秋からの学習に直結! これだけは復習しよう【算数】 ~1・2年生~
算数は積み上げの教科といわれるように、学習内容の1つひとつが積み木のように積み重なり、次の学期や学年で習う学習内容を支えています。時間のある夏休みに、7月までに学習した内容をしっかり復習して、土台を固めておきたいですね。今回は、低学年の算数で復習しておきたいポイントと保護者のかたができるサポートをご紹介します。
【1年生】生活の中で、数にたくさんふれさせて
◆復習ポイント
1年生で習う算数の中で最大の難関となるのが、秋以降に学習する「くり上がり・くり下がりのあるたし算・ひき算」です。くり上がり・くり下がりのない計算は、指を使っても答えが出せるため、つまずく子は少数です。しかし、9+6=15や13−5=8などの計算になると、指を使っても数えられない数が出てくるため、つまずいてしまう子が多いのです。ここでつまずかないようにするには、夏休み中に「10までのたし算」「10までのひき算」をしっかり復習することが大切です。
◆保護者のサポートポイント
1年生の算数は、生活の中でも生かせる場面がたくさんあります。保護者のかたには、子どもが生活の中で楽しく「数」にふれられるよう、サポートしてあげてほしいと思います。なぜなら子どもにとっては、「2+3」という数字だけを見て計算するより、「イチゴが2個とリンゴが3個ありました。合わせていくつ?」と具体的な物を使いながら計算するほうが、「数」の概念をつかみやすく、「たす」や「ひく」という意味も理解しやすいからです。
夏休み中は、食事やおやつ、買い物など、生活のいろいろな場面で、たし算とひき算の計算クイズを出してあげてください。例えば、「○○ちゃんの筆箱のなかに黒い鉛筆が5本、赤鉛筆が1本あります。あわせて何本?」や「アイスが10個あります。お母さんと○○ちゃんでアイスを2個食べたら残りはいくつ?」といった問いかけをして、一緒に考えてみましょう。こうした取り組みをくり返していくと、子どもは指や物を使わなくても頭の中で「2」と「3」を合わせたら「5」になるというイメージを思い浮かべられるようになり、瞬間的に答えは「5」とわかるようになるのです。
また、くり上がり、くり下がりのあるたし算・ひき算をマスターするうえで大切になるのが、7月までに習った「いくつといくつをたすと10になるのか」「10はいくつといくつにわけられるか」といった「数の合成・分解」の考え方です。小学校では「8+6」のようなくり上がりのあるたし算を解くときには、「8に2をたせば10だから、6を2と4に分解すればいい」というふうに考えさせるからです。
夏休み中は、10になる組み合わせはいくつあるかなど、「数の合成と分解」をゲーム感覚で、楽しく復習できるとよいですね。例えば、「お母さんが1から9までの数字のうち1つだけを言うから、合わせて10になる数字を答えてね」と伝え、子どもに答えさせます。電車や車での移動中にも取り組めますので、ぜひチャレンジしてみてください。
【2年生】生活の中で、「時刻」と「時間」にふれさせて
◆復習ポイント
1年生までに何時何分を示す「時刻」を学びますが、2年生になると新たに「時間」の概念を学習します。1日は24時間、1時間は60分であることを学び、「8時に家を出て8時15分に図書館に着きました。かかった時間は何分か」、「8時10分から20分後は何時何分か」といった内容を学習します。ここでつまずきがちなのが、「時刻」と「時間」を混同してしまうということです。また、「何分前ですか」、「何分後ですか」という「時間」の概念を使って、「時刻」を求めることができない子が少なくありません。「時間」と「時刻」は、3年生でも引き続き学習する重要な単元ですから、7月までに習った内容を夏休み中にしっかり復習しておきましょう。
◆保護者のサポートポイント
「時刻」や「時間」の学習は、生活に密着した内容ですから、実際に日常生活の中で使うことで理解は深まっていきます。夏休みは、学校のある日と異なりチャイムや時間割りがないので、生活の中で「時刻」と「時間」を意識させるよいチャンスです。机に向かって勉強するだけでなく、生活の中で「時刻」を読んだり、「時間」を計ったりなど、「時刻」と「時間」にふれる機会をたくさんつくってあげましょう。
例えば、「10時10分のバスに乗ってお出かけするよ。家からバス停までは10分歩くから、何時何分に家を出ればよいかな」「朝ごはんを食べるのに20分間かかったね。○○ちゃんは何時何分からごはんを食べ始めたでしょう」と、「時間」や「時刻」に関する問題を出して、一緒に考えてみるのです。そうした生活経験から、「時刻」と「時間」の違いを理解できるようになり、「時間」の求め方もわかってくるはずです。