1年生の漢字 家庭学習を始めるときに大切なこと 興味や関心を持って学んでいくためには
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入学したら、最初はひらがな、カタカナの学習からですが、そのうち漢字の学習も始まります。漢字を習い始める時期は、学校によって違いはありますが、どの学校でも2学期には学習が始まります。
子供が漢字のおもしろさを知り、今後、楽しく学習していくためにはどのように「漢字」にふれていくのがよいのでしょうか。
(赤ペン先生 吉田)
漢字は難しい、覚えるのが大変というイメージがある?
漢字について、もしかすると、習う前から「漢字は難しい」「覚えるのが大変」というイメージをもってしまっているお子さまも少なくないかもしれません。「漢字=難しい」という固定観念が私達のどこかにあるような気がします。漢字には意味があります。ひらがなで「はな」と書いても「花」なのか「鼻」なのかわかりませんが、漢字で書くと一目でわかります。このように漢字は表意性が高く便利なものでもあります。
子供が漢字は面白いと思いながら学んでいくためには、どのように「漢字」にふれていくのがよいのでしょうか?
文字としてではなく絵として興味をもたせる
私が子供の頃、「父」という漢字の最初の2画は「お父さんのひげ」だと教えてもらいました。成り立ちとしては、「手にムチやおのをもっている形」を意味するようですが、この字を書くたびに「ひげ」が浮かんできておもしろかった記憶が今でもあります。
このように字形から具体的な絵や事柄に結びつけると、おもしろくて興味が湧いてきます。1年生で習う「山・川・木・日・月」なども象形文字です。象形文字をおもしろく解説した絵本もあるようですので、イラストを見て何という漢字かを当てたりするなど、クイズやゲーム感覚で漢字にふれられると楽しさを感じ、漢字に親しみやすくなるのではないでしょうか。
子供の興味・関心を生かす
わが家の娘は、小学生のとき、当時大人気だった女性アイドルグループが好きで、そのメンバーの名前を漢字で書くことが楽しく、また、漢字で書けることが嬉しくてしかたがなかったようでした。その名前で使われている漢字を、学校で習う漢字の熟語の中に見つけると、「こんなところにも使われているんだ」と興味が湧き、大の勉強嫌いではありましたが、その熟語も覚えられたようでした。
そこで、お子さまが好きでよく開く本を、お子さまと一緒に読むことをお勧めします。絵本や児童書でなくてもかまいません。漢字が入っている本であれば、図鑑でもゲームの本でもよいです。そこに出てくる漢字の中で、お子さまの興味のあることに関係する漢字があったら、「この漢字は○○のすきな『カブト虫』の『虫』だね。また、出てくるかもしれないから、次は○○が見つけてね。」と促すと、子供は「発見」することが好きなので「探したい!」という気持ちになります。見つけられたときは、大げさなくらいほめてあげてください。
その本のみならず、いろいろなところで探すようになると、漢字を身近なものとして捉えることができ、やがては、「言葉」への好奇心にもつながるように思います。そして、何より、おうちのかたと楽しい時間を過ごすことがお子さまの心の栄養になります。おうちのかたが、自分の興味をもっていることでほめてくれたり、共感してくれることは、子供にとって大きな喜びです。それが、学びへの原動力にもなるのではないでしょうか。
子供の「書きたい」気持ちを大切に!
学校で習う前に自分で漢字を書き始める場合、書き順を気にされるおうちのかたも多いと思いますが、癖になるほど同じ書き順で何度も書かない限りは、まず心配ありません。最初は、絵をかいているような感覚でよいと思います。
気になる場合は、「上手に書けたね。」とほめたうえで、「もっとかっこよく書けて、書きやすい書き方があるよ。」などと言って、正しい書き順を教えてあげてはいかがでしょう。ただし、無理強いはしないことです。「漢字を書きたい」という意欲や「漢字を書く」ことへの興味を最優先したいですね。
まとめ & 実践 TIPS
少し話はそれますが、これはFacebookに投稿されていた、6歳の娘さんとお母さんの会話です。
「ママ~、∞無限大より大きいの、なにかわかる~?」「え~??わかんな~い」
—私に顔を近づけてー
「あい と こころ だよ。あい と こころ はすうじにできないからね。」
おうちのかたは、毎日忙しく過ごされていると思います。お子さまとゆっくりとした時間をなかなかもてないかもしれません。ですが、こんな素敵な会話が生まれることもあるのです。漢字をきっかけにしたお子さまとの楽しいひとときの中で、お子さまからの思いがけない言葉のプレゼントがあるかもしれません。今しか味わえないような‥。
さて、「あい と こころ」を漢字で表すと「愛と心」です。いかがでしょう。漢字は難しいものでしょうか。
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