何を見たかを教えてください。
●それまでわからなかった問題が解けるようになったとき
●わたしが上の子どもと調べものをしたり、一緒に考えたりする姿を見て、下の子どもは「勉強は楽しそう」と思うようになったようです。自然と、勉強する習慣がつきました
●子どもに、計算ドリルや漢字ドリルに自分から進んで取り組む習慣がついたこと。毎日声をかけ、一緒に答え合わせをしたからこそだと思っています



保護者が勉強や宿題を見ることへの子どもの反応は?

では、保護者が勉強や宿題を見ることをお子さまはどう思っているでしょうか。保護者から見た印象を伺いました。

【図3 お子さまはあなたに勉強や宿題を見てほしいと思っているようですか?】

図3 お子さまはあなたに勉強や宿題を見てほしいと思っているようですか?


最も多かったのは、「子どもは、自分に勉強や宿題を見てほしいと思っているようだ」という保護者。全体の半数以上を占めています。お子さまのどのような言動から、保護者はそう感じるでしょうか。次に見てみましょう。

●わからないところがあればよく質問してきますし、「もう宿題しちゃったよ」などと報告してくれます
●よく「一緒に宿題しよう」と子どもから声をかけてきます。わたしがそばにいたほうが、生き生きと机に向かっていると思います

ところが、「子どもは、自分に勉強や宿題を見てほしいと思っていないようだ」という保護者も、4割を超えています。そうした保護者からは、次のような声が聞かれました。

●わたしが口を出すと、子どもは自分のペースで勉強できないようです
●見られていろいろ言われることが嫌なのか、子どもはわたしがいるリビングでは勉強せず、必ず自分の部屋で机に向かいます

また、保護者がお子さまの勉強を見ているとき、「子どもと言い争ったり、子どもが不機嫌になったりしたことがある」という保護者は6割を超えました。その具体的な様子を次にご紹介します。

●子どもが十分に考えをまとめていないうちに、わたしが説明してしまうと、怒ります。子どもにとっては、親の意見を押しつけられていると感じられるのかもしれません
●以前から、汚い字や間違った字を書き直させると、めんどうくさがって怒りましたが、最近は、字の間違いを指摘するだけで不機嫌になるようになりました
●わたしがいると甘えているのか、「解けない!」と駄々をこねたり、何度も間違えるとぐずったりします
●低学年のころと違って高学年の今は、わたしが子どもの連絡帳を見て宿題の有無や範囲をチェックしたり、授業で使っているノートを見たりすると、嫌がるようになりました

一方、「一緒に勉強していて、子どもと言い争ったり、子どもが不機嫌になったりしたことはない」という保護者からは、その理由としてこんな声が聞かれました。

●ポイントは、子どもが「わからない」と言うまで親は口を出さないこと。わたしは、質問されて初めて手を貸すようにしています。また、子どもが「自分で解けた」という達成感を得られるよう、答えを言うのではなく、解くためのヒントを出すようにしています
●なるべく黙って見ているようにしているから。考えている最中に横からいろいろ言われると、子どもに限らず大人だって良い気持ちはしません。わたしは、たとえば算数の文章問題で子どもが間違った式を立てても、そのときには指摘せず、解き終えてから「それで良いのかな?」と言うようにしています



子どもの勉強や宿題を見るうえで困ることがある保護者は、3人に1人!

最後に、お子さまの勉強や宿題を見るうえで困ることがあるかどうかを伺いました。どのようなことに困っているかも、お聞きしています。

【図4 お子さまの勉強や宿題を見ることについて、困っていますか?】

図4 お子さまの勉強や宿題を見ることについて、困っていますか?


結果は、「子どもの勉強や宿題を見るうえで困っていることはない」という保護者が6割以上になりました。

●小学校の学習内容なら、まだ十分に教えられるから
●子どもは自分できちんと勉強しているし、わからなければ質問しにくるから

困っていない理由として、上記のような声が目立ちます。
もっとも、「子どもの勉強や宿題を見るうえで困っていることがある」という保護者の割合も、3人に1人以上と少なくありません。困っている理由として、次のような声が寄せられています。

●どう教えたらよいかがわからないときがあるため。子どもに質問されれば教えてあげようと思うのですが、わたしの教えかたが先生の教えかたと違うのではないかということが、特に気がかりです
●うちの子は、わたしが勉強を見るのをとても嫌がります。そもそも、勉強自体が好きではないようです
●下の子どもの世話をするのに忙しく、上の子どもの勉強を見る時間がないこと。質問されても、思うようにていねいに答えてあげられません


多くの保護者が、お子さまの勉強や宿題を見てあげていました。仕事や家事に忙しい中、工夫して時間をつくっている保護者の様子からは、我が子の学習に対する関心がいかに高いかがうかがえます。思うように時間がとれず、「もっと見てあげたい」と感じている保護者も少なくありませんでした。
ただ、保護者が一緒に勉強しているとき、お子さまと言い争いをしたり、お子さまが不機嫌になったりするケースが見られました。保護者が熱心に教えようとするあまり、お子さまにとっては自分のペースで勉強できなくなってしまうこともあるようです。
お子さまと楽しく、うまく勉強するコツとしては、「親は余計な口を出さず、質問されたら答えること」を挙げる保護者が目立ちました。お子さまの自主性を尊重しながら、学習をサポートしていきたいものですね。


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