学校司書って何? 明文化されたけれど…あいまいな存在

「学校司書」という存在を、ご存じでしょうか。司書教諭を補佐して、学校図書館(図書室)で、蔵書の整理や読書サービスなどに当たる事務職員のことです。いわば学校図書館の縁の下の力持ち的存在ですが、最近のアクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び、AL)などの充実に対応して、学校図書館の役割が重視されるようになり、改めて役割が注目を集めています。

2014年に初めて法制化

以前から学校司書という仕事はありましたが、図書館司書や司書教諭と異なり、法的根拠がなく、資格や職務内容などがあいまいなままでした。このため、地域により「図書館支援員」など、多様な呼び方がありました。

2014(平成26)年の改正学校図書館法で、初めて「学校司書」の名称が法制化され、さらに学校図書館への配置が、「努力義務」として地方自治体などに課せられました。しかし、図書館法で図書館司書の資格や職務が定められているのに対して、学校司書は、資格などの規定がないままとなっています。

文部科学省の調査によると2016(平成28)年4月現在、全国の国公私立学校のうち、小学校の59.2%、中学校の58.2%、高校の66.6%に、何らかの形で学校司書(ボランティアを除く)が配置されています。配置が努力義務となっているにもかかわらず、小中学校の配置校は6割にも満たない状況です。

また、学校司書を採用している地方自治体の34.6%が、資格や経験を求めていないというのが実情です。このため、常勤職員として学校司書を配置しているのは、小学校が12.4%、中学校が16.7%、高校が55.0%となっています。学校司書の多くが非常勤職員の身分であることがうかがえます。学校司書の立場は非常に厳しいといえるでしょう。

文科省が養成カリキュラムのモデル提示

その一方で、学校図書館の役割は、年々高まっています。特に、次期指導要領ではALなどが重視されるなど、学校図書館の役割が今まで以上に重視されるようになってきました。図書だけでなく、DVDや新聞など多様な資料の提供、子どもたちの調べ学習などに対する助言など、学校司書に期待される仕事の重要性や専門性も高まっています。

このため文科省は、教員が兼ねる司書教諭(12学級以上の学校は必置、それ以下は努力義務)と学校司書が連携・協力して学校図書館の運営に当たる必要があるとして、大学などで学校司書を養成するためのモデルカリキュラムを作成しました。

モデルカリキュラムでは、図書館学など司書としての知識の他に、児童生徒の発達段階に応じた読書活動の支援、学校図書館を活用した授業への支援など、学校教育に関する内容が含まれているのが特徴です。ただ、多様な人材が学校司書となっている現状を踏まえ、「学校司書」を独立した資格として設けることはしないとしています。文科省では今後、モデルカリキュラムを大学などに示して、学校司書の養成を行ってもらう方針です。

学校図書館の充実のためにも、今後、学校司書養成コースの履修者の採用、学校司書の配置の拡大などが求められます。

※平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/link/1378073.htm

※これからの学校図書館の整備充実について(報告)の公表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/115/houkoku/1378458.htm

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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